古代カルト不穏ホラー『Hellkind』Steamで無料配信開始

Motamotは7月1日、『Hellkind』をSteamにて無料で配信開始した。本作はスペインの伝承をモチーフとしたホラーゲームだ。

デベロッパーのMotamotは7月1日、『Hellkind』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は無料。なお本作は日本語には対応していない。

『Hellkind』は見下ろし型のホラーゲームだ。舞台はスペインのサン・アンドレス・デ・テイシドに位置する不気味な聖域。薄暗い部屋で目を覚ましたプレイヤーは、古代のカルトの囁きに導かれて聖域を探索することに。完成に近づく邪悪な儀式には、最後のピースとして「魔女」が必要だ。今こそプレイヤーは儀式の一部となり、禁じられたパズルを解いていく。

基本操作としては、キーボードのWASDを用いた移動とスペースキーによるインタラクトを使用する。聖域内をゆっくりと進む道中では、白くハイライトされたアイテムを発見することがある。これに近づきインタラクトすることでアイテムを調べることが可能。なかには拾うことのできるアイテムもあり、各所にあるメモの記述などを頼りに、何に使うアイテムなのかを推測する必要がある。マップにはプレイヤーが押すことのできる椅子なども配置されており、その下にアイテムが隠れているといったシーンも存在する。

音や映像で驚かせるジャンプスケア的な演出も若干あるものの、戦闘や逃走といったプレイヤーを焦らせるイベントはなく、ゲーム全体としてはほどよい不気味さに留まっている印象。プレイ時間としては20~30分ほどの短編作品となっている。

筆者は本作をクリアまでプレイしてみたが、ビジュアルやオーディオの没入感の高さが持ち味となっていた。なお本作は日本語には対応しておらず、謎解きはある程度わかれば進めることも可能ながら、背景の物語を深く理解するには英語の読解力も必要となりそうだ。

本作を手がけたMotamotは、グラフィックデザイナーでゲーム開発者のEmir Arkman氏による個人スタジオだ。Arkman氏は2022年に設立されたゲームスタジオのMaverick GamesにてリードUIアーティストとして働くかたわらで、夜間や週末の時間を活用して本作の開発をおこなってきたという。白と黒の無数の点で表現されたゲーム画面のほか、設定メニューの細部に至るまで洗練された本作の意匠には、同氏のデザイナーとしての感性が存分に発揮されているのだろう。

なお、本作はスペイン・ガリシア地方の伝承や雰囲気にインスピレーションを受けて制作されたという。ゲーム内表示は英語となっているが、ナレーションはガリシア語。ガリシアには「亡霊の行列」を意味する「サンタ・コンパーニャ」という有名な伝承があり、不吉をもたらす存在としてその地で語り継がれてきたそうだ。

『Hellkind』はPC(Steam)向けに、無料で配信中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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