ワーナー傘下の3つのゲームスタジオが一気に閉鎖。『シャドウ・オブ・ウォー』など手がけた実力派Monolith Productionsがあっさり終わる
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Warner Bros. Games(以下、WB Games)傘下のスタジオ3社が閉鎖されたことが明らかとなった。背景には「ハリー・ポッター」や「バットマン」などのゲーム開発に注力するための方針転換があるという。
Bloomberg、およびKotakuの記者Ethan Gach氏が伝えるところによると、閉鎖となったのはMonolith Productions、Player First Games、Warner Bros. Games San Diegoの3社だ。このうちMonolith ProductionsはホラーFPS『F.E.A.R.』シリーズや「指輪物語」のオープンワールドゲーム『シャドウ・オブ・モルドール』『シャドウ・オブ・ウォー』などを手がけたスタジオ。新作としてDCコミックスのスーパーヒーロー「ワンダーウーマン」のオープンワールドゲームを開発中であったが、閉鎖に伴い同作も開発中止となった。
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またPlayer First Gamesは、『マルチバーサス』の開発元。同作は先月末にサービス終了が告知され、5月30日のシーズン5の終わりとともにサービス終了予定となっている。そしてWarner Bros. Games San DiegoはクロスプラットフォームのAAA級基本プレイ無料ゲームを開発中とされていたものの、未発表のままスタジオ閉鎖となった。
先述のEthan Gach氏がWarner Bros.の声明として伝えるところによると、同社は上述したスタジオ3社を閉鎖したことを認めているという。声明によれば、「ハリー・ポッター」や「ゲーム・オブ・スローンズ」、DCコミックスのゲーム作品や、『Mortal Combat』などの主要フランチャイズの開発に注力するために、傘下スタジオの再編や投資の見直しがおこなわれたとのこと。
なお昨年11月のWarner Bros. Discoveryの業績発表時には、CEOであるDavid Zaslav氏がゲーム事業について「ポテンシャルを大きく下回っている」といった見解を述べていた。先述した『マルチバーサス』のほか、『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』の売上が振るわなかったことが背景にあったとみられる。ちなみにDavid氏は当時、「ハリー・ポッター」のオープンワールドゲーム『ホグワーツ・レガシー』シリーズ新作のほか、『Mortal Combat』シリーズや「ゲーム・オブ・スローンズ」、DCコミックス作品の特に「バットマン」のゲームに注力する方針を述べていた。
今回Kotakuが報じたWarner Bros.の声明を見るにそうした方針が引き続きとられているようで、今回のスタジオ3社の閉鎖に繋がったとみられる。特にMonolith Productionsは『シャドウ・オブ・ウォー』における、敵勢がプレイヤーとの関係性を記憶する「ネメシスシステム」など特徴的なゲームシステムを開発し、特許をもっていたスタジオだ。実績ある同スタジオの突然の閉鎖は業界に波紋を広げており、今後の動向も注目される。
【UPDATE 2025/2/26 9:33】
Monolith Productionsについて追記