破産したゲームスタジオ作品の権利が、なんとオークションサイトにて競売中。『RiME』『Deadlight』などのタイトル諸々の権利がまるっと買える異例の競売

昨年11月に破産したインディースタジオTequila Works。『RiME』や『Deadlight』などを手がけたことで知られるが、それら開発作品の権利が売却されるようで、現在オークションにかけられており注目が集まっている。

昨年11月に破産したインディースタジオTequila Works。『RiME』や『Deadlight』などを手がけたことで知られるが、それら開発作品の権利が売却されるようで、現在オークションにかけられており注目が集まっている。

Tequila Worksは、スペイン・マドリードにて2009年に設立。デビュー作であるゾンビアクションゲーム『Deadlight』は2012年にリリースされた。その後、ミステリーパズルゲーム『The Sexy Brutale』や、アクションアドベンチャーゲーム『RiME』などで高い評価を獲得。また、サバイバルホラーゲーム『GYLT』を当初Stadia独占で配信したり、『League of Legends』のスピンオフであるアドベンチャーゲーム『ヌヌの唄:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー』の開発を担当したりと精力的に活動。しかし昨年11月に、ゲーム市場の不況の影響を受け破産したことが明らかにされた(関連記事)。

そんなTequila Worksが手がけたゲームの権利が、スペインのオークションサイトEscrapaliaにて現在競売にかけられている。おそらく、破産手続きの一環として資産が売却されるのだろう。売却対象となっているゲームは、『Deadlight』『RiME』『GYLT』『The Invisible Hours』。ゲーム自体の権利や商標権に加え、それぞれ現在もSteamなどで販売中であり、そのロイヤリティをパブリッシャーから受け取る権利なども含まれている。

このほか、「Tequila Works」の商標やWebサイト、SNSアカウントなどを含む同スタジオのブランドも売却対象に。また、開発中止された未発表作品の権利についても、複数がオークションにかけられている。

各オークションページにはそれぞれの詳細が記されており、その中で『Deadlight』は500万本以上、『RiME』は400万本以上を売り上げていることが明らかにされている。また『Deadlight』のオークションには、未発表の続編『Deadlight 2』の資料やプレイアブルデモも含まれるという。

オークションはすでに開始されており、本稿執筆時点ではリリース済みのゲームの権利が人気の様子だ。特に『RiME』と『GYLT』に多くの入札者がおり、現時点で共に1万5500ユーロ(約250万円)まで値が上がっている。『Deadlight』と『The Invisible Hours』は共に2600ユーロ(約42万円)といった状況で、その他はいずれも300ユーロ(約4万9000円)程度となっている。オークションはまだ始まったばかりで、5月14日までおこなわれるため、それぞれの入札価格は今後さらに上昇していくだろう。

ゲームの権利が売買されることは珍しくないが、こうした公開のオークションとして実施され、値段が目に見えるのは貴重な機会である。それぞれ最終的にいくらで落札されるのか、また誰が購入しその権利をどのように活用するのかも注目されそうだ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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