『たまごっち』がビデオゲームの殿堂入り最終候補にノミネートされる。世界に名を轟かす

世界ビデオゲームの殿堂は3月6日、『たまごっち』が2025年の殿堂入り最終候補としてノミネートされたことを発表した。最終候補としては12のタイトルが挙がっており、『たまごっち』は『Goldeneye 007』『牧場物語』などの人気作と殿堂入りを競い合うことになる。Polygonなど複数のメディアが報じている。
「世界ビデオゲームの殿堂」(World Video Game Hall of Fame)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ロチェスターにあるビデオゲームの殿堂である。ストロング国立遊び博物館(The Strong National Museum of Play)の内部に2015年6月に開館した施設で、アーケード、コンソール機、PC、携帯ゲーム機、モバイル向けなど、あらゆる種類の電子ゲームの中から殿堂入りの条件を満たした作品を集め、紹介している。

世界ビデオゲームの殿堂では2015年から毎年、全世界のビデオゲームから候補を選出して殿堂入りする作品を決めている。過去に殿堂入りを果たした日本のゲームは『スーパーマリオブラザーズ』『ゼルダの伝説』『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』『ストリートファイターII』『ポケットモンスター 赤・緑』『ファイナルファンタジーVII』『どうぶつの森+』『Dance Dance Revolution』『Wii Sports』『バイオハザード』など数多い。ラインナップを見ればわかる通り、その多くはゲームソフトである。

そして今回2025年の殿堂入り最終候補として携帯型の電子ゲームである『たまごっち』が選出された。最終候補となった作品は『たまごっち』を含めて12本ある。中には日本人からするとあまり馴染みのないATARI作品なども存在するが、『Age of Empires』『Angry Birds』『Call of Duty 4: Modern Warfare』など、国内知名度も高い海外発のゲームも名を連ねている。
殿堂入りするには4つの条件をすべて満たす必要があり、最終候補12作品はすべてこの条件を満たすと判断されている。その4つとは、Icon status(象徴的な存在である)、Longevity(長く人気を保っている)、Geographical reach(広い地域に知られている)、Influence(影響力を持つ)である。
『たまごっち』を例にとってみると、InfluenceやIcon statusについては、同作は発売当初に売れすぎて品薄の状態が続き、多くの『たまごっち』クローンが発売されるなど社会現象を巻き起こした。そして今でも育成ゲームの代表の一つとしてよく知られているタイトルだろう。LongevityとGeographical reachについては、『たまごっち』は令和になって再ブームが到来しているとされ、2024年3月末時点で全世界での売上が9400万個を突破したという(スタジオパーソル)。そうした点が考慮され、並み居るタイトルを押しのけて最終選考まで残っているとみられる。

実際に殿堂入りするかどうかは、ジャーナリストや学者などからなる選考委員と、ファンの投票により決定される。ファン投票は13日まで受け付けられており、こちらのページの「Player’s Choice Ballot」という部分から参加可能だ。
携帯型育成ゲームとして端を発し、コンソール向けタイトルやアニメ映画、グッズ展開などさまざまな形でIPを確立してきた『たまごっち』。改めてゲームとしての存在感などが評価され、「世界ビデオゲームの殿堂」の今年の殿堂入りの有力候補として残っている点は興味深い。過去に殿堂入りした数々の名作と並んで博物館に展示されることになるのかどうか。最終的にどの作品が殿堂入りの栄誉を受けるか、今後の動向に注目したい。