『ボーダーランズ4』先行プレイ感想。『ボーダーランズ』最新作は広大なフィールド×ハクスラFPSで登場、よりハイな銃撃とでっかいスキルツリーを引っ提げて
このたび一部を先行してプレイする機会に恵まれたため、現時点で判明している作品の内容を紹介していきたいと思う。

遂にベールを脱いだシューティングRPGシリーズ最新作『ボーダーランズ4』。このたび一部を先行してプレイする機会に恵まれたため、現時点で判明している作品の内容を紹介していきたいと思う。発売時には日本語吹き替え対応となるが、今回はPC・英語版をプレイしていることに留意して欲しい。
『ボーダーランズ4』はGearbox Software が開発しているシューティングRPGであり、1人称プレイのシューティングゲームである。発売日は2025年9月12日。対応プラットフォームはPC(Steam、Epic)/Nintendo Switch2(2025年発売予定)/PlayStation 5/Xbox Series X|Sとなっている。価格は付属する特典ごとに異なるため、詳しくは公式HPを参照してほしい。
本作は「ボーダーランズ」シリーズ最新作。1人称プレイのシューティングゲームとキャラクターの育成及び、ハック・アンド・スラッシュを組み合わせたゲームデザインを特徴としている。今回プレイヤーは、4人のバッドアスなヴォルト・ハンターの1人となり、前作における最終盤の物語を通じ鎖国状態から開放された惑星「カイロス」を舞台に暴れまわることになる。
広大なフィールドとRUN&GUN

レポートへ移る前に、今回の試遊に際して、筆者はある懸念を抱いていたことを告白したい。本作は広大なフィールドでハック・アンド・スラッシュを醍醐味の1つとしているが……それって、「新作ゲームの内容として楽しめるのか」と。似たゲームデザインを取り入れた作品は『ボーダーランズ3』から『ボーダーランズ4』に至るまで、いやそれ以前から何本も発売されており、筆者もプレイし続けてきた。作品のアピールポイントに対して〇〇ライクという先駆者がいる。これはジャンルを代表するシリーズが常に直面する宿命である。結論から言えば、本作はその宿命を克服しているように見える。試遊段階の時点から、ルートシューターのパイオニアとして、「自分を忘れてもらっちゃ困る」という意気込みが強く感じられる内容となっていた。
では試遊レポートに移っていこう。このたびプレイしたのは、「2人のヴォルト・ハンター」「3種類のロケーション」。当日はフィールド探索を楽しむ時間と、強敵との連戦を行う時間。そして協力プレイを楽しむ時間の3部構成になっていた。
まず最初の時間割である「フィールド探索を楽しむ時間」について触れていこう。試遊専用のセーブデータを選び、意気揚々と新惑星カイロスに降り立つ筆者。視界に移るのは一面の緑。そして谷、山、崖。広い。ただただ広い。そして気づくのは「遮蔽物」の少なさだ。これは単に見晴らしを良くして、プレイヤーに進行目標を探させるだけでなく、後述する新アクションを使っての戦闘を楽しんでほしいという意図が込められているのだろう。誘導に従って進んでいくと、タイムキーパーの軍勢に襲われている農場を発見。シームレスな形でクエストが始まった。バトルに突入……トリガーハッピーになる時間である。

ちなみに、この時間で筆者が選んだヴォルト・ハンターは「ヴェックス」だ。セイレーンである彼女は、自律型の分身を作り出して、それと共闘したり、デコイにしながら戦っていくのが得意なキャラクターである。今回は大きな虎を召喚して共闘するアビリティをチョイス。ふたりで広々としたフィールドを駆け回っていく。本作ではいわゆる二段ジャンプや一定時間の空中移動、瞬間的なダッシュによる回避行動、スライディングなど、空間を活かした新しい移動方法が導入されている。さらに、グレネードや重火器が消費物ではなく回数制になることで、積極的に使用可能になった。これが意味するのは、戦闘の3次元化および高速化である。
グレネードを投げながら敵陣に突撃し、ダッシュで射線を逸らしながらショットガンやSMGをぶちかます。囲まれそうになった場合はジャンプと空中移動で空に逃亡しつつ、安全圏から狙撃する。グラップリングシステムを活用すれば、高所へ即座に移動可能なだけでなく、フィールドに散らばる爆発物を手元に引き寄せ、そのまま投げることが可能。何なら水に潜って泳ぐことだってできる。興味深いのはこの3次元戦闘に、本シリーズの持ち味である「無数の武器種」が上手く絡み合っている点である。
武器には1つ1つ得意とする射程があり、本作は高速の3次元戦闘を行っている。つまり、プレイヤーは所持している武器ごとに異なる立ち回りを覚える必要がある。そして登場する武器種はめちゃくちゃ多い。前作は10億種類の武器が存在することを売りにしていた。当然ながら、ビルドの完成というゴールは存在する。とはいえ、プレイヤーはそこへ至る道すがら、さまざまな武器を使いこなす必要に迫られるだろう。俗に言うランアンドガンをゲームデザインの主軸に据えた作品は数あれど、このように暴力的な手段で個性を捻出する試みはなんとも「ボーダーランズ」らしい。この仕様に合わせてか、敵についても、空を元気よく飛び回る者がバンバン登場したり、弾幕を張ったり衝撃波を放ったりと、空間を利用した攻撃が目立つようになった印象だ。

