賛否寄せられていたメカ組み立て対戦アクション『Robocraft 2』、開発中止。スタジオも閉鎖予定で、年始から業界に寒風吹き込む

Freejamは1月8日、『Robocraft 2』の開発中止を公式Discordサーバーにて発表。スタジオを閉鎖する旨も報告されており、同スタジオの作品は今後数週間をかけて配信を停止していくそうだ。

デベロッパーのFreejamは1月8日、同スタジオの手がける『Robocraft』公式Discordサーバーにて、『Robocraft 2』の開発中止を発表した。あわせてスタジオを閉鎖するとも明かされており、現時点ですでに本作は購入が不可能になっている。

『Robocraft 2』は、自作のメカに乗り込んで戦う、対戦アクションゲームだ。プレイヤーはブロックやさまざまなパーツを組み合わせてメカを作成。愛機を駆り、PvPの多人数戦を繰り広げる。本作は基本プレイ無料のPvPロボットアクションゲーム『Robocraft』の後継作であり、両作品ともイギリス・ポーツマスに拠点を置くスタジオFreejamが手がけている。

本シリーズは車のようにロボットを組み立てて疾走させたり、飛行機のようにロボットを組み立てて空を飛ばしたりといった制作における自由度が特徴。またバトルの際には物理演算が適用されており、機体の重心を考慮しつつカスタマイズや、派手なバトルが楽しめる。

続編となる『Robocraft 2』は、2023年11月に早期アクセス配信を開始。本作では新たに機体から降りてパイロットを操作可能になった。また新パーツや論理回路などの実装など、新たな要素が多数追加されていた。しかしリリース後にはユーザーから問題点が多数指摘される状況に。前作に比べ戦闘時の動作がゆったりとしていることや、前作よりも詳細に設計できる分、複雑になってしまった機体作成などに対する不満の声が寄せられていた。Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で1760件中35%の好評率となる「やや不評」ステータスとなっていた。

そんな本作に向けては、改善を試みた複数回のアップデートがおこなわれていたものの実を結ばず、2024年2月には本格的な建て直し施策の一環として、一時的にストアページが非公開となっていた。そして『Robocraft 2 Playtest』として展開がおこなわれていた。

そうした施策が展開されるさなか、1月8日に公式Discordにてスタジオ閉鎖の報告がおこなわれたかたち。閉鎖の理由としては、現在の市場の状況(the current market conditions)と、『Robocraft 2』を開発し、運営を続けるコストを考え、開発継続が難しくなってしまったため、本作の制作中止とあわせて閉鎖に踏み切ったのだという。今後は数週間をかけ、同スタジオの手がけた『Robocraft』シリーズおよび『CardLife』のサービスおよび開発を中止していくとのこと。

今回報告されたFreejamの閉鎖については、『Robocraft 2』での初動の評価を取り戻せなかった影響も大きいだろう。なお、先述の通り閉鎖理由にはゲーム業界の状況も挙げられている。最近ではNetEase Games傘下のJar of Sparksが、開発中タイトルの制作中止および一部従業員のレイオフを発表したり、スウェーデンのゲーム会社Enad Global 7傘下のToadman Interactiveが事業の縮小を発表したりしていた。レイオフが多発していた昨年に引き続き、今年もさっそくスタジオ縮小・閉鎖や開発中止の報告が相次いでおり、レイオフが増加傾向にあった昨年の余波を感じさせる事例といえる。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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