サービス終了を待つ『トライブナイン』、なんと元開発者が集結し「同人活動」として物語完結を目指す。ファンの“黒歴史”にはしない

『トライブナイン(TRIBE NINE)』の非公式・非営利二次創作活動をおこなう同人サークル「ねおねおんトライブ」の設立が発表された。

トライブナイン(TRIBE NINE)』の非公式・非営利二次創作活動をおこなう同人サークル「ねおねおんトライブ」の設立が発表された。同作の開発に深く携わった小高和剛氏、山口修平氏、杉中克考氏の3名が発足させた異色の同人サークルだ。

『トライブナイン』は、死にゲー×アクションRPGと銘打たれた基本プレイ無料ゲームだ。『ダンガンロンパ』シリーズを手がけた小高和剛氏率いるトゥーキョーゲームスと、アカツキゲームスの共同プロジェクトとして開発され、今年2月にリリース。当初はゲームテンポや課金面で批判が寄せられていたものの大幅な改善が実施され、ユーザー評価は持ち直しを見せていた。

しかし運営元のアカツキゲームスからは、5月に早くもサービス終了されることが発表。11月27日をもって、サービス終了予定となっている。

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このたびそんな本作の同人サークル「ねおねおんトライブ」が設立された。なんと開発に携わっていたクリエイターが集結し、非公式・非営利二次創作活動をおこなうという。座組としては世界観原案を担当した小高和剛氏、終盤まで本作のプロデューサーを務めていた山口修平氏、物語づくりに深く携わったという杉中克考氏の3名だ。

同サークルでは『トライブナイン』が今後も長く語り継がれる作品となることを願い、作中で語られなかった物語の続編や、既存の物語の再構築を軸とした創作に取り組んでいくとのこと。まずはwebストーリーという形での物語の完結を目指すものの、ただの読み物ではない仕組みを考案中だという。またあくまで非公式ながら、ユーザーと共に新たな物語を紡いでいきたいそうだ。アカツキゲームスの承諾も得たうえでの活動だそうで、同社への感謝も綴られている。

設立にあたっては3名がそれぞれXアカウントにコメントを投じており、それぞれの意気込みがうかがえる。なかでも山口氏はプロデューサーとして長く『トライブナイン』に携わり、開発終盤に離脱したもののリリース時には喜びもひとしおだったという。そのためサービス終了の報には大きな喪失感があり、何かできることを模索した結果、小高氏の協力、杉中氏のバックアップを得て、非公式・非営利の同人活動として物語の続きを制作する運びとなったとのこと。

前代未聞ともいえる、元開発者自らが“同人活動”としてサービス終了作品の物語完結を目指す今回の取り組み。小高氏は「面白い物語を残せれば、また何かが変わるかもしれません」と伝えつつ、「トライブナインを好きだった事が黒歴史になるような終わり方では終わらせません」とコメントしている。ちなみに同氏がディレクターを務めた『『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』が4月に発売されたばかりであり、9月5日には同氏が携わる『終点教団』が発売予定。引き続きゲーム開発にも専念するようで、「ねおねおんトライブ」としての活動はあくまで趣味として、仕事には支障をきたさないように空き時間や休みの日におこなっていくそうだ。今後の「ねおねおんトライブ」の活動に注目したい。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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