The Game Awards 2024は1億5000万回以上ライブ視聴されたとの報告。近年ぐんぐん伸びる視聴者数で「世界的に有数のイベント」化
アメリカ・ロサンゼルスにて今年12月13日に「The Game Awards 2024」が開催された。同イベントの視聴回数は全世界で1億5400万回を突破したと発表された。また「The Game Awards」(以下、TGA)の視聴回数は年々大幅に増加しつつあり、世界で有数のイベントとなっているようだ。
TGAは、毎年恒例となるゲームの祭典だ。同イベントでは、さまざまな珠玉のゲームたちに、Game of the Year(以下、GOTY)を始めとしてジャンル・音楽・アートなどの枠組みのなかで栄誉が贈られる。また、ゲームの新情報や新作発表の場としてもゲーマーたちの多大な注目を浴びるイベントとなっている。なお今年のGOTYはTeam ASOBI手がける『アストロボット』が受賞した(関連記事)。
そんなTGAの視聴回数が話題となっている。主催であるGeoff Keighley氏およびTGA公式は、「The Game Awards 2024」の視聴回数について、全プラットフォームを合計したライブ視聴回数が総計1億5400万回を記録したと発表。TGAはYouTubeやTwitchのほか、日本向けにはニコニコ生放送、中国向けにはbilibiliなど、各国のさまざまな配信プラットフォームでライブ放送されており、それらを合算した数値のようだ。同氏はTGA史上もっとも視聴されたイベントになったとして、ゲーム業界やユーザーに対し感謝を伝えた。
あわせてKeighley氏の投稿では、ここ10年におけるTGAの視聴回数が記されている。2015年の視聴回数は総計で190万回となっているが、そこから年々右肩上がりに増加。2022年からは1億回視聴の大台を突破しており、ゲーム業界における一大イベントとして定着している様子がうかがえる。
そしてこのイベント規模は、世界的に見ても有数のものとなっているようだ。ニューヨーク大学の経営大学院にて非常勤講師を務め、ゲームビジネスメディアSuperJoostを運営するJoost van Dreunen氏は、12月19日にTGAについての分析記事を公開した。
記事内では、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の優勝決定戦である「スーパーボウル」やアカデミー賞、グラミー賞などといった各アワードやスポーツの一大イベントとの視聴回数の比較がおこなわれている。SuperJoostによれば、2024年内の名だたるイベントと比較してもTGAの視聴回数は圧倒的で、全米でのテレビ視聴率42%を記録したスーパーボウルをしのぐ結果となっている。マーケティング会社Nielsenの伝えるところでは視聴回数(視聴者数)がテレビとストリーミングプラットフォームを合わせて1億2340万回(人)を記録したと報じており、TGAはスーパーボウルより約3000万回以上視聴されていることがわかる。
これについては、近年世界的にゲームに対する関心/人気が高まっている状況も関係しているかもしれない。海外市場調査会社が伝えるところでは、2023年度のゲーム市場は世界的に成長傾向と推計していた(関連記事)。またユーザーのゲームに対する関心についても、ゲームをメインの趣味として挙げる人々が増加傾向にあるとの調査結果が報じられていた(関連記事)。娯楽の多様化によって、ゲームに触れる人が増加しているということだろう。
またTGAでは各種トレイラーが披露され新作ゲームが発表されることもあり、授賞式典としてだけではなく、新情報を求めて視聴される傾向もあるのかもしれない。今年は『ウィッチャー4』や『ELDEN RING NIGHTREIGN』、『大神』新作などをはじめとして続々と新作情報が公開。そのほか既存のゲームについてもアップデートや追加コンテンツの情報が明かされるなど、ゲームについての情報が盛りだくさんであった。
このほか著名人の登場も恒例となっており、今回のTGAでは、ヒップホップMCとして知られるSnoop Dogg氏が壇上でパフォーマンスをおこなう場面も見られた。さまざまな見どころがあることや、多数の配信プラットフォームで放送されていることも相まって、世界的に視聴者数が成長しているのだろう。エンターテインメントとしてゲームが存在感を増していることも垣間見えるデータかもしれない。