高評価ゲーム『オリオリワールド』『ローラードローム』がSteamで突如販売停止に。元パブリッシャーの「短期間二度買収」が原因か

デベロッパーのRoll7が手がけた『オリオリワールド』『ローラードローム』について、PC(Steam)における販売が停止されてる。背景には、開発元・販売元の体制の変化がありそうだ。

デベロッパーのRoll7が手がけた『オリオリワールド』『ローラードローム』について、PC(Steam)における販売が停止されてる。背景には、開発元・販売元の体制の変化がありそうだ。なお、PS/Nintendo Switch版については引き続き販売されている様子である。

『オリオリワールド』『ローラードローム』は、ゲームスタジオのRoll7(現在は閉鎖、後述)が手がけたアクションゲームだ。『オリオリワールド』はスケートボードを乗りこなし、世界を探索したり、レースやスコアアタックを楽しむ作品。本稿執筆時点でSteamユーザーレビュー約1700件を集め、うち90%が好評とする「非常に好評」ステータスを得ている。

『オリオリワールド』

そして『ローラードローム』は、ローラースケートでアリーナを縦横無尽に駆け巡り、破壊と殺戮を繰り広げるアクションシューティングゲーム。こちらも、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューにて約2000件を集め、うち91%が好評とする「非常に好評」ステータスだ。しかし、『オリオリワールド』『ローラードローム』いずれも現在、Steamストアページでは「Steamストアで利用できなくなりました」とのメッセージとともに購入できなくなっている。

『ローラードローム』

突如として両作品がSteamで購入できなくなった背景には、開発元・販売元における体制の変化があると見られる。まず、開発元であるRoll7は、パブリッシャーのPrivate Division傘下の開発元であった。前述の両作品は、その親会社であるPrivate Divisionから発売されている。Roll7は高評価作品を送り出すも、2024年には閉鎖されている。

そのRoll7閉鎖の判断を下したのが、Private Divisionのさらに親となるTake-Two Interactiveだとされる。また、Roll7閉鎖後には、Private Divisionも別会社へと売却。揃って体制が激変することとなった。Roll7開発/Private Division発売のSteam向け作品については、今年1月半ばにはパブリッシャーが2K(Take-Two Interactive傘下)へと変更されていた(SteamDB)。

『ローラードローム』

そして今年1月には、さらにPrivate Divisionを取り巻く状況に変化が起きる。Annapurna Interactiveの元スタッフたちが立ち上げた新会社が、Private Divisionを買収したと報じられたのだ(関連記事)。今回『オリオリワールド』『ローラードローム』のSteam向け販売が停止された理由としては、「短期間での2度にわたるPrivate Division売却の影響で、販売権の再調整が必要になった」といった事情が考えられそうだ。

なお、現時点でHumble Storeでは両作品のPC版が引き続き購入できるようだ。各コンソール版について、Xbox版についてはいずれも販売停止。PS/Nintendo Switch版については、筆者観測範囲内では引き続き販売されている様子が確認できる。実際の事情や今後の動向については不明なものの、PC(Steam)版についても販売再開が望まれる。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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