バンダイナムコホールディングスは11月6日、2025年3月期第2四半期の決算発表をおこなった。このなかでは『ドラゴンボール Sparking! ZERO』が非常に好調な出足となり、このうちの販売比率として欧米が約9割を占めていたことも明かされている。
『ドラゴンボール Sparking! ZERO』は、3D対戦アクションゲーム『ドラゴンボールZ Sparking!』シリーズの最新作だ。PS5/Xbox Series X|S向けに10月10日に、Steam向けに10月11日に発売された。本作では漫画・アニメ「ドラゴンボール」シリーズお馴染みのキャラが、かめはめ波や舞空術といった技や、超サイヤ人への変身といった能力を活かして戦いを繰り広げる。ソロプレイのほか、オフラインまたはオンラインの対戦モードなども用意されている。
本作には、『ドラゴンボールZ Sparking!』シリーズ史上最大規模とされる総勢180体以上のキャラクターが登場。ソロプレイ専用の「エピソードバトル」では、孫悟空やベジータなど8人のキャラを選び、選んだキャラの目線で原作に沿ったシチュエーションのバトルを楽しめる。ほかのゲームモードとしてはオンライン対戦のほか、ゲームオリジナルのさまざまなシチュエーションでの戦闘を楽しめる「カスタムバトル」や、バトル前後のカットシーンや会話などを自由に設定可能な「エディットモード」などが用意されている。
本作は10月8日の豪華版購入者向け先行アクセス開始や否や大きな盛り上がりを見せており、10月11日のSteam版発売後24時間で世界累計販売本数が300万本を突破したことも報告されていた。今回の2025年3月期第2四半期の決算発表においては、そうした本作の出足が非常に好調であったことが改めて報告。あわせて本作の販売比率として、欧米での売上が約9割を占めていたことも明かされている。
質疑応答によれば、本作ではマーケティング面においては地域ごとの特性にあわせたきめ細かい対応をおこなっているとのこと。ある地域ではSNSでのマーケティングに注力する一方、別の地域ではリアルなイベントを重視するなどの施策があり、これらも功を奏しているそうだ。
本作は、PS2/Wii向けに2007年10月に発売された『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』以来のシリーズ最新作。欧米向けには以前『Dragon Ball Z: Budokai Tenkaichi』という名称でシリーズ展開されていたものの、本作からは日本と欧米で共通のタイトル名『ドラゴンボール Sparking! ZERO (DRAGON BALL: Sparking! ZERO)』こととなった。昨今での、地域を越えてユーザー間でコミュニティが形成される傾向を踏まえた変更だったそうだ(弊誌インタビュー記事)。
欧米向けにはシリーズの名称を変えるという思い切った決断もとられた『ドラゴンボール Sparking! ZERO』。結果として絶好調の船出となり、欧米での売上が約9割というグローバルな成功を収めたかたちだ。ちなみにSteamでのユーザーレビュー比率は英語が約52%、スペイン語が約16%、ポルトガル語が約7%、フランス語が約5%といった割合(SteamScout)。英語圏のみならず、欧米の幅広い地域で遊ばれている様子もうかがえる。
ちなみに「ドラゴンボール」シリーズのゲーム作品は、かねてより欧米向けにはSteamに展開されていたものの、基本的にSteam版は国内向けには販売されてこなかった。一方今年の3月には『ドラゴンボール ゼノバース2』『ドラゴンボール ファイターズ』『ドラゴンボールZ KAKAROT』の3作品のSteam版が国内向けにも解禁(関連記事)。本作『ドラゴンボール Sparking! ZERO』Steam版も国内向けにも発売された。
本作にて先述した国内ユーザーと海外ユーザーでコミュニティが分離しないようなタイトル変更がおこなわれている点も見るに、「ドラゴンボール」のゲーム展開では国内・国外の垣根をなくすマーケティング方針もあるのだろう。そうした点もあってか、『ドラゴンボール Sparking! ZERO』は販売本数の割合こそ欧米が約9割とのことながら、国内SNS上でも盛り上がりを見せている。
なお本作には2025年内に、現時点で3種類のDLC展開が予定されており、20体以上のプレイアブルキャラクターが追加される見込み。今後の国内外での賑わいが期待される。
『ドラゴンボール Sparking! ZERO』は、PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発売中。なお2025年に配信予定のDLC3種類については、すべてシーズンパス所有者向けにも提供される見込みだ。