王国建設ローグライク『9 Kings』無料デモ版、いきなり人気爆発。出て半年以上経ってからの飛躍

Sad Socketは3月7日、街づくりストラテジー『9 Kings』デモ版の最新アップデートを配信した。プレイヤー数が急増し、飛躍的な盛り上がりを見せている。

デベロッパーのSad Socketは3月7日、街づくりストラテジー『9 Kings』デモ版の最新アップデートを配信した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、製品版のリリースは2025年4月を予定している。本作のデモ版は昨年7月より配信されているものの、最近の複数回のアップデートが影響したのか、デモ版のプレイヤー数が急増し、飛躍的な盛り上がりを見せている。

『9 Kings』はローグライク要素を取り入れた街づくりストラテジーゲーム。カードを用いて王国の成長を目指す作品だ。プレイヤーはまず最初に1人の王を選び、それによってそれぞれ異なるデッキを用いることになる。プレイヤーは毎ターン、手札のカードから1枚を9つのマス目で区切られた領土に使用し、王国の兵士や施設を配置していく。カード同士のシナジーを意識して配置を考えるのが大事だ。各ターンの終わりには、王国の外部から襲来する軍隊と戦闘。無事撃破できたら戦利品として、3つのカードから好きなカードを手札に加えることができるのだ。こうして毎ターン繰り返しカードを使い、自分の王国を豊かにより長く発展させることが目的となる。


本作では9人の王たちによる争いが描かれる中で、他の王と和平を結んだり、他の王に戦争を仕掛けたりといった外交イベントなども発生する。ドット絵で描かれた数百もの小さな兵士たちが、ずらりと並んで戦闘を行う様子も印象的だ。王国同士の激しい争いが可愛らしいアートスタイルで演出される作品になっている。

本作のデモ版は昨年7月から公開されていたが、ここ数か月で複数回の大きなアップデートが配信されてきた。2月25日には、「Steam Nextフェス」の開催に合わせた大型アップデートを実施。これまで9マスだった王国の領土をさらに拡張できるようになり、プレイヤーが選べる王として新たに「自然の王」が追加。特殊イベントの追加なども含んだ過去最大のアップデートとなっており、コミュニティーの意見を取り入れた調整がなされた。また、先日3月7日にも「Another chunky patch(もう1つの分厚いパッチ)」なるアップデートが配信。遊びやすさを高める多数の変更が加えられた。

その甲斐あってか、プレイヤー人口が急増。非公式データベースサイトSteamDBによると、それまで数百人程度だったプレイヤー数が今年2月の「Steam Nextフェス」の期間に約1000人へ増加。その後一度落ち着きを見せたかと思われた数値は、ここ数日でピーク時約4500人まで爆発している。とはいえ、一番直近の人口増加についてはアップデート日時と少しずれている。アップデートが直接作用したというよりは、それを機に遊んだインフルエンサーたちの影響が大きいと推察される。なかでもYouTube上では数万人の登録者を誇る複数のチャンネルが本作を紹介。本作は全体的に操作がシンプルで、徐々にインフレしていく戦闘を“見守る”スタイルのゲームであり、ゆるく手軽に遊べる点などがインフルエンサーたちに好評のようだ。動画や配信を通してそういった本作の魅力が伝わり、実際に遊んでみたいと感じたユーザーが多いのだろう。


そうした状況から、来月4月のリリースに向けて弾みがついているといえそうだ。Sad Socketによると、まずは早期アクセス版としてリリースし、その間は割引価格で購入できるようにする予定とのこと。ユーザーのフィードバックをたくさん得て、正式リリースに繋げたいとしている。また同スタジオは先月、パブリッシャーのINSTINCT3との提携を発表している。INSTINCT3は『TerraScape』や『Die in the Dungeon』など、高評価インディーゲームのパブリッシングを多数手がけてきた。製品版リリースに向けた準備が着々と整っており、発売日の発表にも注目したい。

『9 Kings』はPC(Steam)向けに2025年4月リリース予定だ。現在無料デモ版が配信中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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