『ボーダーランズ4』開発者インタビュー。“新作ならでは”の要素から、フィールドの大きさ、バランス調整方針とその反応への向き合い方まで訊いてきた
作品の先行プレイと、Gearboxの開発関係者に対するメディア合同インタビューが行われた。本稿では合同インタビューに関する内容をお送りしたい。

シューティングRPGのパイオニアとして知られる、「ボーダーランズ」シリーズ最新作『ボーダーランズ4』が9月12日に発売される。これに伴い、作品の先行プレイと、Gearboxの開発関係者に対するメディア合同インタビューが行われた。本稿では合同インタビューに関する内容をお送りしたい。(なお、先行プレイの内容については後日公開される予定だ。)
『ボーダーランズ4』はGearbox Software が開発しているシューティングRPGであり、一人称プレイのシューティングゲームである。発売日は2025年9月12日。対応プラットフォームはPC(Steam、Epic)/Nintendo Switch2/PlayStation 5/Xbox Series X|Sとなっている。価格は付属する特典ごとに異なるため、詳しくは公式HPを参照してほしい。
本作は「ボーダーランズ」シリーズ最新作。一人称プレイのシューティングゲームとキャラクターの育成及び、ハック・アンド・スラッシュを組み合わせたゲームデザインを特徴としている。今回プレイヤーは、4人のバッドアスなヴォルト・ハンターの1人となり、前作における最終盤の物語を通じ鎖国状態から開放された惑星「カイロス」を舞台に暴れまわることになる。

今回のインタビューはGearbox Entertainment Company 創設者であり社長でもある
ランディ・ピッチフォード氏(写真左)ならびに、 グローバル・クリエイティブ・エグゼクティブオフィサーであるアンドリュー・ライナー氏(写真右)に対して行われた。

――本作はシームレスなマップ構成を特徴としていますが、実際の広さはどの程度なのでしょう。また、一周のプレイ時間はどれくらいになりますか。
ランディ氏:
まず広さに関しては、「めちゃくちゃ広い」です。『ボーダーランズ3』のマップよりも広いです(笑)
アンドリュー氏:
プレイ時間については、ストーリーを一周するにあたって、ものすごい時間がかかったとだけコメントしておきます(笑)
ランディ氏:
今回マップが「めちゃくちゃ広い」というのは、最初からデザインしていたわけではありませんでした。開発中に湧いたアイデアを作中に落とし込んでいく中で、結果として、広大なマップが出来上がりました。
ちなみに、マップにおけるオブジェクトやコンテンツの密度に関しては、場所によって異なります。詰まっている部分もあれば、ひらけている場所もあります。たとえば、街と街をつなぐ道路に関しては「密度が低い」場所になっています。ただ、仕込みを行っている箇所や突発的なイベントが発生する場合もあるので、「密度が低い」=退屈な場所になるとは思わないでくださいね。
――本作の物語は前作を経て、新しい体験が盛り込まれていますか?
ランディ氏:
前提として、本作は『ボーダーランズ3』の後の時系列において語られる物語ですが、3をプレイしていなくても楽しめる内容になっています。既存のファンがニッコリするような仕込みもあります。テーマとしては「自由を求める人々」「統治を推し進めたい意志」この2つの要素に因るコンフリクト(葛藤)です。独裁主義のような世界観と、自由を求めるカオスな世界観の衝突を想像してみてもらえればわかりやすいかと。物語はもちろん、キャラクターの造形、マップ、小さなクリーチャー、動物に至るまで、上記2つの要素が浸透しています。そんな世界に没入していただきつつ、物語体験を楽しんでください。
そして、本作は「進化」という点に力を入れています。ゲームの構成要素すべてにおいて、進化を感じていただけるように努力しました。グラフィックスやモーションをはじめ、モービルチェイスや、戦闘体験などすべてです。

