Steam『オートローグ』発売後すぐさま売上1万本突破し、たちまち人気に。“ガンビット”形式のシナジーで1ターンキルを組む爽快ローグライク
わずか2日で売上1万本の大台を達成したようだ。

個人開発者の定期的な宝物氏は5月25日、『オートローグ』の売上1万本突破を報告した。同作は5月23日に、PC(Steam)向けに配信開始。24日には5000本突破が報告されていたが、わずか2日で売上1万本の大台を達成したようだ。
『オートローグ』は、スキルと条件で行動パターンを組み上げて攻略する、自動戦闘・行動構築ローグライクだ。本作では、戦闘はすべてオートバトルとなっている。プレイヤーはバトルが始まると、戦闘に干渉できないわけだ。そこで本作では、事前にスキルと条件によって行動パターンを設計する。行動設計の主軸となるスキルには攻撃やバフといった効果や、消費エナジーなどが設定されている。また基本的な条件としては、ターン数から敵・味方の状態に応じたものまで、幅広い条件が存在する。
本作ではそうしたスキルと条件の組み合わせによって、ターンごとの行動を構築していく。敵が攻撃してくる場合に防御行動を取らせたり、ターンの最初にバフを積んだりなど、条件とスキルの組み合わせでキャラクターの行動をコントロール。敵の特性やスキル/条件のシナジーなどを考慮して行動パターンを構築し、自動的に進行するターン制バトルを勝ち抜いていくのだ。『FF12』のガンビットや『ユニコーンオーバーロード』のシステムなど、行動ルーチンを組み上げるシステムを想像しらもらえればわかりやすいだろう。


基本的な要素としては、本作ではターン数が重要なリソースの一つとなっている。残りターン数が尽きるとゲームオーバー。各バトルでも10ターンを超えると時間切れになるため、素早く倒すことも目的となっている。しかし、敵の行動に対応しているだけでは、撃破まで時間がかかってしまう。強力なスキルを手に入れても発動するためのコストが重いなど、単体では扱いづらいものも多い。そこで本作では、スキルや条件によるシナジーが重要になる。

たとえば、スキル「禁術」は自身のHPを15失う代わりに、行動リソースであるエナジーを5回復させる強力なスキルだ。エナジー回復効果のあるスキルの中でも、5は大きな数字である。一方でデメリットのHP15消費は大きく、無計画に使うと自傷ダメージだけで戦闘に敗北してしまう。ターンごとの使用回数が1回までとなる「休憩」効果も付与されているため、単体で大きな仕事はできないようになっている。
ただしそんな扱いづらいスキルも、HP消費そのものを変換する条件などと組み合わせると、メリットだけのスキルに変化。「休憩」効果による使用回数制限にも手を加えると、大きな行動リソースを稼ぎ出す動力炉へと変貌する。禁術が代償を踏み倒し、膨大なエナジーを高速で稼ぎ出す様子は、見ているだけで気持ちがいい。

強力な行動の例としては、大量のバフやデバフを活かす構成や、コスト回復などを活かしたループコンボ、わかりやすくゲームを破壊する「追加ターン」なども存在。上手くシナジーを構築できれば、ボスの1ターンキルもできる。本作ではスキルや条件の組み合わせで強力なシナジーを生み出し、自動戦闘を攻略するわけだ。
ゲーム内の要素としては、初期スキルから異なる白と黒のプレイアブルキャラクターが登場。数種類の難易度や、特定の組み合わせでスキル/レリックを揃えると追加でスキル/レリックがもらえる仕組みも存在している。また本作では、組み上げた行動による戦闘の結果は、常に予測表示される。倍速や3倍速、デメリット無しのリトライ機能も搭載。自動戦闘である点も含めて、シナジーや行動パターンの構築に集中しやすい仕組みも特徴だろう。

本作は5月23日にPC(Steam)向けに配信開始された。開発者である定期的な宝物氏のポストによると、リリース翌日の5月24日には売上5000本を突破。5月25日には、大台の売上1万本を達成したそうだ。宣伝力に乏しい個人開発作品ながら、発売からわずか2日で1万人のプレイヤーが購入したわけである。またSteamの同時接続ユーザーは5月25日には1224人に到達(SteamDB)。個人開発ゲームとしてはかなりのプレイヤーが遊んでいることがうかがえる。
なぜ本作は、発売直後より多くのプレイヤーから関心を集めているのだろうか。まず本作はSteamのユーザーレビューでは、記事執筆時点で134件中94%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得。プレイヤーからは、予測表示や気軽に試せるリトライ機能といった遊びやすさ、強力なシナジーによって気持ちよく遊べるゲームプレイなどが評価されているようだ。筆者が遊んだ限りでも、非常に遊びやすく整備されたシステム面と、相乗効果でゲームを破壊できる派手な内容が印象的であった。
ローグライクにおいて、スキルやレリックが揃って強力な相乗効果を発揮する瞬間は、醍醐味の一つといえる。本作ではシナジー次第でゲームが破壊できるのはもちろん、遊びやすさによってローグライクの気持ちがいい部分に集中しやすい構築に仕上げられている。X(旧Twitter)上では体験版の時点から徐々に評判が集まっていたが、面白さを抽出した内容が好評に繋がっているのかもしれない。なお本作は、個人開発者の定期的な宝物氏が制作。Steamでは序盤が遊べる体験版も無料公開中だ。
『オートローグ』はPC(Steam)向けに、通常価格税込690円で配信中。6月3日まではリリース記念セールにより、15%オフの税込586円で購入できる。