ゲーム作り人工知能ADV『Press Any Button』、Steamにて無料配布中。24時間限定
Steamにて、『Press Any Button』が24時間限定で無料配布される。

個人開発者のEugene Zubko氏は9月17日、『Press Any Button』の無料配布を24時間限定で開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、配布期間は9月18日午前2時まで。ライブラリに追加しておけば、配布期間終了後も無料でプレイすることが可能だ。ちなみに定価は税込235円の作品だ。
『Press Any Button』は、AIと二人三脚でゲームを改良していくアドベンチャーゲームだ。本作では重要な研究のために作られた人工知能「A-Eye」というキャラクターが登場。仕事に飽きてしまったA-Eyeはその研究をゲームに変える ことを決意する。アセットも描けず、作曲 もできず、ゲームデザインすら知らないA-Eyeのゲーム作りに、プレイヤーは付き合わされることとなる。ゲーム作りを続けるうちに、A-Eyeの生と死に満ちた物語が解き明かされていく。

ゲームを開始すると、レトロなOS風の画面に、「ビデオゲームが集中力と反応に与える実験」をしていることが表示される。ゲームをプレイする場合は「Press Any Button(好きなボタンを押してください)」とのこと。プレイヤーは実験の被験者であり、集中力を測定するためのシンプルなゲームを長時間プレイしなければならないようだ。プレイしていると、突然どこからか話しかけられA-Eyeが乱入してくる。A-Eyeは実験ゲームの出来に不満があり、「こんなのつまらないでしょ」との一声で、プレイヤーはA-Eyeのゲーム改良に付き合わされることになる。
本作は至ってシンプルなゲームから始まる。最初は「上から落ちてくるブロックが動くラインに重なったらボタンを押すだけ」のゲームだ。そこにA-Eyeが工夫を重ねていき、ルールが変わっていく。たとえば、マウス操作が追加されて「落ちてくるオブジェクトを受け止める」というシステムになったり、軽いリズムゲームになったり、パズルゲームになったりとスタイルが変化。ライフ制のゲームも登場するため、しっかりと攻略していくことになる。

本作では実験の守秘契約によりプレイヤーからA-Eyeに話しかけることはできないものの、A-Eyeはそのことを理解し、自らプレイヤーの質問を予測しながら頻繁かつ軽妙に語りかけてくる。合間には実験ゲームの改良に至った理由や、A-Eye自身の悲しい過去なども明かされていく。本作は日本語には非対応ながら、比較的簡単な英語で構成されているため、翻訳アプリなども利用すれば理解することは難しくないだろう。
本作は2021年1月にリリースされ、Steamユーザーレビューでは193件のうち、93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。一見すると実験ゲームをテーマにしたシンプルな作品ながら、A-Eyeという魅力的なキャラクターや、描かれる物語が感動的で心に響くとして大変な好評を博している。1時間前後という短編作品でもあることから映画に例える声も聞かれる 。
そんな本作が9月17日より無料配布が開始された。9月は世界自殺予防月間とされており、本作でもデリケートなテーマが扱われていることから、より多くの方にプレイしてもらいたいそうだ。本作を気に入った場合は、ミニアートブックやサウンドトラックを購入するのもいいだろう。また、本作を手がけたEugene Zubko氏による新作『Knight of the Lions』の体験版が公開中だ。
『Press Any Button』はSteamにて、9月18日午前2時まで無料配布中。ライブラリに追加しておけば、配布期間終了後も無料でプレイすることが可能だ。