「DiscordソーシャルSDK」発表、無料でリリース。Discordの機能をゲーム内に実装可能、まずはマルチプレイしやすくなる機能から
Discord社は3月18日、「DiscordソーシャルSDK」を発表し、開発者ポータルにて無料で提供開始した。ゲーム内にDiscordの一部機能を直接導入できるソフトウェア開発キットだ。

Discord社は3月18日、「DiscordソーシャルSDK」を発表し、開発者ポータルにて無料で提供開始した。ゲーム内にDiscordの一部機能を直接導入できるソフトウェア開発キットだ。
Discordは、テキストチャット・音声通話・画面共有などが可能なアプリだ。ユーザーが好みのテーマのサーバーを立て、そこにほかのユーザーが集う仕組みが特徴。PC/スマートフォンのほか、PS/Xbox向けにも連携機能が用意されている。
今回発表された「DiscordソーシャルSDK」は、ゲーム開発者向けのソフトウェア開発キット(Software Development Kit)だ。ゲームに直接ソーシャル機能を統合可能で、プレイヤー同士の繋がりを強化できると謳われている。現在はC++のほか、ゲームエンジンとしてはUnreal EngineおよびUnityと互換性があり、OSはWindows 11以降およびmacOSをサポート。コンソールおよびモバイル向けにも近日提供予定とのこと。
「DiscordソーシャルSDK」は具体的にはゲーム内でDiscordのフレンドリストにアクセスできる機能を導入できるほか、ユーザーはパーティー・ロビー・セッションに参加できる招待をフレンドリストから直接送信可能。またプレイ中のゲームがプロフィールなどに表示され、ワンクリックで合流できるリッチプレゼンス機能も用意されている。なおユーザーはゲームのプレイや一部機能の利用にDiscordアカウントは必須ではないものの、最大限に機能を活用するためにはDiscordアカウントと連携する必要があるそうだ。

このほか「DiscordソーシャルSDK」のクローズドベータ版の機能として、ボイスチャットや、クロスプラットフォームでのメッセージング機能が提供中。またゲーム内のチャットを、自分のサーバー内の特定のDiscordチャンネルにリンクすることができる機能も用意されている。ゲーム内とDiscordアプリの両方で、メッセージが共有される機能だそうだ。クローズドベータ版の「DiscordソーシャルSDK」は、問い合わせフォームからリクエストをおこない、承認された開発元向けに提供されている。
ちなみに「DiscordソーシャルSDK」は先行してさまざまなデベロッパーに活用されているという。ヒーロー対戦バトロワゲーム『SUPERVIVE』を開発中のTheorycraft Gamesや、先日『ポケモンGO』などのモバイルゲーム事業をNianticから引き継いだScopelyなどが挙げられている。各社のタイトルにおいて、「DiscordソーシャルSDK」によるソーシャル機能が導入されるかどうかにも注目したい。
これまでゲーマーコミュニティでも幅広く利用されてきたDiscord。従来のアプリにもオーバーレイ機能が用意されていたものの、今回はゲーム内にDiscordの一部機能を統合できる開発キットが提供開始された格好だ。クロスプラットフォームでのメッセージングやボイスチャットなどの機能もクローズドベータとして実装されており、開発規模を問わずさまざまなソーシャル機能を導入できる手段となることが期待される。
「DiscordソーシャルSDK」は、Discordの開発者ポータルにて無料で提供中だ。