近未来FPS『Crysis』シリーズ新作、ひっそり開発“保留”になっていた。人気の『Hunt: Showdown』開発に集中すべく
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Crytekは2月12日、『Crysis 4』の開発を保留にしていたことを発表。あわせて同社はスタッフの約15%をレイオフする方針を明かしている。
Crytekは、ドイツに拠点を置くスタジオだ。近未来FPS『Crysis』シリーズを手がけてきたほか、近年では怪物狩りPvPvE脱出シューター『Hunt: Showdown』などをリリース。同作はこれまでSteamにて最大同時接続プレイヤー数6万人を記録するなど、大きなヒットをあげている。また同社はゲームエンジン「CRYENGINE」の開発元でもあり、同社の作品のほか、Warhorse Studiosが手がける『キングダムカム・デリバランス』シリーズなどにも利用されている。
なお『Hunt: Showdown』は2019年の正式リリース以降もアップデートによる新展開が続けられており、昨年8月にはゲームエンジンがCRYENGINE 5.11に刷新されPS5/Xbox Series X|Sへの対応を果たした。この際には史上最大規模のアップデートも実施され、ゲームタイトルが『Hunt: Showdown 1896』に改められている。
そんなCrytekは2022年1月に、『Crysis』シリーズの新作として『Crysis 4』を開発中であることを示唆していた(関連記事)。一方でその後続報はなく、今回は同作の開発が保留されたことが明かされている。この決断は2024年の第3四半期におこなわれたそうで、そこからは『Hunt: Showdown 1896』の開発に人員を回そうとしてきたという。
『Hunt: Showdown 1896』は昨年8月のアップデート直後、最適化不足やUIの見づらさなどから批判も寄せられる状況があった(関連記事)。同作は現在のCrytekの主力商品であり、優先して対応が進められたのだろう。同作に向けては8月以降も複数回の大型アップデートがおこなわれてきた。
そうした方針も実を結んでか、今回のCrytekの声明によると『Hunt: Showdown 1896』の成長は続いているという。とはいえ近年のゲーム業界の不況の影響からは逃れられず、以前のように持続可能な財政状況を維持することは不可能と判断。コスト削減にも注力されてきたものの、苦渋の決断として今回レイオフに踏み切ったとされている。約400人のスタッフのうち、およそ15%がレイオフの対象として見込まれているそうだ。影響を受けるスタッフには退職金パッケージの提供やキャリア支援などもおこなわれるとのこと。
今後もCrytekにはCRYENGINEの開発を推進する傍らで、ゲーム開発としては『Hunt: Showdown 1896』に注力する方針があるようだ。今後棚上げとなった『Crysis 4』の開発が再開されることはあるのか。『Crysis』も根強い人気のあるシリーズであり、動向は注目されるだろう。