――レジェンダリーのドロップ頻度を減らした理由を教えて下さい。合わせて、クリア後のプレイ内容に関して設計の変化はありますか?
アンドリュー氏:
まず、レジェンダリーのドロップ頻度を減らしたことについては、仕様を変化させることで、その体験をより印象的なものとして位置づけたかったからです。前作はレジェンダリーがドロップしすぎたと思います。
私は約1000時間、本作をプレイしていますが、レジェンダリーのドロップは稀です。ゆえに、1000時間以上プレイしてもドロップした時は本当に嬉しい。この高揚感の維持が仕様変更の狙いになっています。このほかにも秘密にしているシステムが存在するので、公開を楽しみにお待ち下さい。
シナリオクリア後のエンドゲームについては……言いたいことが山程ありますが、秘密です(笑)過去最強の内容である、ベストということは間違いないです。
ちなみに、欲しい装備を狙って集めるファーミングは、これまで以上に簡単になりました。『ボーダーランズ4』では、ミッションを好きなタイミングで何度でも再プレイできるほか、新要素「モクシィのビッグ・アンコール(Moxxi’s Big Encore)」マシンを使って、ボス
戦にも繰り返し挑戦することが可能です。
――発売後のアップデートに関する予定は決まっていますか。
ランディ氏:
わたしたちは「ボーダーランズ」というシリーズを作り続けます。その言葉がすべてです。まずは本作を無事に発売できるよう努力していきます。
――シューティングRPGとして、本シリーズは武器の収集やスキル育成のように、RPGとしても楽しめますね。シューターとしての部分とRPGの部分、どのように折り合いをつけ、2つの魅力を高めましたか。
ランディ氏:
シューティングRPG、というデザインは、私自身、シューターもRPGも大好きである、という点にインスピレーションの根源があります。
シューターの面白さについては、(高速で飛び交う銃弾による攻防を通じて)瞬間の中に面白さがあると考えています。迫りくる銃弾を素早く避けるなどですね。一方、RPGの面白さとは長期的なものです。キャラクターの成長や、プレイスキルの向上、冒険を通じた段階的な世界の広がりといった面白さがあります。そして、この2つが組み合わさったとき、より面白くなるのではないかと私は考えました。ただ実際に両者を融合するとなると、その道は困難を極めました。さまざまな分野のスタッフに協力を求め、今があります。思い返せば、スタッフたちに何度も同じ質問をされました。「これはRPGとシューター、どっちを重視しているの」と。「両方です」と答えています。これは本作の開発においてもそうでしたね(笑)

――『ボーダーランズ3』はリリース当初、ゲームバランスの調整内容(全体的に強いものを弱くしていく方針)に不満が出ました。本作は大丈夫でしょうか。本作ではファンコミュニティとどのように関わっていきますか。
ランディ氏:
いい質問ですね(笑)ゲームバランスについては、正直なところ、予見をし、完全に把握することは難しいというのが本音です。無数と言っていいほどの武器とスキルの組み合わせが存在するからです。しかし、コミュニティの皆さんとの対話については、こちらの目と耳はいつも開いていますよ。実際問題、たくさんのプレイヤーの方々がプレイしてくださってはじめて判明する問題もあります。バグに関しては発見され次第、早急に対処します。バランス調整の頻度に関してはそこまで多くないと思っていただければ。
――今回Nintendo Switch 2 版を通じて、はじめてプレイする方もいると思います。初心者に向けてのフォローアップはありますか?
ランディ氏:
Nintendo Switch 2 、いいですよね(にっこり)。私達は過去に、自分たちのゲームをNintendo のハードに対応することはありましたが、基本的にはまず他のハードから対応、販売をしていました。そして今回はじめて、Nintendo Switch2に最初から本作を対応させるにあたって、ハードを研究しました。Nintendo Switch 2 にはマウス操作の機能がありますが、本当に素晴らしいです。狙った場所をスムーズに狙うことができます。普段PCで遊んでいるけど、本作をSwitch 2 で遊ぶことを検討している人は試してみてください。
――最後に、ファンの皆さんにひとことお願いします。
ランディ氏:
ぜひ本作を手にとっていただき、私達がいちばん体験して欲しい、エンターテイメント性を存分に味わって欲しいと思います。
――ありがとうございました。
ランディ氏とアンドリュー氏:
こちらこそ、ありがとうございました。
『ボーダーランズ4』の発売日は2025年9月12日。対応プラットフォームはPC(Steam、Epic)/Nintendo Switch2/PlayStation 5/Xbox Series X|Sとなっている。