幻覚&現実入り乱れホラー『Who’s at the door?』大好評スタート。家を訪ねてくる人たちは果たして“本物”なのか、幻覚に抗う疑心暗鬼探索ホラー

SKONEC Entertainmentは7月18日、ホラーゲーム『Who's at the door?』をリリース。本作はさっそく、好評を獲得し始めている。

SKONEC Entertainmentは7月18日、ホラーゲームWho’s at the door?をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は表示・音声とも日本語に対応している。

『Who’s at the door?』は幻覚と現実を見極める、いわゆる『8番出口』系のホラーゲームである。舞台は1990年の韓国・ソウル。主人公は何らかの精神病を患っており、幻覚症状に悩まされている。プレイヤーはこの患者として、症状を安定させて寛解を目指すことになる。

ゲームプレイでは古いアパートの一室のような空間を探索することになる。部屋の間取りは、水槽やテレビが置かれている居間、台所、ユニットバス、小さな作業部屋、そして玄関といった感じで、幻覚が見えていない状態でも、静まり返った古い建物に特有の不気味さが漂っている。

プレイヤーはこの一室で、幻覚が見えていないかどうかを確かめることになる。幻覚症状が出ているときには玄関の扉の傍らに置かれている薬を服用し、幻覚が見えていない状態なら玄関の扉を開けて薬を受け取るのだ。正しい判断を下した場合にだけ治療が進んだとして日付が進み、判断を誤った場合には治療は最初からやり直しとなる。異変を見つけて進むか戻るかを選択する『8番出口』に近いスタイルだが、時間経過で症状が落ち着き幻覚が治まる場合もあるため注意が必要だ。

幻覚症状が出ていない時には扉を開けて薬を受け取ることになるが、外で待っているのは、とても現実と思えぬような姿をした人ばかりである。自分が受けている治療は適切なものなのか、果たしておかしいのは自分なのか、周囲なのか。幻覚と現実の境界が曖昧な状態で、疑心暗鬼が深まっていくのを感じられるだろう。

また、主人公は趣味として人形の修復をおこなっているようだ。部屋の中では時おり人形のパーツを見つけることができ、発見したパーツは作業部屋に集められていく。主人公は人形に触れていると心が安らぐと感じており、人形の修復こそが症状を克服するために重要だと考えているようだ。エンディングは3つ用意されており、真のエンディングを迎えるには繰り返しプレイして人形のパーツをすべて集める必要があるとのこと。

そんな本作はリリースからさっそく好評を博している。本稿執筆時点で寄せられているSteamユーザーレビューはリリース初日にして約90件、そのうち98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は『The Cabin Factory』や『8番出口』にインスピレーションを受けた作品でありながらも、幻覚症状の克服という目的を軸としてしっかりとストーリーを描いた作品だ。レビューでは短編ホラーとしての演出や体験を楽しんだという声が多く聞かれるが、本作を際立たせているストーリー要素も高く評価されている。

本作を手がけたSKONEC Entertainmentは、韓国に拠点を置くXR(クロスリアリティ)コンテンツ企業である。XRとは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの総称だ。Steamでは過去にVRホラー『Another Door: Escape Room』をリリースしているほか、Meta Quest向けのチーム対戦型シューター『Strike Rush』なども手がけている。また、ゲームだけでなく軍事・消防・危険物処理・医療実習などさまざまな用途の訓練用システム構築や、VRで見られる歴史的な遺構のデジタル復元など、XRを持ち味に多くの分野に携わっているようだ。そんな同社が現実と虚構が入り乱れるホラー作品を作っただけに、本作の描写はいっそう真実味を帯びてくると言えそうだ。

『Who’s at the door?』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、7月26日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込522円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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