『アサシン クリード シャドウズ』の“竹の斬れ方”をやたら褒める動画が妙な盛り上がり。「うちも凄い斬れ方する」とインディー開発者による作品アピールまで集まる
Ubisoftは3月20日に『アサシン クリード シャドウズ』をリリース予定だ。本作の先行プレイをおこなったゲームジャーナリストのStephen Totilo氏が本作のゲームプレイの一部を紹介。なぜか「竹の斬れ方」をべた褒めする内容が一風変わった話題を呼んでいるようだ。なかには盛り上がりに乗じて、自作ゲームの宣伝に“有効活用”するゲーム開発者も現れている。
Stephen Totilo氏はゲームジャーナリストであり、Axiosなどを経て、現在は個人ゲームメディアGame Fileを運営している。同氏は1月24日、Ubisoftの手がける『アサシン クリード シャドウズ』について200分の先行プレイに参加したと報告。あわせてプレイ動画の一部を添付し、「優れた竹斬り技術が搭載されている(it has excellent bamboo-slicing tech)」と評価した。
このTotilo氏の投稿は多くの反応を集めている。動画で斬られている竹は物理演算に従って崩れ落ち、一見リアルに見える。とはいえ、オープンワールドゲームとして戦闘面や探索面でさまざまな要素がある本作の200分のゲームプレイの中で、Totilo氏があえて「竹を斬る場面」をピックアップしたことは一風変わった取り上げ方であるとして、注目が寄せられている模様だ。
また動画に向けては、竹を日本刀で斬ったにもかかわらず断面がギザギザになっているといった指摘も寄せられている。そうした点も踏まえて、Totilo氏が「竹の伐採に関する優れた技術(excellent bamboo-slicing tech)」と、ことさら評価している点は不思議がられているようだ。ほか、「プレイヤーの動作がオブジェクトに影響を与える」という点では、2013年にリリースされた『メタルギア ライジング リベンジェンス』のスイカ斬りや、2009年に発売された『Wii Sports Resort』、2011年発売の『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』などの先例も引き合いに出されている。昔のゲームでも実現/実装できていたシステムを、どうして今ピックアップするのか、といった疑問の声も散見される。
とはいえTotilo氏は続くポストやGame Fileの記事でも本作のさまざまな要素を紹介しており、竹の斬れ方は細かな作り込みとして同氏にとって特に印象深い要素だったのかもしれない。いずれにせよ上述したような揶揄も含めて同氏の投稿への反応はネットミーム的な盛り上がりを見せているようだ。この賑わいに乗じて、すかさず自作ゲームの宣伝に繋げるゲーム開発者も現れている。
たとえば3Dアクションゲーム『兎忍-tonin-』を開発中のオーサム氏は、続くポストで「『アサシン クリード』を軽んじるつもりはない」との但し書きを添えつつ、『兎忍-tonin-』でも竹を斬ることができるとアピールする動画を投稿した。斬る方向に従って竹が切れている様子が確認できる。なお同作では、岩や敵も斬り刻むことが可能で、「斬っている感覚」に力を入れたゲームプレイとなっているとのこと。
また農場シミュレーションゲーム『Edengrall』の開発者であるGuedez氏は、竹ではないものの、リアルな草刈りができると紹介する動画を投稿している。動画ではプレイヤーが大きな鎌を振るうことで周りの草が一度に刈られている。刈られた草の一部が、風に乗って飛んでいくさまも収められており、描写の細かさが注目されるところだ。そのほかうさぎのアクションゲーム『RrrrrAbbits』を手がけるななはら氏も、Totilo氏のポストを引用するかたちでうさぎの群れが木を倒す場面を投稿している。
さまざまな理由から指摘や突っ込みが相次ぎ、ネットミーム的にさえ扱われている『アサシン クリード シャドウズ』の竹切断動画。この機に乗じて“草の根運動”の宣伝に繋げるインディーゲーム開発者もいるようだ。小規模開発でもこだわりをもって細やかな描写が実装されているわけだろう。
一方『アサシン クリード シャドウズ』については、当然竹の斬れ方以外の作り込みにも注目したいところ。奈緒江と弥助を取り巻く物語や、両主人公の異なる戦闘スタイルといったシリーズとしての進化も期待されるところだろう。