『ロリポップチェーンソーRePOP』、「予想を大幅に上回る売上」で開発元親会社の業績をけん引。オリジナル版の魅力を高めるこだわりリメイク、絶好調の売れ行き
ドラガミゲームスが手がけ9月にリリースされた『ロリポップチェーンソーRePOP』が、かなり好調な売れ行きを見せているようだ。同社の親会社エクストリームが11月13日に実施した業績発表において明かされている。
本作は、2012年にPS3/Xbox 360向けに発売されたゾンビアクションゲーム『ロリポップチェーンソー』のリメイク版だ。主人公は、ゾンビハンターの末裔であるジュリエット。ジュリエットはチェーンソーを武器とし、母校で起きた大惨事を解決すべく戦う。アメリカ西海岸の学校や市街地などを舞台に、豪快なチェーンソー攻撃とチアで培った軽快なアクションで、ゾンビの大群を蹴散らしていくのだ。そうしたバイオレンスながらコミカルさもあるゲームプレイが持ち味となっている。
リメイク版である本作では、オリジナル版でのシナリオはそのままに、「遊びやすさ」や「やりこみ要素」を強化。たとえばコンボアクションについて、コマンド受付時間が調整され、プレイヤーがイメージしたとおりのコンボアクションを出せるように改良。ゲームスタート時からコンボアクションが使用可能となっている。また、解像度はオリジナル版のHDから4KもしくはフルHDへと向上し、ロード時間も短縮されている。
このほかジュリエットの衣装についても、オリジナル版から増量され30着を収録。新型チェーンソーや、新たに追加されるヘアカラー4色により、750通りのコスチュームチェンジを楽しむことができる。
リメイク版の開発を手がけるドラガミゲームスは、オリジナル版にプロデューサーおよびチーフディレクターとして携わった安田善巳氏が代表取締役社長を務めている企業だ。リメイク版についても同氏がプロデューサーとして携わるほか、オリジナル版の一部開発スタッフも参加している。
今回、ドラガミゲームスの親会社である株式会社エクストリームが2025年3月期連結業績予想の上方修正を実施。売上高は前回予想から5.9%増となる116億5000億円、最終利益は前回予想から52.1%増となる10億8000万円となった。前期実績との比較においては売上高は14%増、最終利益は4.4%増となる見込み。前回予想では減益が見込まれていたところ、一転して増益の見通しになった(gamebiz)。
そしてエクストリームの発表によると、上方修正の背景には『ロリポップチェーンソーRePOP』が当初の販売計画を大幅に上回り、コンテンツプロパティ事業の売上高および営業利益を押し上げたことがあるという。結果として同事業の売上高は前年同期比で222.1%増となる8億9100万円を計上する見込みとのこと。
なお『ロリポップチェーンソー RePOP』はSteamユーザーレビューにて本稿執筆時点で約1200件中85%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。“B級”テイストな派手な作風などオリジナル版での持ち味が引き続き評価されているようだ。新要素としてコスチュームがさまざま追加された点も、着せ替え要素をさらに楽しめるようになったとして評価を受けている。
ちなみに先述の安田氏は『ロリポップチェーンソーRePOP』の開発にあたって、オリジナル版のシナリオや脚本についてはあえて変更や追加をおこなわず、ゲームとしての魅力を高める「改修」と「新規要素の実装」に絞る方針を伝えていた(弊誌インタビュー記事)。オリジナル版の雰囲気を守り、かつ長所を伸ばすリメイクがおこなわれたことも人気に繋がったのだろう。
なおリメイク版には携わっていないものの、オリジナル版ではエグゼクティブディレクターをグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏が担当。さらにシナリオには映画監督のJames Gunn氏が携わっていた。著名クリエイターの手腕が発揮された作風もあり、オリジナル版は根強い海外人気も見られたタイトルだった。
そんな『ロリポップチェーンソー』のリメイク版は海外およびSteamでの9月12日の先行発売後、1週間時点で売上が10万本を突破したことも報告されていた。海外だけでもハイスピードで売り上げていたようだ。その後9月26日の国内発売も経て、順調に売り上げを重ねてきた模様。今回はドラガミゲームスおよびエクストリームの業績をけん引したことが報告された格好だ。
『ロリポップチェーンソーRePOP』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。