農場でヒャッハーしたあと、ストーリーが進行し、本作のキーキャラクターの1人と出会う。しかし言ってることが全然わからない。なぜなら英語版をプレイしているから……。ありがとう、は分かった。ストーリーについては製品版に期待である。なお開発者いわく、本作には体制側のタイムキーパーとそれに抗うアウトバウンダーズという2大勢力が登場するが、プレイヤーはどちらの味方をしても良いらしい。あくまで、お宝探しに来たヴォルト・ハンターが結果として内戦に介入することになる、という筋書きのようだ。また、本作はメインクエストだけでなくサブクエストも用意されているが、どちらも進行度をプレイヤーがコントロールできる。メインストーリーを進行中にサブクエストを発見し、そのままクリア。一段落したあとにメインに戻るということが可能となっている。一本道ではない、広大なフィールドを活かした物語設計である。
クエストをクリアした筆者は、移動に便利なビークルをゲット。前作にも武装車両を運転する機会はあったが、今回は広大なフィールドが舞台になっているだけあって、敵を轢き潰したり銃弾を撒き散らす爽快感は爆発的に上昇している。ほぼどこでも召喚可能になっているのが便利だ。愛車にまたがり野を超え山を超え、ストーリーを進めるべく、敵の拠点へと潜入し、略奪を図る。3次元戦闘を導入したことで、拠点の内容が画一的になっていないのが楽しい。グラップリング用のギミックによって上下を行き来する立ち回りを推奨した設計もあれば、空中移動を駆使しながら足場を飛び回る拠点もある。やがて弾幕を張るボスを倒し、筆者の前半戦は終了した。
そしてハック・アンド・スラッシュ

後半戦は強敵と戦うステージとマルチプレイなのだが、その前にGearboxの社長であるランディ=ピッチフォード氏がマジックを披露してくれたことを報告しておきたい。来日してテンション上がりすぎだろうと高をくくっていたが、本格派なトランプマジックでひたすら感動した。小さな会議室で至近距離にいる社長が本格マジックを披露するという尋常ならざる状況に混乱もした。「鑑賞に集中してほしい」とのことで撮影許可は降りなかったが、今も鮮明に思い出す不思議で楽しい時間であった。
この経験を通じて上がったテンションのまま、後半戦に突入。この時間で使用したヴォルト・ハンターはエクソソルジャーの「ラファ」だ。新型エクソスーツにより身体的なハンデを克服した改造人間で、スキルツリーに応じて遠近さまざまなレンジでの戦いに対応できる。今回選んだアビリティは一定時間背中にキャノンを展開し、自動攻撃してくれるものだ。きっと強敵も簡単に倒せるだろうと思っていたが、これが強かった。遮蔽物の間を飛び回りながら、範囲攻撃をかわしつつ、銃撃や近接攻撃を差し込んでいく。前半戦とは打って変わって慎重な立ち回りを強いられる。先述したように、本作の敵は「面」を意識して攻撃してくるため、キャラクターコントロールの技術はぜひ習熟しておきたい。そして激闘の果てに、ヴォルトハンターへの福音がフィールド一帯にこだまする。最高レア度「レジェンダリー」の武器がドロップしたのだ。
今作は「レジェンダリー」のドロップに関する仕様変更が入っており、特定の敵からしかドロップしなくなった。前作と比較してレア度を強調する狙いがあるという。また、本作は武器のメーカーごとに戦術の特色があり(たとえば、爆発物が得意なメーカーがある)、「認可パーツ」システムを通じて、複数のメーカーの特色を持った武器も作ることが可能だ。最高の武器に最高のパーツ、そしてデカいスキルツリーの組み合わせを通じて、最強のキャラビルドを作り上げるのが本作における醍醐味の1つである。ちなみに、本作のスキルツリーは前作よりも項目が増え、デカくなっている。そして1人のキャラに3つずつ用意されている。すでに4人のキャラが発表されているが、アビリティ構成を考えるだけで1日過ごせそうだ。
最後にマルチプレイ……オンラインおよびローカル協力プレイを楽しむ。今回はお隣さんとプレイした。二人でバラバラに活動することもあれば、ときに集まって強敵に挑むこともある。広いフィールドによって生まれる心地よいい距離感である。本作は「ECHO-4」というドローンが道案内をはじめ、冒険をサポートしてくれる。そのため、道に迷うことはなかった。ちなみに筆者はマルチプレイ中、「クラップトラップ」を発見。彼から受け取ったクエストをこなしていた。惑星カイロスでもコイツは元気である。おそらく色々と罵られているだろう英語を聞き流しながら遊んでいると、試遊時間の終わりは訪れた。終わってみればあっという間である。

試遊レポートは以上だ。現時点におけるインプレッションとしては、広大なフィールドと3次元戦闘を生み出す新規アクション、そしてさまざまな武器種が互いに相乗効果を発揮しており、着実にグレードアップしているように思う。筆者にとって「ボーダーランズ」シリーズは、それこそ年輪を重ねるたびに太く大きく育っていく大樹のように、作品を重ねるたびに着実に良くなっていくタイトルであるという認識を持っている。今回もまたその例に漏れず、素晴らしい進化を果たしていると言っていいだろう。ルートシューターのパイオニアとして、「自分を忘れてもらっちゃ困る」という意気込みが強く感じられる内容となっていた。製品版の続報が待ち遠しい限りだ。
『ボーダーランズ4』は2025年9月12日に発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam、Epic)/Nintendo Switch2(2025年発売予定)/PlayStation 5/Xbox Series X|Sとなっている。