『League of Legends』プロリーグにおいて“インチキプロチーム”が登場1日で即追放処分。“プロ”らしからぬプレイ多発、選手の顔映像もループっぽい
『League of Legends』のプロリーグにて、八百長目的と見られるチームが出現したようだ。当該チームはスプリット開幕後1日ですぐさま処分されている。

『League of Legends』(以下、LoL)のプロリーグである「Rift Legends」にて、八百長目的と見られる“インチキプロチーム”が出現したようだ。同チームは「Rift Legends」で意図的に敗戦し、八百長をおこなった疑いなどがかかっている。当該チームメンバーには、以前『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、CS:GO)にて八百長疑惑のあったプレイヤーが在籍していたとも伝えられており、話題となっている。Dexertoが報じている。
今回問題のチームが所属していたリーグは「Rift Legends」。東ヨーロッパを対象とした、『LoL』の2部プロリーグにあたる。同リーグはもともとポーランドのリーグとして開催され、その後東ヨーロッパのリーグとして発展した「Ultraliga」の後継で、7月23日より「Rift Legends 2025 Summer」が開幕している。
問題となったチームはリトアニアに拠点を置くMY STAR。同チームは2025年1月に「Rift Legends」に参加する8チームのうちの1チームとして出場。「Winter」「Spring」とどちらのスプリットでも出場していたものの、「Summer」においてはメンバーを総入れ替えしていた。
そんなMY STARは7月23日に「Summer」スプリットの初陣としてチームBack2TheGame(B2TG)と対戦した。しかしその試合では敵に突っ込みつつも無抵抗な様子が見られ、スキルを意図的に外したように見える場面などが相次いだ。
たとえばX上に投稿された試合の一部では、チャンピオン「ニーコ」のアルティメットスキルを、相手に掠りもしないような距離で突然発動する様子が確認できる。そのほかYouTube上にアップロードされたハイライト動画では、トップレーンにおける戦闘において、みだりに突出しては相手に倒されている場面も見られる。これらの行為が、真剣に試合に勝とうとしない「敗退行為」であるとして、各所から指摘されていた。
また不審な点はゲームのプレイングだけではない。こうしたプロリーグの試合においては、画面下部にプレイヤーの顔を捉えたカメラの映像が映される。だが、MY STARのメンバーについて、この映像が“ループしている”という疑いが寄せられている。実際に映像を確認してみると、B2TGのメンバーは戦闘のタイミングで口を開いて会話したり、表情の変化が認められるものの、MY STAR側は会話している様子もなければ、どのタイミングで映像が切り替わっても変化がないように見える。
これら数々の疑惑を受けて「Rift Legends」運営は7月24日にさっそく声明を発表。MY STARが登録選手について詐称をおこない、リーグで定めている選手の資格規則に反し、公平性と公正性を侵害したとして、「Rift Legends」からの即時失格と契約解除を実施した。また関連する証拠をRiot Gamesに送付したうえで、Riot Gamesの判断を仰ぐとのことだ。当該の試合が終了した翌日に処分されるという、スピード失格となったわけだ。
なおMY STARのメンバーとして参加していたkory氏およびLakatosD氏については、以前に『CS:GO』で八百長疑惑があったプレイヤーとされており、『LoL』において八百長の“再犯”をしたのではないかという疑いもかかっている状況だ。
ちなみに『LoL』のeスポーツシーンにおいては、2024年にベトナムリーグ「VCS 2024 Spring Split」にて、約30人がかかわったとする大規模な八百長がおこなわれたとする発表があった(eSports World)。こうした八百長の裏には、eスポーツシーンにおける勝敗に加え、試合運びの詳細までも賭けの対象とするブックメーカーサイトの存在が指摘されている。八百長はサイトを利用した賭博において利益をあげることが目的と見られ、今回の「Rift Legends」での関連行為も、そうした背景があってのものと考えられている。
今回は露骨な敗退行為や偽映像などによって、スプリット開幕1日足らずで即失格となったMY STARの追放処分が報じられたかたち。ただ八百長疑惑についての真偽は定かではなく、敗退行為などとあわせ、追っての調査結果報告も待たれるところだ。