指がもつれるゲーム『Fingerdance』100%好評のままじわ伸び中。指を動かすだけなのに、頭どんどん混乱ゲーム

PsychoFlux Entertainmentは6月20日、キーボード上の指を動かすゲーム『Fingerdance』をリリースした。着実に好評レビューが集まっている。

パブリッシャーのPsychoFlux Entertainmentは6月20日、zniq氏が手がけるFingerdanceをリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はその操作のおもしろさから、好評率100%のままじわじわと好評レビューを集めている。

『Fingerdance』は、ただ指をもつれさせるだけのゲームである。プレイヤーは右手か左手のどちらかをキーボードに配置し、画面の指示に従って指を動かす。指の動かし方はステージによって異なり、すべての指示通りに指を動かせばステージクリアとなる。できるだけ素早く指を動かして、クリアまでのタイム短縮を目指すという作品だ。

ゲームプレイでは右手と左手、どちらでも好きな方を選ぶことができる。キーボードの任意の5つのキーが各指に対応するので、押しやすいように無理なく届くキー5つに各指を置いて、3秒間押し続ければ準備完了だ。

ゲームを開始すると、5つ並んだ丸が何段も現れる。これは各指を押すか離すかの指示である。黒い丸●は対応する指を押す、白い丸○は指を離すことを意味する。たとえば左手の場合、「○●●●●」は「小指だけを離す」といった意味になる。

もっとも上段にある5つの丸に従って指を動かせば、次の段の指示へと移り、すべての指示を正確にこなせばステージクリアだ。クリアまでのタイムに応じてランクがつけられ、さらに上のランクがある場合はタイムをあとどれだけ短縮しなければならないかのタイム差も表示される。ちなみに途中で間違えた場合は最初からやり直しだ。素早く指を動かそうとするあまり、ミスをしてはいけない。

序盤のステージでは、指を一つずつ離すといったシンプルな指示が多い。小指や薬指は言うことを聞きにくいかもしれないが、一つずつなので比較的動かしやすいだろう。しかし、ステージが進むにつれて指示は複雑になっていく。たとえば、ステージの一つは「親指・中指・小指を押す」「人差し指と薬指を押す」という動作をひたすら交互に繰り返すというものだ。実際にやってみると、素早く正確におこなうのは思いのほか難しいことがわかる。慣れない動きに脳の普段使っていない部分が熱くなるような感覚を味わえるだろう。

そんな『Fingerdance』はじわじわと好評を集めており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは79件と母数は少ないものの、そのうち100%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作のゲームプレイは指示通りに指を動かすという極めてシンプルなものだが、素早く正確に5つの指をコントロールするという慣れない動作を求められるため、ついつい指がもつれてしまう。身体が言うことを聞かないもどかしい感覚と、徐々に正確に指を動かせるようになっていくことに新鮮なおもしろさを見出しているプレイヤーが多いようだ。

本作を手がけたzniq氏は韓国・ソウルで活動する個人のゲーム開発者である。本作がSteamでリリースする初の作品のようだ。公式Webサイトはソースコード管理サービスGitHubのアカウントと、SNSアカウントへのリンクが置かれているだけの極めてシンプルな作りで、積極的な広報をおこなっていた形跡はなく、YouTubeなどに動画を投稿している様子も見られない。ゲームそのもののおもしろさだけで、じわじわと人気を集めているかたちだ。


『Fingerdance』はPC(Steam)向けに配信中。定価は税込350円となっている。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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