基本プレイ無料“街”オープンワールド『NTE』で始めるもうひとつの人生。不思議な現象“異象”と共に生きる街、ヘテロシティの異常な日常を紹介

今回は、ヘテロシティをヘテロシティたらしめている現象である異象について、掘り下げていくことにする。

Perfect World Gamesは7月3日から7月17日の間、『NTE: Neverness to Everness』のクローズドベータテスト「収容テスト」を実施した。本作の魅力をお伝えする「ヘテロシティ生活日記」全10回のうち第7回となる今回は、ヘテロシティで起こる不思議な現象、異象(アノマリー)について詳しく紹介する。

『NTE: Neverness to Everness』は、Unreal Engine 5で開発中のオープンワールドRPG。基本プレイ無料形式で配信予定。開発はHotta Studioが担当。現時点で告知されている対応プラットフォームは、PS5/PC/モバイルだ。

NTE: Neverness to Everness』の舞台となるのは、異象と人間が共存する大都市ヘテロシティ。記憶を失いヘテロシティに流れ着いた主人公は、ひょんなことから巻き込まれた異象事件を見事に解決。その異象に対する能力の高さを買われて、骨董品屋エイボンの異象ハンターとなり、異象に関するありとあらゆる依頼を解決していく。


“異常”と隣り合わせの“日常”

今回で第7回を迎えたヘテロシティ生活日記。異象と最新トレンドが融合した奇妙な街、ヘテロシティでの生活をまったりとお届けしてきたが、そもそも異象とはなんなのか気になっている方もいることだろう。そこで今回は、ヘテロシティをヘテロシティたらしめている現象である異象について、掘り下げていくことにする。

たとえばヘテロシティを散策していると、ロッカーや自動販売機などに潜んだ生物型異象、「異骸」が襲い掛かってくることがある。こういった異象に対処することが異象ハンターの主な仕事となるわけだが、すべての異象がこういった敵対的な存在というわけではない。

前回までの日記に登場した異象を例に挙げてみる。たとえばお部屋探しの回では、奇妙だが便利な能力をもつ家具である「異象家具」を紹介したし、カーレースの回ではバイクを駆る「デュラハン」という異象とスピード勝負をすることになった。さらに言えば第6回で紹介した骨董品屋エイボンの同僚である「タギド」も、生物型異象の異骸に分類される。異象とは、実にさまざまな形で現れるものなのだ。

これらの例を見てもらってもわかる通り、異象に明確な定義を与えることは難しい。人間に敵意をもっているものもいればそうでないものもいるし、そもそも具体的な形や意志などをもたないケースもある。とにかく、ヘテロシティで起こる不思議な出来事はすべてこの異象に分類されると思ってもらってOKだ。


ちなみに、コミュニケーションが可能で人間に悪意がないことが保証された異象は、ヘテロシティの市民権を得ることもできる。先述のタギドもこれにあたり、異象市民がもつ強力な能力はヘテロシティ発展の大きな原動力の1つとなっている。

異象管理局の物品修理を一手に引き受けるバラクーダ。可愛らしい見た目に反して、兄貴肌の職人タイプだ。

異象をしたたかに利用する街、ヘテロシティ

これまでに仕事で遭遇してきた異象を振り返ってみよう。異象ハンターとなって初めての仕事は、「額縁」の姿をした異象の無力化だった。

絵画の中に入ると、そこには空間がねじ曲がった世界が広がっていた。その奥に潜む異象の本体との戦闘になるも、どれだけ攻撃を重ねても倒すことができない。白熱した攻防の中、同僚のミントがふと怪異の美しさを褒める。それを聞いた異象は突如攻撃をやめ、そのままあっさりと無力化に成功。どうやら美術品としての自身の価値を認めてほしかっただけのようで、異象の行動原理が人間とはかけ離れていることが伺えるエピソードだ。

