『League of Legends』の酒飲みキャラ、スキル名で“禁酒”させられる。レーティング的に「酔っ払いNG」に

『League of Legends』の酒飲み設定をもつチャンピオンのスキル名が突如として変更するとのこと。レーティングの一環による変更で、「禁酒」させられたかたちだ。

Riot Gamesは4月18日、『League of Legends』にて、あるチャンピオン(プレイアブルキャラ)のスキル名が変更されることを明かした。突然の発表には、ユーザーの困惑も広がっている。

今回、『League of Legends』などを開発するLeague Studio の責任者、Andrei van Roon氏によって、X上で声明が発表された。その内容はチャンピオンのひとりである「グラガス」のスキルから、「Drunken(酔っ払い)」の表記を削除する、というものだ。

グラガスは、陽気な巨体の醸造家だ。グラガスは究極の一杯を求めて世界中を旅しており、その場その場でさまざまなレシピを探しながら、極寒の過酷な地フレヨルドの僻地にて、醸造材料を探している。常に酔っぱらっていて極端に喧嘩っ早く、「グラガスの現れるところ、必ずどんちゃん騒ぎと破壊が巻き起こる」とも言われている。

そんなグラガスのスキルのうち、今回変更されるものはWスキル「飲みすぎ注意(Drunken Rage)」だ。同スキルでグラガスは、携えている樽から突然酒を飲み、酔っ払ってパワーアップすることができる。飲んでいる最中はダメージを軽減するほか、飲み終わった後の一定時間は、最初の通常攻撃の射程が伸び、範囲攻撃になる。

そんな同スキルの英語名称について、PBE(パブリックベータ環境)で名称が変わっているとしてユーザーに発見された。「Drunken Rage」であったスキル名は、「Raucous Rage」に変更。変更後のスキル名Raucous Rageを直訳するのであれば「騒々しい/荒々しい怒り」などとなるだろう。少なくとも字面からは、飲酒行為や醸造などを想起させない名称となっている。

なおPBEでの変更内容は、多少の変更がありつつもライブサーバーにほどなくして実装されることが通例だ。そのため、グラガスの「飲み過ぎ注意」も次回のパッチで変更されるだろうと予想されているわけだ。本作には性的な行為を暗喩しているものや葉巻、ギャンブル、処刑などといった表現も数多く登場する。そうした表現を差し置いて、グラガスの「飲酒」のみが規制されたような名称変更については、コミュニティの困惑を呼んでいた。

こうして突如の名称変更に見舞われた「飲みすぎ注意(Drunken Rage)」について、4月18日Andrei氏がSNS上で詳細を発表した。同氏によれば、「飲み過ぎ注意(Drunken Rage)」を「Raucous Rage」に名称を変更した理由は、さまざまな地域の年齢制限(レーティング)に準拠するためとのことだ。

そしてReddit上でAndrei氏は、この変更はヨーロッパのコンプライアンスにかかわる問題であると説明している。特に「Drunken(酔っ払った)」という語句の使用について警告があったのだという。また今回の出来事はAndrei氏の意向ではなく、同氏も突然知らされたものだと説明。今後は変更が必要なものとそうでないものを検討し、PBEでのさらなる変更が必要かどうかも重ねて検討するという。地域によってもコンプライアンスの基準は変わるため、個別に対応していく方針のようだ。

ライブサーバーにおける「飲み過ぎ注意」
PBEにおける「飲みすぎ注意」

ところで日本語版のPBEではまだ名称が確定しておらず、「Spell_GragasW_Name」として、変数名が記載されているのみである。今回の英語版での「Raucous Rage」への変更では、飲んだくれが“ただの喧嘩っ早い荒くれもの”に変わってしまうようにも見えるところで、日本語版ではどのようなスキル名に変更されるのか注目される。ちなみにAndrei氏によれば、「he still enjoys his brews(彼は今でも醸造を楽しんでいる)」とのこと。グラガスというキャラクターそのものを変更する予定はないとの方針を示しており、少なくともまだお酒好きのままではあるようだ。

League of Legends』はPC向けに基本プレイ無料で配信中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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