賛否両論だった『YIIK: ポストモダンRPG』“フルリメイク”級の無料大型アプデで生まれ変わる。約2年も延期を経たアプデで、大改修・新コンテンツ大量実装
デベロッパーのAckk Studiosは12月3日、RPG『YIIK: ポストモダンRPG』向けの大型アップデート「YIIK I.V(version 1.5)」を配信した。本作は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS4向けに配信中。ゲーム内は日本語表示に対応している。
今回の大型アップデートは、2019年の本作の発売後から開発が進められてきたもの。ゲームプレイの改善と共に新規コンテンツも導入し、無料アップデートながら“フルリメイク”級の内容になっているという。
『YIIK: ポストモダンRPG』は、『MOTHER』シリーズや村上春樹氏の著作から影響を受けて制作されたRPGだ。1999年という世紀末の世界を舞台とし、主人公のアレックスは、偶然出会った女性がこの世のものとは思えない存在に連れ去られてしまったことをきっかけに、アンダーグラウンドなWebサイトを通じて集めた個性豊かな仲間たちと共に、世界の真実を知るための冒険をする。
本作は2019年1月にリリースされ、ユニークな世界観などで一定の評価を得た。一方で、ゲームバランスやテンポ、ストーリー展開などに対しては不評も多く、当時Steamのユーザーレビューは「賛否両論」ステータスに。これを受けて開発元Ackk Studiosは、本作の改善に着手することとなった。
そして2022年1月になって、「YIIK I.V」と名付けた大型アップデートの計画が正式に発表(関連記事)。もともと2022年内の配信が予定されていたが延期され、今回ついに配信されたかたちだ。この間には、同アップデートの内容を一部収録した体験版にあたる『YIIK Nameless Psychosis』も配信されている。
大型アップデート「YIIK I.V(version 1.5)」では、アレックスに加えて、“名もなき子”と呼ばれる少女がもうひとりの主人公として登場し、ふたりの視点から描かれるシナリオが追加された。カットシーンの作り直しも実施。また、ターン制の戦闘システムは基礎から作り直され、ミニゲームを排除し、ロード時間は短縮されている。さらに、探索可能なエリアが10種類以上追加されたほか、レベルアップをおこなう際に訪れるマインドダンジョンは一新。このほか、数多くのサプライズ要素も用意されており、追加コンテンツは10時間以上のボリュームがあるそうだ。
先述した体験版『YIIK Nameless Psychosis』が好評を得ていたこともあってか、今回のアップデートに対してレビューなどでは早くも好意的な意見が聞かれる。また、同アップデートの日本語版のテストに参加したというタニシ氏は、実質的に「5年かけ生まれ変わったフルリメイク+α」であると表現。これを無料アップデートで提供して良いのか開発者に尋ねたそうで、充実した内容に驚かされたようだ。
『YIIK: ポストモダンRPG』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS4向けに配信中。Steam版はオータムセールの対象となっており、12月5日までは50%オフの990円(税込)にて購入可能となっている。また、体験版『YIIK Nameless Psychosis』もPC(Steam)にて配信中だ。