Nintendo Switch 2の開発キット、「全然手に入らない」との報道。Nintendo Switch 2向けにゲームを作りたくても作れない
Nintendo Switch 2が発売されてから2か月以上が経過した現在、対応ゲームの開発に必要な開発キットについて入手しづらい状況が続いているようだ。

Nintendo Switch 2が発売されてから2か月以上が経過した現在、まだ本体が普通に入手できるような状況にはなっていないが、それは対応ゲームの開発に必要な開発キットについても同様のようだ。海外メディアDigital Foundryが報告している。
ゲームの技術解析で知られる同メディアは8月26日、ゲーム業界の最近の話題を振り返る動画を投稿。この中で、先週ドイツで開催されたゲームイベントgamescom 2025を取材した際に、多くの開発者がNintendo Switch 2の開発キットを入手できないと語っていたと明かしている。
gamescom 2025を取材したDigital FoundryのJohn Linneman氏によると、非常に多くの開発者が口を揃えて、Nintendo Switch 2の開発キットが手に入らないと述べていたという。自らの作品のNintendo Switch 2版を制作してリリースしたいが、それが叶わない状況であり、(おそらく任天堂に)代わりにNintendo Switch版を制作し後方互換機能を利用するよう促されているとのこと。
なお上に掲載したのは、人気作『プロミス・マスコットエージェンシー』の日本公式Xアカウントによる投稿だ。同作のNintendo Switch 2版についてファンに問われるも、多くのインディースタジオが開発キットを手に入れられていないとしており、Linneman氏の報告とも符合する。
Nintendo Switch 2の開発キットが手に入らないという報告はこれまでにもあった。たとえば、『Warframe』を手がけるDigital ExtremesのCEO Steve Sinclair氏は先月7月に開催したイベント「Tennocon 2025」にて、同作をNintendo Switch 2向けに移植したいが、必要なハードウェアを入手するまでは開発を始められないとコメント。開発キットの在庫が不足しているようだとも述べている(IGN)。

Digital FoundryのOliver Mackenzie氏は、AAAゲームを手がけるような大手メーカーであっても開発キットをなかなか入手できていないと伝えられている一方で、それほど実績の多くないインディースタジオがNintendo Switch 2向けゲームをリリースしていると指摘。開発キットにおける任天堂の戦略は承知していないが、奇妙な状況であると述べている。
同氏が言及したNintendo Switch 2向けインディーゲームは、オインクゲームズが手がけた焚き火ゲーム『チルっと焚き火ソン』のことのようだ。おすそわけ通信やビデオチャットといった、Nintendo Switch 2ならではの機能に対応している。
一部では、任天堂は開発キットの提供条件として、Nintendo Switch 2の新機能に対応することなどをメーカーに求めていると報じられていた(Wccftech)。その真偽は定かではないが、新機能の積極的な活用を提案したことで、オインクゲームズは開発キットを優先的に提供されたのかもしれない。
Nintendo Switch 2の“開発キット不足”はかねてより伝えられており、まだ状況は改善されていないことが今回確認された格好だ。開発キットは市販の製品本体をベースに、開発用途の仕様が盛り込まれたハードウェアになっているものとみられ、同じく品薄の影響を受けているのかもしれない。Nintendo Switch 2向けゲームのラインナップの充実にもかかわる問題であり、開発者に早く行きわたることが望まれる。