大人気トラック運転シム『Euro Truck Simulator 2』に、なんと「長距離バス」実装へ。“乗り心地”も問われる、物流とひと味違う旅路

SCS Softwareは6月15日、トラック運転シミュレーションゲーム『Euro Truck Simulator 2』の新たなDLC「Coaches」を発表した。

デベロッパーのSCS Softwareは日本時間6月15日、トラック運転シミュレーションゲームEuro Truck Simulator 2の新たなDLC「Coaches」を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。

『Euro Truck Simulator 2』はヨーロッパ各国を舞台として大型トラックを運転できるシミュレーションゲームである。実在のトラックメーカーが実名で登場し、忠実に再現されたトラックを自由に選択して運転することができる。マップはヨーロッパ全土を網羅するほど広大なもので、DLCを含めればヨーロッパのほとんどの国をカバーしている。日本時間6月14日には新しくアイスランドを追加するDLCが発表されたばかりだ。そんなリアルな運転と、景色による旅情を味わえる作品に、新たに「Coaches」が追加されるという。つまり、長距離バスを運転できるようになるのだ。

今回発表された「Coaches」でできるようになるのは、これまでの貨物運送とは一線を画す、長距離バスによる旅客運送である。詳細はこちらの動画で語られている。「Coaches」開発には専任のチームがあたるため、ゲーム本体のアップデートやDLC開発には影響しないとのことだ。

開発はまだ初期段階にあるが、すでにScania Touring、Volvo 9700 DD、MAN Lion’s Coachといった実在の車両のライセンスを取得済みのようだ。車両のリアルなモデリングのほか、トラックでは入ることの難しかった市街地や、バスターミナルといった新たなマップの開発が進められているという。さらに、どれほどひどい運転でも貨物は文句を言わないが、乗客には満足度のようなステータスを持たせるという構想も語られている。ただし、あくまで運転にフォーカスしたいとの思いから、切符の発行や乗客対応のような要素は計画されていないとのこと。

本作に長距離バスを追加するという構想自体は、2013年の段階ですでに存在しており、実在のバスの各部分を写真におさめ、エンジン音やドア開閉音などを録音し、運転しているスタッフたちの様子も公開されていた。それから実に12年越しの構想実現となったかたちだ。

本作のトラック運転は非常にリアルに再現されており、大型車ならではの内輪差に気を配る必要があるのはもちろんのこと、バックでの車庫入れは極めて難しい。さらに自動セーブということもあり、運転に慣れるまではすぐに事故を起こしてしまってお金を稼ぐどころではない。そんなリアルな運転が、エンジン音やウインカーなどの細かなサウンドや、実際の景色、実在の車両で体験できるとあって、大変な人気を博してきた。

また、運転だけでなく、ガレージの購入や運転手の雇用といった会社運営要素や、ライトや排気管といったさまざまな車両カスタマイズ要素、マルチプレイやフォトモードなど、トラック運転に関わるものを広くカバーしている。長距離バスでこうしたリアルな描写や、運営などの要素がどうなるか、注目したいところだ。

本作は、発売された2012年10月から約13年にもわたりアップデートやDLC開発が続けられてきた。10周年を迎えた2022年の段階で、1300万本以上を売り上げていたという。車両の追加やマップの追加などの多数のDLCも販売されており、DLCの売上本数は同じ2022年の段階で8000万本以上とのことである。Steamユーザーレビューは本稿執筆時点で、なんと約66万件という驚異的な数字だ。そのうち97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。そんな大人気作に新たな要素「長距離バス」の登場は新風を巻き起こすとみられ、本作のさらなる飛躍が期待される。


『Euro Truck Simulator 2』はPC(Steam)向けに、定価税込2780円で配信中。DLC「Coaches」は、すでにウィッシュリスト登録が可能となっている。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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