SIE、格闘ゲーム世界大会「EVO」の株式を売却。運営からは退き、今後はグローバルスポンサーに

EVO公式は8月21日、「2025年のビジネスアップデート」を公開。2021年にEVOを買収したSIEが、EVOの株式を売却するかたちで運営を退くとのこと。なおスポンサーとしての支援は継続するようだ。

Evolution Championship Series(EVO)は現地時間8月21日、「2025年のビジネスアップデート」として情報を公開。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が所持していたEVOの株式を、NODWIN Gamingに売却することを発表した。SIEは今後2028年までEVOのグローバルスポンサーとなることが伝えられており、直接的な運営からは退くものの、支援を継続する方針を示している。

EVOは、世界最大級の格闘ゲーム大会だ。1995年にアメリカ・カリフォルニア州にて開催された「Battle by the Bay」が前身となっている。以後EVO(Evolution Championship Series)と名を改めたり、ラスベガスに開催地を移したりしつつ、『ストリートファイター』や『鉄拳』『THE KING OF FIGHTERS』といった数々の格闘ゲームタイトルの大会として、毎年夏に開催されている。

今年の「EVO 2025」はアメリカ・ラスベガスで現地時間8月1日から8月3日にかけて開催。また近年では「EVO Japan」として春先に日本でも開催されるほか、今年10月にはフランス・ニースにて「Evo France 2025」が開催予定。なおSIEは、EVOを2021年にRTS社と共同で買収(関連記事)。以来運営を直接手掛けていた。

今回、EVOの発表によれば、SIEはEVOの株式をNODWIN Gamingに売却。今後はNODWIN GamingがRTS社とともにEVOの株式を共同所有し、運営に携わることになる。NODWIN Gamingは2014年に設立された会社で、主にアジア圏を中心に、eスポーツのトーナメントやリーグなどの運営を手がけているという。なお同社はソニーグループからの出資を受けているとのこと。

一方でSIEは直接の運営を退くものの、支援の継続は表明している。まずは2028年までEVOのグローバルスポンサーとなる契約を締結したことが伝えられている。またPlayStationトーナメントや格闘ゲームプレイヤーに訴求力のある開発中の主要製品を通じて、格闘ゲームコミュニティに向けた取り組みを継続する方針とのこと。

ちなみにSIEからは7月29日にアーケードコントローラー「FlexStrike ワイヤレスファイトスティック」が正式発表された(関連記事)。こうしたデバイスの展開も格闘ゲームコミュニティへの向けの施策の一環と見られる。EVOの直接的な運営からは退くとみられるものの、引き続き格闘ゲームコミュニティに狙いを据えた施策は打ち出されていくのだろう。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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