『パルワールド』開発元ポケットペアのパブリッシング事業に、さっそく問い合わせ2500件以上殺到中。企画提案だけで150件

ポケットペアは1月23日、パブリッシング事業「Pocketpair Publishing」を開始。1月30日に同社は、さっそく多数の問い合わせが集まっていることを報告している。

ポケットペアは1月23日、パブリッシング事業「Pocketpair Publishing」を開始すると発表した。1月30日に同社は、さっそく多数の問い合わせが集まっていることを報告している。

ポケットペアは、溝部拓郎氏が代表取締役社長を務める国内のゲーム開発会社だ。過去作としては、ローグライクカードアクション『オーバーダンジョン』、オープンワールドサバイバルクラフト『クラフトピア』などを展開してきた。直近では2024年1月にモンスター育成サバイバルクラフト『パルワールド』の早期アクセス配信を開始。Steamでの同時接続者数は最大約200万人を記録し、2024年2月時点でSteam版の売上が1500万本を突破するなど大ヒット作となった。


そんなポケットペアは1月23日にパブリッシング事業「Pocketpair Publishing」を開始すると発表。インディーゲーム開発者や小規模スタジオを対象に、資金提供や開発支援、パブリッシングを通してゲーム制作を統合的にサポートしていくという。責任者としては、ポケットペアでコミュニケーションディレクターを務めるJohn Buckley(Bucky)氏が担当する。

発表にあわせてPocketpair Publishingが手がける第1弾タイトルとして、SURGENT STUDIOSが開発する完全新作ホラーゲームのサポート・パブリッシングをおこなうことも表明された。Surgent Studiosは、メトロイドヴァニア風ADVゲーム『Tales of Kenzera: ZAU(ザァオ:ケンゼラの物語)』などを開発してきた英国に拠点を置くスタジオだ。同作は2024年4月にEA Originalsより発売され、Steamのユーザーレビュー約620件中81%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得している。


そして発表から1週間が経過した1月30日、Pocketpair Publishingの公式Xアカウントはさっそく開発者から多数の問い合わせが集まっていることを報告した。具体的には400件のメールおよび150件の企画提案が寄せられたほか、ビジネス向けSNSであるLinkedInでは2000件以上の問い合わせが集まったという。ちなみにBucky氏は、LinkedInにはPocketpair Publishingの始動から約15時間で1500件の問い合わせが来ていたことを報告していた。そこからさらに多くの問い合わせが送られたようだ。

なおPocketpair Publishingの公式Xアカウントは、問い合わせが来た作品をすべてサポートすることは難しいとしつつも、できる限り多くのゲームのサポートに全力を尽くしていくと伝えている。多くの関心が寄せられたことに驚き、感激しているとのこと。

ポケットペアが新たに開始するパブリッシング事業。『パルワールド』の大ヒットで世界的な注目を集めていたこともあり、同社でのパブリッシングを検討する開発元が数多く問い合わせを送っているようだ。昨今ではゲーム会社各社の業績が悪化していることもあり、デベロッパーへの出資については、少し前ほど盛んではない。パブリッシングする会社はあれど、しっかりした経済的支援と企画サポートをしてくれるパブリッシャーの需要は高い。

ポケットペアは『パルワールド』での成功でノウハウを得たほか、経済的な面でもサポートには期待できるだろう。あるいは、EA Originalsで作品が発売された実績のあるSurgent Studiosの新作のサポート・パブリッシングが告知されたことも、宣伝として効果を発揮したのかもしれない。

大ヒット作を世に送り出したポケットペアのノウハウが、パブリッシング事業でどのように活かされていくのか。今後も新作について、続報が注目されるところだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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