天真爛漫なミントの、底抜けの明るさに助けられた一幕だ。

一方で、人間と問題なくコミュニケーションを取れる異象も存在する。ある日街中で出会った子犬の異骸「リール」は、同じ子犬型異骸の「オール」と「ブール」と“離れ離れ”になってしまったと相談してきた。トラブル解決のため彼らから話を聞いてみるも、どうもそれぞれの話が噛み合わない。それもそのはず、彼らは元々一頭のケルベロス型異骸で、魂を分離する異象の影響で3頭の子犬に“離れ離れ”にされてしまっていたのだ。

元凶となった異象を取り戻し、無事に解決。異象ハンターたるもの、先入観をもたずに問題に立ち向かう姿勢が求められる。

また、意志のない単なる物質であっても、異象となり得る。最近ヘテロシティで人気を博している異象おもちゃの「イメージクレイ」は、頭に思い浮かべたものの形を完璧に再現できる粘土だ。安定性テストにも合格済みということで市民の間で広く受け入れられていたが、実は生き物の形にしてしまうと暴走するというとんでもない欠陥を抱えていた。意志をもたないとはいえ異象は異象、扱う際は最大限の注意が求められる。

最近では、ネットの誹謗中傷から異象が生まれるケースも確認されている。「ミーム異象」と呼ばれるこの異象は、人々が特定の出来事や人物に関心を抱いている限り力を増し続けるというやっかいな性質を備えている。守るべきヘテロシティの市民たちの心から、恐ろしい異象が生まれてしまうこともあるのだ。

異象管理局の職員がトマトジュースの自動販売機を破壊して回っている、という誤解から生まれた異象。

キャプション:噂の基となった本人との直接対決をネットで配信することで誤解は解け、異象は弱体化。その隙をつき無事に収容は完了した。

また、人間に異象の力が宿ることもある。彼らは「異能者」と呼ばれ、その力をヘテロシティのために役立てているものもいれば、非合法の汚れ仕事で荒稼ぎしているものもいるようだ。

72時間という制限はあるものの、物体の完全なコピーを作れる異能者。その収入は、あまり口外できないやり口から得ているようだ。

特殊なケースでは、異象の能力をヘテロシティのインフラに利用していることもある。「幽霊号」と呼ばれるその列車型異象は、異象市民専用の交通手段だ。基本的には便利な移動手段だが、やはり異象というだけあり一筋縄ではいかない。「乗車券をもたない場合、幽霊号に触れることすらできない」「もし幽霊号が緊急停車しても、緊急通報ボタンと書かれた赤いボタンには絶対に触ってはいけない」などの奇妙なルールが多く存在するのだ。その中でも、列車が異象空間に迷い込んでしまった場合は特に危険だ。幽霊号から降りて脱出を試みなければならないのだが、その際にこちらに危害を加えてくる異骸と戦い、自力で振り払う必要があるためだ。

幽霊号の管理人は、「浮遊さん」と呼ばれる異骸が務める。複雑な注意点を無視しようとする乗客に、日々悩まされているとのこと。

幽霊号の利便性の代価というにはあまりにも危険すぎるリスクだが、これを腕試しの場として用いる腕に覚えのある異象ハンターもいるらしい。異象空間の奥に行くほど敵も強くなるため、的確な判断力やメンバーごとの相性を意識したチーム構築が求められるのがたまらないのだとか。

異象ハンターの力試しの場としても人気の幽霊号。バトルに勝った際の報酬の良さもその人気の理由らしい。

今回は、さまざまな形でヘテロシティに現れる異象を紹介してみた。これらの異象は確かに恐ろしいものだが、ヘテロシティの人々はそれを怖がるどころかその力を取り込んで利用することを覚え始めている。ヘテロシティの本当の強みは異象そのものではなく、そこに住まう人々がもつ貪欲さと向上心、バイタリティなのかもしれない。

NTE: Neverness to Everness』はPC/PS5/モバイル向けに基本プレイ無料で配信予定だ。

Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

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