ローポリ検問所ホラー『THRESHOLD』、静かで不気味な雰囲気がユーザーを惹きつける。 “絶対に積み荷を見てはいけない”電車を見送ってゆく


パブリッシャーのCRITICAL REFLEXは11月20日、Julien Eveillé氏が手がけるホラーゲーム『THRESHOLD』の配信を開始した。プラットフォームはPC(Steam)で、価格は税込1149円。日本語表示に対応している。本作はリリース後さっそく好評を博している。

THRESHOLDはホラーアドベンチャーゲームだ。主人公は某国の山頂付近にある、寂れた国境検問所で働く男。彼の仕事はやって来た電車を定刻通りに走らせ、検問所の管理をし、上に出す報告書を書くことだ。そのため、プレイヤーは発進のホイッスルを鳴らしたり、浄水フィルターを掃除したり、検問所の周囲を探索するといったタスクをこなしてゆくこととなる。同僚のモーに仕事を手伝ってもらったり、会話したりすることも可能だ。


そんな検問所では「電車の積み荷を見てはいけない」というのが絶対のルール。貨物から異臭がしても、空から血が降り注いでも、疑問を持たずに働き続けることが国の意向だ。本作の展開やエンディングは国に従うか、あるいは反抗するかというような、プレイヤーの選択肢で変化する。くわえて、ゲーム開始時に選んだ主人公の出身国も本編の展開に影響しうる。

また、舞台は山頂付近で空気が薄く、呼吸をするのも一苦労。ホイッスルを吹いたり走るといった行動をするたびに主人公は苦しみ、次第に酸欠状態になってしまう。某国から支給される酸素ボンベで酸欠は回復できるものの、ガラス製のボンベを噛み砕くたび、主人公の口は傷だらけになってゆく。この検問所では、どうあがいても刻一刻と死が迫ってくるのだ。


本作は本稿執筆時点でレビューが40件以上寄せられており、93%が好評とする「好評」ステータスを獲得している。レビューでは主に、本編の雰囲気の良さが魅力として挙げられている。

本作のムードを作り上げているものとして、無機質な機械音や電車の走行音といったサウンドデザインや、ローポリグラフィックが挙げられる。ホラー要素についてもいわゆるジャンプスケアは少なめで、鳥肌が立つようなゾクゾク感を挙げているユーザーが多い。本作は、そうした静かながらも不気味な空気感が好評を得ているようだ。

また、同パブリッシャーより発売されている『Buckshot Roulette』や『Arctic Eggs』、『Mouthwashing』などのローポリホラー作品を引き合いに出しているレビューも散見される。同ジャンルのゲームファンの心にも、本作はしっかり刺さっているようだ。


本作を開発したJulien Eveillé氏は、かつてArkane Studiosで『Dishonored』シリーズや『DEATHLOOP』といった作品に関わった人物。現在はドイツに拠点を置くCrytekの社員として『Crysis 4』の開発チームに参加するなど、10年以上ゲーム開発に携わっている。本作はEveillé氏が個人で制作した作品だが、そうした長年のゲーム開発のノウハウは本作に活かされていることだろう。

『THRESHOLD』はPC(Steam)向けに配信中。リリース記念セールとして、11月27日まで定価の10%オフである税込1034円で購入できる。また、Eveillé氏のitch.ioページでは本作の前日譚にあたる体験版が無料でダウンロード可能だ(こちらは日本語非対応)。