『ウマ娘』内の隠語「ハスカップのロールケーキ」が、ついにアップデート。もう隠さなくてもいい

Cygamesが運営する『ウマ娘 プリティーダービー』で3月14日、ワンダーアキュートの誕生日を祝う会話スキットがひっそりとアップデート。北海道銘菓「よいとまけ」の名称が登場したことが話題となっている。

Cygamesが運営する『ウマ娘 プリティーダービー』で3月14日、ワンダーアキュートの誕生日を祝う会話スキットに北海道銘菓「よいとまけ」の名称が登場したことが話題となっている。「よいとまけ」を製造している株式会社三星の公式アカウントが報告している

『ウマ娘 プリティーダービー』は、実在する競走馬たちの名前や魂を受け継いだウマ娘たちの物語を描くクロスメディアコンテンツである。ゲーム版では、プレイヤーはウマ娘を育てるトレーナーとなり、トゥインクル・シリーズと呼ばれる一連のレースでウマ娘に寄り添い、共に歩んでいくこととなる。


今回話題となったのは、3月14日に誕生日を迎えたウマ娘ワンダーアキュートの誕生日を祝う会話スキット「ハッピーバースデー!2」である。この会話ではワンダーアキュートの誕生日を、彼女のライバルにして良き友でもある2人のウマ娘、ホッコータルマエとコパノリッキーが祝う場面が描かれている。

ホッコータルマエがプレゼントとして用意したのは銘菓「よいとまけ」だ。株式会社三星が手がける北海道苫小牧市の銘菓であり、1953年の発売以来のロングセラー商品。ロールカステラに、爽やかな酸味が特徴の北海道産ハスカップジャムをふんだんに使ったスイーツだ。周りにハスカップジャムがコーティングされているので、きれいに食べるにはコツがいるのも特徴となっている 。ワンダーアキュートが以前食べた際においしかったため、同じ寮に住まうみんなに振る舞いたくて「よいとまけ」 をプレゼントにリクエストしたという。自分の誕生日であるにも関わらず周りの人を想うワンダーアキュートのあたたかさが溢れるエピソードとなっている。

誕生日を祝う会話スキットは基本的に毎年同じものだが、今年の会話には昨年2024年までのテキストとは異なる部分がある。昨年までの会話では「よいとまけ」の部分は「ハスカップのロールケーキ」となっていたのだ。ホッコータルマエが語る「食べ方にコツが要る」「苫小牧銘菓」という特徴から、知っている人ならば誰もが「よいとまけ」であることがわかる表現となっていたが、名称の部分はぼかされていた。他社の商品名ということもあり、配慮されてきたのかもしれない。

一方で昨年のワンダーアキュートの誕生日には、この会話に株式会社三星の公式アカウントが反応。ハッシュタグで「お菓子の名前」「言ってもいいんじゃよぉ~」とアピールしていた。つまり名前を伏せなくてもいいことが快諾された格好だ。そして明くる2025年、当該会話スキットではっきりと「よいとまけ」の名称が登場するに至ったわけである。

ただ実は『ウマ娘』のゲーム内に「よいとまけ」の名称が登場するのは今回が初ではない。2024年1月19日実装のSSRサポートカード・ホッコータルマエ【白い翼は舞い戻りて】のイベント「みんなに届け、とまこまい」では、ホッコータルマエが「よいとまけ」の食レポをするシーンが描かれている。つまり先述した昨年3月14日の誕生日の時点で、すでに「よいとまけ」という名称の使用許可は下りていたのだろう。昨年の誕生日には、テキストの変更が間に合わなかったのかもしれない。

そして、2025年3月14日になるまでのどこかのタイミングで、ひっそりと誕生日会話がアップデートされたようだ。今後は「ハスカップのロールケーキ」という少しまどろっこしい呼び方ではなく、ゲーム内の各所で堂々と「よいとまけ」と呼ばれることだろう。

ちなみに2023年1月にウマ娘ホッコータルマエが実装されて以降、『ウマ娘』と苫小牧市は何度もコラボイベントを開催しており、多くのグッズを販売している。「よいとまけ」もゲーム中に名称が登場する以前から記念イラストにそれらしきものが描かれていた。実在の競走馬ホッコータルマエが「とまこまい観光大使」である関係から、ウマ娘ホッコータルマエも「とまこまい観光大使」を務めており、ホッコータルマエは次元を超えて苫小牧市のPRに貢献していることになる。いずれにせよ、『ウマ娘』と苫小牧市の縁深さもうかがえるかもしれない。

3月は多くの競走馬が生を授かるシーズンである。これからもしばらくウマ娘たちの誕生日は続く。お祝いの空気に乗じて「日本一食べづらいハスカップのロールケーキ」を食せば、生地の甘さやハスカップの酸味とともに、ワンダーアキュートからのお裾分けをもらった気分までも味わえるかもしれない。

ウマ娘 プリティーダービー』は、PC(DMM GAMES)/iOS/Android向けに配信中だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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