
Steamで配信停止された『逆転裁判』風ゲーム『無罪裁廷』、無事に配信再開。内容変更一切なしで復活
デベロッパーのC&D Gamesは9月9日、『無罪裁廷』をSteamで配信再開したことを発表した。

デベロッパーのC&D Games(猫龙游戏)は9月9日、『無罪裁廷』をSteamで配信再開したことを発表した。本作は今年7月にDMCA申請に基づき、一時的に配信停止されていた。Game*Sparkが報じている。
『無罪裁廷』は法廷推理アドベンチャーだ。対応プラットフォームはPC(Steam)で日本語表示に対応。新米弁護士の雷冬雪はベテラン弁護士の龍秋風とともに各地を巡るうちに、さまざまな事件に巻き込まれることになる。探偵パートで事件の証拠を集め、それをもとに裁判での弁論に挑む。数々の難事件を解決する中では、そこに潜む闇と真実が明らかになっていく。


本作はC&D Gamesが2015年に中国でリリースしたスマートフォン向けゲーム『这个家伙无罪』のリメイク作品だ。同作はもともとカプコンが手がける法廷バトルアドベンチャーゲームシリーズ『逆転裁判』のファンコミュニティから生まれたという背景をもち、基本的なゲームシステムは『逆転裁判』をリスペクトしたものとなっている。一方で、テキストベースのゲームの核となるストーリーについては、妥協することなくオリジナリティを追求し、UIや演出などについても独自のものを採用してきたそうだ(百度百科)。
そしてオリジナル版のスタッフによるリメイク作品『無罪裁廷』は今年3月にリリース。しかし、7月16日には本作が配信停止されたことを報告していた。その後C&D Gamesは、Steam運営およびパブリッシャーとの協議のうえ、配信停止はDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づくものであることを明かし、関係各所と問題解決に当たることを発表していた。直接的な要因については明かされていないものの、元は『逆転裁判』のファンコンテンツであったという経緯を考慮すると、同シリーズに関する著作権侵害が疑われた可能性も考えられる。
そしてC&D Gamesは本日9月9日、約2か月の期間を経て配信が再開されたことを報告した。なお、ゲーム内容には配信停止前のバージョンからの変更点がないことを伝えている。
DMCAに基づく申請は本来であれば権利者あるいは代理人がおこなう手続きであり、虚偽申請には罰則も設けられている。ところがSteamでは特に最近になってModコミュニティを中心に、第三者により悪用されている可能性も問題視されている状況だ(VICE)。申請を受けた場合プラットフォーム側は制度上迅速な対応をおこなう必要があり、まずはページを一時的に非公開にする運用が一般的になっている。
とはいえ要件を満たす反対通知を送ることで、権利者側が訴訟を提起しなければ削除されたコンテンツは復旧される。先述したとおり今回のDMCA通知の申請者は不明ながら、いずれにせよ訴訟には至らなかったようだ。無事に配信開始となった本作。今後は予定していた改善のアップデートを進める方針を示しており、ユーザーのフィードバックをもとにこれまで課題として挙げられていたローカライズの改善などにも引き続き取り組まれるものとみられる。
『無罪裁廷』はPC(Steam)向けに配信中。
