サッカークラブ経営シム『フットボールマネージャー 25』なんと発売中止。ゲームエンジン刷新の野心的挑戦は難航、“新作”に切り替える

セガは2月7日、『Football Manager 25(フットボールマネージャー 25)』の発売を中止することを発表した。本作は当初昨年11月27日に発売予定とされていたものの、今年3月に発売延期。今回発売中止が決定された。開発資産は引き継がれ、次回作の開発に注力する方針だという。
『Football Manager』シリーズは、監督としてサッカークラブを率いるシミュレーションゲームだ。開発はSports Interactiveが手がけてきた。試合の采配や移籍市場での立ち回りなど、クラブの運営面すべてを担う全権監督として、プレイヤーはクラブを成功へと導いていく。実在する多数の選手やクラブがゲームに収録されているため、リアル志向のシミュレーションゲームとして高い人気を誇るシリーズだ。
シリーズ最新作となる『Football Manager 25』は、ゲームエンジンに初めてUnityを採用。UIやグラフィックの刷新などに取り組むことが発表されていた。Sports Interactiveはそんな本作を「シリーズにとって今世代最大の技術的・映像的躍進」を遂げる、シリーズのターニングポイントになる作品であるとアピールしていた(関連記事)。一方でユーザーの期待に応え、開発元が目指すクオリティに到達するためとして、当初11月27日と告知されていた発売日が延期。今年3月の発売が予定されていた。
今回セガおよびSports Interactiveは、『Football Manager 25』の発売を中止すると発表した。Sports Interactiveは、さまざまな困難、そして多くの不慮の事態により、現状ではゲームが目標とした水準に達していないと説明。特に延期後に直面した課題により、3月になっても望まれた水準に達することができないことが明らかになったという。社内での議論やセガとの入念な検討のすえ、苦渋の決断として発売中止に至ったそうだ。発売中止に際して、予約注文者には返金もおこなわれるとのこと。

なおSports Interactiveは現状の品質について、ゲームの多くの部分では目標を達成することができたものの、全体的なプレイヤー体験とユーザーインターフェースの面では必要なレベルを満たすことができなかったと伝えている。発売後のアップデートで修正していくことは望ましくなく、また3月より後に発売するとサッカーのシーズンとしては時期が遅いことも中止の背景としてあったそうだ。
『Football Manager 25』としての開発は中止されたものの、開発資産を引き継がれ今後は次回作の開発に注力していくという。例年では11月に発売されてきたシリーズであり、次回作の続報にも注目したい。なお次回作の発売に欠かせないリソースを流用せざるを得なくなるため、2024/25のシーズンデータを含む『Football Manager 24』へのアップデートの実施予定はないとのことだ。