生命進化サンドボックス『Planetary Life』さっそく「非常に好評」の好発進。気候操作から隕石落としまで、見守るも壊すも自由な多様環境惑星づくり
Sotenboxは8月15日、惑星シミュレーションゲーム『Planetary Life』の早期アクセス配信を開始。さっそく好評を博している。

デベロッパーのSotenboxは8月15日、惑星シミュレーションゲーム『Planetary Life』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。
『Planetary Life』は、惑星を形作って生命を見守るサンドボックスシミュレーションゲームである。プレイヤーは惑星の環境を変えたり、生命を誕生させたりすることができる。惑星は自動生成され、プレートの移動、高度、温度、湿度、降水量、風といった要素がシミュレートされている。各要素は相互に影響しあっており、環境は時間の経過とともに変動していく。そんな惑星をプレイヤーは見守っても良いし、好きに干渉しても良い。生命を見守る、ゆるやかな時間を味わえる作品だ。

ゲームプレイではCosmic Energy(宇宙エネルギー)を消費して惑星に干渉することになる。Cosmic Energyは時間経過で溜まっていくほか、特定のタスクを達成した場合の報酬としても獲得できる。タスクの内容はたとえば「惑星の温度を特定の範囲内に調整する」「惑星上の生命の数が100に達する」といったもので、生命を増やして進化させていくのがゲームの大きな目的となっている。
Cosmic Energyを消費すると、プレイヤーは隕石を降らせたり、地震や竜巻を起こしたりすることが可能。水のない不毛の惑星で生命は誕生しないため、惑星を海で覆いたい。そんなときは、水分を大量に含んでいる彗星をぶつけて海を創造するといった具合だ。ちなみに隕石や災害はプレイヤーが操作せずとも稀に発生する。

同様にCosmic Energyを消費すれば生命を誕生させることもできる。生命は大きく動物・植物・菌類に分けられ、最初はごく原始的なものを生み落とすことになる。生命は時間経過とともに増えたり、突然変異を起こしたりする。現在惑星上にどんな生命が息づいているかは、いつでもカタログで確認することが可能だ。
生命はComplexity(複雑さ)、Life(耐久値)、Temperature(適応可能な温度の範囲)、Attack(攻撃力)、Defense(防御力)、Speed in ground/water/air(陸上・水中・空中それぞれの速度)、Sight(視野)といったステータスを持ち、そのほかにも食性や繁殖方法などの特性を持っている。生命は適応できる土地であれば数を増やしていくが、ほかの生命に追いやられたり環境が変化したりして適応できない場合や、ほかの生命との争いに敗れた場合、食べる物がなくなってしまうなどしてエネルギーを得られない場合には死滅してしまう。もちろん隕石や災害などで広い範囲の生命が一気に消えてしまうこともある。

また、プレイヤーは生命を好きな位置に動かすことも可能。隕石が迫る地点の生命をどうしても生き延びさせたい場合に、動かすといったこともできるわけだ。さらに、生命をほかの生命の真上に移動させれば、生命同士を混ぜ合わせることもできる。
このほか、惑星の核の温度や降水などを好きに調整する機能や、生命のデザインを自由におこなう機能など、プレイヤーはさまざまな手段で惑星に干渉することができる。ただ生命のなりゆきを見守るか、それとも積極的に介入するかはプレイヤー次第だ。

そんな本作はリリースからじわじわと高い評価を集めており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは96件と母数はさほど多くないものの、そのうち94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は惑星と生命に対して自由に干渉でき、ダイナミックな生命の進化を観察できる作品だ。レビューではそんな自由なゲームプレイを楽しんでいる声が多く聞かれ、Maxisが手がけ2008年にリリースされた『SPORE』に本作をなぞらえる評価もみられる。また本作は早期アクセス配信されたばかりということもあり、今後実装される見込みの「文明」段階など、将来の拡張への期待も寄せられている。
本作を手がけるSotenboxは、スペインに拠点を置くゲーム開発者pitxardo氏が個人で運営するインディーゲームデベロッパーである。過去にはAndroid向けドリル掘削ゲーム『Manic Driller』や、生徒が退屈して寝てしまわないよう即興でおもしろく歴史を要約する『Turbo History』など、無料プレイ可能な作品を複数リリースしている。本作はそんな同氏がSteamでリリースする初の作品であり、ゲーム開発者としてのキャリアを“進化”させる野心作なのだろう。

本作の早期アクセス期間は未定となっており、今後は広くアイデアやフィードバックを受け付けながら、ゲームとしてのボリュームや完成度を充実させていくとのこと。早期アクセス開始時点では原始的な生命から複雑な多細胞生物へ進化していく段階が実装済みで、今後の大型アップデートとしては生命が知性を持って「文明」を築く段階の追加が計画されている。
ちなみに現時点で本作は日本語に対応していないが、Steamコミュニティ内の質疑では、日本語対応も検討するとの開発者の意向が確認できる。今後の言語対応状況にも注目したい。
『Planetary Life』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、8月23日までの期間限定で定価の17%オフとなる税込1162円で購入可能だ。