『エンダーマグノリア』に感じる職人芸。『首都高バトル』は色褪せない。『青天井:無限役』を麻雀下手なりに楽しむ。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。477回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。477回目です。鼻詰まりしがち。

正式リリースとは

今週は『Mika and The Witch’s Mountain』が正式リリースされたため久々にプレイ。何故かセーブデータが消えていたので最初から…。本作は、見習い魔女が魔法のほうきに乗って、島の住民たちに荷物を届けるオープンワールドゲームです。魔法のほうきといっても、どこへでも自由に飛び回れるわけではなく、気流などを上手く使って目的地を目指すことが求められる。これはゲームの進行に関わる部分でもあり、最初はもどかしいが慣れると気持ちよく飛べる。

正式リリースにあたっては、いくつかのバグ修正がおこなわれたのみ。大型アプデは今後配信されるそうで、いまいち盛り上がりに欠ける珍しい形式の正式リリースとなりました。日本語対応も後日とのこと。日本ではコンソール版が3月13日に発売予定となっているため(Xbox版のみすでに配信中)、それにあわせてか、少なくともそれまでには実装されるものと期待しています。
by. Taijiro Yamanaka


配牌見て頭抱える

『青天井:無限役』さっそく遊んでいます。本作はいわゆる『Balatro』のゲームシステムを麻雀に引用した作品。配牌を見つつ、麻雀の役を4ラウンドで完成させていくのですが、世界の麻雀ルールからなる大量の麻雀役に対応しているので、麻雀好きにはたまらないだろうなぁ、と麻雀下手の筆者は思っておりました。

回数があるだけ牌を捨てていい&アイテムを使って数字を入れ替えできるので、役が作りやすそうですが、それがそんなに甘くないんです。本作は毎ラウンドごと、面子(3つ以上の牌の固まり)だけじゃなく、雀頭(同じ牌2つ)も必ず出さなければいけない。加えて最終ラウンドに出した役が一番ポイントをもらえるので、強い役になりそうな雀頭は保留し続けなければなりません。

これが本作のニクいところ。雀頭として保留していたら刻子(同じ牌3つ)になって、どっちで出すか悩んだり、いい面子が揃ったと思ったら雀頭がなかったり……なんてこともあります。こういう出来事をなくすためにデッキから牌を削除するパートが多めに用意されているのですが、下手に減らすと今度は出せる役に制限がかかるから悩ましい……。

本作の麻雀は対戦相手もいないですし、駆け引きもありませんが、咄嗟の判断力と強い意志があるやつが勝利をつかめる!というところは、本家麻雀と一緒かもしれません。筆者はどちらもないので、麻雀もこのゲームも下手くそです。でも楽しい。
by. Tamio Kimura


やりすぎくらいが丁度いい

早期アクセス配信開始されたばかりの『首都高バトル』を遊んでいました。小学生時代に『首都高バトル01』にドハマりした後いろいろなレースゲームをつまみ食いしてきたものの、同作以上にハマったレースゲームはありませんでした。どれだけグラフィックがリアルになっても、マップが広くても、何か物足りない。今改めて新作をプレイすると“盛り上げ上手”っぷりに『首都高バトル』の魔性の魅力があったことに気づきます。

新作はもう、オープニングからエンジン全開で、ずっとそのテンションでバキバキに盛り上げ続けてくれます。いろいろレースゲームを遊んだからこそわかる異質さ。節目節目で文字が揺らめくエフェクトと共に熱いポエムを読まされますし、ボス戦前にはノリの良いBGMと共にバッチリ決まったボスの愛車のペイントを嘗め回すようなカメラワークで見せつけられる。冷静に考えれば「この時間何?」となりますが、『首都高バトル』には必要不可欠です。

早期アクセス配信開始直後ということも相まって、車の挙動やらUI周りやらは粗削り。グラフィックも雰囲気はとても良いですがじっくり見ると粗っぽいですし、やっていることも大半はほぼ同じ道路をぐるぐる回って変な名前の走り屋と追いかけっこするだけ。でも過剰なほどの演出でグイグイ引っ張られて、妙に面白く感じるし癖になる。令和に蘇った『首都高バトル』は、色褪せぬ『首都高バトル』でした。
by. Hideaki Fujiwara


無敵時間ないからころっと死ぬ

正式リリースをはたした『エンダーマグノリア』をプレイ。早期アクセス版は所感を確かめつつさわりプレイ。今回本腰を入れて遊んでいます。メトロイドヴァニアゲームそのものは市場にかなり多くなってきました。本作が他作品とどう違うかといえば、「全体的なチューニングのよさ」かなと。ストーリーの引きもあり、難易度はぼちぼち難しくでも難しすぎない。探索による成長要素も細かめ。前作もそうですが、早期アクセス配信を介することによる「ゲーム要素筋肉の増強」を明確に感じます。すでにフィードバックを経ているから穴が少ないし、全体的なスキのなさがクチコミ=高評価を呼び、他人におすすめしやすい。物語面や雰囲気面も武器ですが、人におすすめしやすいというのが『エンダー』シリーズの明確な武器だなと。

とはいっても、「減点しづらい」だけが武器なわけではなく、細かい遊びやすさや創意工夫の塊でもある。特にマップバリエーションは明らかに他タイトルよりも多いし、居心地いい世界的空気づくりも目立つ。デスペナもちょうどよし。メトロイドヴァニアとしては王道的つくりですが、かなりこのジャンルを突き詰めた作品でもあると感じました。
by. Ayuo Kawase

AUTOMATON JP
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