実験体ローグライト『バイオプロトタイプ』Steamにて期間限定無料配布とともに復活へ。「二度も販売停止されたゲーム」がついに
Emprom Gameは日本時間5月6日、販売停止されていたローグライト・アクションゲーム『バイオプロトタイプ』を5月20日から7月20日までの期間限定で無料配布することを発表した。

Emprom Gameは日本時間5月6日、販売停止されていたローグライト・アクションゲーム『バイオプロトタイプ』を5月20日から7月20日までの期間限定で無料配布することを発表した。期間中であれば、誰でも無条件にゲームを受け取ることが可能で、配布終了後も無制限にプレイすることができる。
『バイオプロトタイプ』は、ローグライト的な成長要素のある見下ろし型のアクションゲームである。『Vampire Survivors』などの流れを汲む、いわゆるサバイバー系のゲームだ。プレイヤーは実験体である謎の生命体となり、襲いかかってくるほかの実験体たちを捌きながら、脳に新たな「器官」を接続して能力を獲得していく。
各器官を接続する「神経」は、器官の発動条件に関わっている。性能は「右側の器官を一定時間ごとに発動する」「左側の器官がクリティカルヒットしたら右側の器官を発動する」など、さまざまだ。器官と神経を接続して強くなっていく、ローグライト的であると同時にプログラミング的な側面もある奥深い成長システムとなっている。


『バイオプロトタイプ』はもともと2023年4月にリリースされていたタイトルである(関連記事)。しかし、本作は過去に2度にわたって販売停止となっていた。1度目は、販売元であったパブリッシャーBD GamesによるSteamのポリシー違反が原因で、同パブリッシャーが販売していたすべての作品のSteamストアページが削除。ちなみに本作は2022年12月の早期アクセス配信から販売停止されるまでに約19万本を売り上げていたという。その後、Emprom Gameは2025年1月20日に本作を自らの手で再リリースしたが、1月24日にふたたび販売停止となる(関連記事)。
そんな本作が、5月20日に再配信されるとともに、7月20日まで期間限定で無料配布されるかたち。発表にあわせて、二度目の販売停止となった際の状況も語られている。まずEmprom Gameは新しいプロジェクトの開発に注力するため、(過去の販売停止に対する補填用となる)10万件以上の無料キーの発行をアウトソーシングサービス機関に委託。その間にSteamでゲームを復旧すべく交渉をおこなったものの、最終的に拒否されたという。またSteam側の無料キーの発行上限が2000件だったため、補填用のキーもほとんど用意できず、代わりにEpic Gamesストア版でのキー発行が実施された。しかし、多くのプレイヤーがSteam版での補填を希望していたため軽率な判断だったとして、今回謝罪が述べられている。

このほか本作は元々、パブリッシャーと価格差別防止契約(Anti-price discrimination Agreements) を結んでいたため、Steamで無料配信することに法的なリスクがあったという。つまり、上述したような無料キーの発行によるキー補填ではなく、無料配信で解決することも困難だったということのようだ。
しかし2025年1月の販売停止から今に至るまでの数か月間で、Emprom Gameはパブリッシャーとの契約を解除する手続きをおこなっていたという。そうした経緯で、2025年5月の今になって『バイオプロトタイプ』は無料配布されることとなったのだろう。騒動に巻き込まれるかたちで配信停止となり、再リリース後にまたもや配信停止となっていた『バイオプロトタイプ』の問題がついに解消されたようだ。ちなみに「誠意を示すため」として、ゲーム本体を受け取ったプレイヤーは永久に有効な「続編とのバンドルパッケージの20%割引クーポン」も獲得できる。本作の続編にあたる『バイオウィーバー』は、もともとBD Gamesのパブリッシングのもと『Bio Prototype 2』として開発されていたが、先述のパブリッシャーのポリシー違反を受け、改題された上でリリースされていた。無料配布される『バイオプロトタイプ』を遊んで気に入った場合は、当初ナンバリング作品として想定されていた続編を遊んでみるのもいいだろう。
『バイオプロトタイプ』はPC(Steam)向けに、5月20日から7月20日までの期間限定で無料配布予定だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。