モノクロ不穏世界ホラー『ひとつ目のリーホ』ロシア語圏で熱い人気模様。マッチのあかりを頼りに進む“ほどよく怖い”ストーリー
Morteshkaは7月29日、『ひとつ目のリーホ』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。特にロシア語圏ユーザーの間で人気のようだ。

デベロッパーのMorteshkaは7月29日、ホラーアドベンチャー『ひとつ目のリーホ』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はさっそく高い評価を得ており、特にロシア語圏ユーザーの間で人気のようだ。
『ひとつ目のリーホ』は、19世紀のロシアを舞台とした一人称視点のホラーアドベンチャーゲームである。本作の世界観はスラヴの民間伝承をモチーフとしており、白黒で描かれた不気味で幻想的な空間が舞台となる。プレイヤーはマッチの灯りだけを頼りに、仄暗いモノクロの世界を探索することになる。

本作のタイトルにもなっている「ひとつ目のリーホ」は、スラヴの民間伝承に登場する存在だ。「リーホ」はスラヴ神話において、邪悪で不幸な運命の象徴とされている。片目だけを持ち、黒衣をまとった痩せこけた老婆の姿として描かれることが多い。
本作の目的は、そんなリーホを探し出すことである。薄暗いモノクロ世界において、頼れるものは手元のマッチの灯りのみ。基本的なゲームプレイとしては、マッチで道を照らしながら歩いて進んでいくことになる。探索中にはメモの収集や、火を使って解くパズルといった謎解き要素も存在。敵に見つからないよう物陰に身をひそめたり、ジャンプスケアなどの緊張感のあるホラー演出も用意されている。プレイヤーはリーホを追って、自らの不吉な運命から逃れることを目指す。


本作は7月29日にリリースされると、さっそく高い評価を得ている。本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは、約300件中92%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。そして、投稿されているレビューを言語別に見ると、ロシア語によるレビューが全体の80%以上を占めているようだ(Steam Scout)。モチーフとなるリーホになじみ深い、ロシア語圏ユーザーの支持を受けていることがうかがえる。
本作では、モノクロで描かれた世界を歩いて進むことになる。だからこそ光と影による演出がより際立ち、没入感のあるサウンドとも相まってダークファンタジーらしい重厚な雰囲気を醸し出していると好評だ。また本作では、スラヴ民話のエッセンスが随所に散りばめられており、物語に独特の深みを与えている。まるで作品そのものがおとぎ話であるかのように感じさせるストーリー展開が、プレイヤーに強い印象を残しているようだ。なお、先述したように謎解きやステルスの要素も存在するものの、プレイの難易度としてはそれほど高くなく、ストーリー体験に重点が置かれていると言える。本作のトレイラー映像でも、評価の的となっている本作特有の雰囲気を味わうことができるため、興味のある方はぜひ視聴してみてほしい。
本作の開発元であるMorteshkaは、ロシアに拠点を置くインディーゲームスタジオだ。神話や民間伝承を題材にした、ダークで神秘的な世界観を特徴とするゲームを中心に手がけている。これまでには、古代神話アドベンチャー『The Mooseman』や魔法カードRPG『Black Book』をリリース。いずれも本稿執筆時点のSteamユーザーレビューで「非常に好評」ステータスを獲得するなど、高い評価を受けている。本作も、その独特の世界観がユーザーの期待に応えるかたちで、好評を博しているようだ。
『ひとつ目のリーホ』はPC(Steam)向けに配信中。