『グランド・セフト・オートV(GTA5)』、今になってサウジアラビアで発売。「21歳以上対象」で

サウジアラビアにて現地時間7月17日、『グランド・セフト・オートV』が発売された。対象年齢として新たに「21歳以上」の区分が設けられたことが発売に至ったようだ。

サウジアラビアにて現地時間7月17日、『グランド・セフト・オートV』(以下、GTA5)が発売された。同国のレーティング機関において、対象年齢として新たに「21歳以上」の区分が設けられたことで、ようやくの発売に至ったようだ。

『GTA5』は、2013年にPS3/Xbox 360向けに発売されたオープンワールドアクションゲームだ。舞台となるのはアメリカ・カリフォルニア州をモチーフとする架空のサンアンドレアス州。ロサンゼルスを彷彿とさせる大都市を擁するロスサントス郡と、自然豊かなブレイン郡からなる地域だ。広大なマップにてマイケル・フランクリン・トレバーの3人の主人公により、政府機関や民間軍事会社などが関わる壮大な犯罪物語が描かれる。

本作は2014年にPC/PS4/Xbox One向けに、2022年にはPS5/Xbox Series X|S向けに発売。現行機向けにもグローバル展開される中、暴力的・性的かつ薬物に関わる描写なども含む過激な表現から表現規制のうえで発売された、あるいは発売禁止となっている地域もある。サウジアラビアでも長らく正規の販売ルートでは本作を入手できなかったという。

しかし今回、そんな本作がサウジアラビアでついに発売。サウジアラビアでは独自のレーティング機関General Authority of Media Regulation(GAMR)が存在しており、本作は同機関にて新設された「21歳以上対象」の区分で発売となったようだ。またあわせて同じくこれまで本作が発売されていなかったアラブ首長国連邦(UAE)でも、同国では既存の年齢区分であった「21歳以上対象」で発売された。

ちなみにこれまでも両国では、個人的に海外小売店から購入する、あるいは別の地域のユーザーとして対応プラットフォームのアカウントを作成しダウンロード版を購入するといった方法で本作がプレイされている状況もあったという(Niko Partners)。ただ税関で弾かれたり、プラットフォーム側の規約違反であったりとあくまで非正規な手段ではあったようだ。このたび発売から約12年を経て、両国のユーザーがようやく正式に本作をプレイできるようになったかたち。

なお21歳以上対象という区分ということもあってか、両国で発売された本作には基本的には表現規制も施されていない模様だ。ただし付属の『GTAオンライン』におけるカジノ要素はプレイ不可になっているという報告もみられる(RockstarINTEL)。先述した非正規の入手方法でプレイされていた際にもカジノ要素がプレイ不可となっていることが報告されており、正式に発売されたものの引き続きその点は規制されている様子だ。

サウジアラビアでは、表現規制についてメーカー側が対応できない場合、発売禁止となる例もみられた。たとえば2023年6月にグローバル発売された『ファイナルファンタジーXVI』などが例として挙げられる。ただ今回新たに21歳以上対象の区分が設けられたこともあり、今後はより幅広いゲームが展開されていくことも期待される。『GTA5』に続き、2026年5月26日に発売予定の『グランド・セフト・オートVI』についても発売されるかどうかは注目されるところだろう。

ちなみに近年中東ではUAEやサウジアラビアを筆頭にゲーム産業も活発化を見せている。サウジアラビアでは政府系ファンドの子会社であるSavvy Games Groupによってeスポーツ事業への投資などがおこなわれており、同国では2027年に世界初となるオリンピックeスポーツ大会(Olympic Esports Games)が開催予定。そうした状況も、今回の規制緩和の背景としてあるのかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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