国内の個人サークルcrush-vAdin(クラッシュヴァーディン)は11月7日、『ととのいシミュレーター』のSteamストアページを公開した。同作は年内の発売を目指して開発中。itch.ioでは、旧バージョンが公開中となっている。
『ととのいシミュレーター』は、体力に気をつけながら温泉やサウナでととのいを目指す、短編シミュレーションゲームだ。本作でプレイヤーは温泉にゆっくりと入浴し、より良いととのいを目指していく。ゲームが始まると、ステージ内に湯気の立ち上る温泉が存在している。温泉に浸かると、体が温まって「のぼせ」が上昇。ととのいスコアを獲得するとともに、のぼせが高まると体力が減っていく。本作では、のぼせすぎて体力が尽きないように気をつけながら、温泉に入ってととのうわけである。
温泉施設内には、本作内で身体にわるいとされるサウナや水風呂も存在。両施設では体力を急速に失う代わりに、サウナではのぼせをすぐに高め、水風呂ではのぼせをすぐに下げられる。本作では強くのぼせている時に、外気浴や水風呂に入ると、さらにととのうのだという。体力回復効果のある飲み物も含めて、温泉以外の施設も上手く活用することで、ととのいの高みを目指していくのだ。なおストアページによると、本作の舞台は天保から続く歴史ある温泉「九義温泉」であるようだ。ぬるりとした肌触りとぽかぽかと体を温める効能は、女性にとくにおすすめとされている。
システム面では、ととのいづらい方向けに「ジャンプスケアはやめーろ!」機能も搭載。ストアページ上には、「愛しきや あこ」「にくきは きみ」といったどうにも不穏な文言や、不気味ななにかの写ったスクリーンショットも掲載されている。本作は、ただ温泉でととのうだけのゲームではないのかもしれない。歌声データベース「Synthesizer V AI 宮舞モカ」を使用して制作された、少し様子のおかしいボーカル曲も特徴だろう。
本作を手がけているcrush-vAdinは、アンダーグラウンドゲーム制作者を自称するBhaskara氏による個人サークルだ。過去作としては、血みどろの2Dアクション『CYNOROID FORSAKEN』や、地雷系ガールが病みに包まれた世界を救うレトロ風FPS『HAZAMA_QUEEN』などをリリースしてきた。
前作『カルトに厳しいギャル-CULT VS GAL-』では、Steamのユーザーレビュー120件中99%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得。プレイヤーからは、中指を立ててカルトを殲滅するキャッチーさや、短くまとめられたオールドスクールなゲームプレイが好評に繋がっていたようだ。
本作『ととのいシミュレーター』は、24時間でゲームを完成させる企画「24時間ゲ制」の参加作品として、Bhaskara氏が制作。10月よりitch.ioにて、プレイヤーが価格を決める「Name your own price」形式にて公開されていた。『ととのいシミュレーター』Steam版は、そんなitch.io版をベースに、内容の追加や変更をおこなった新バージョンだ。メディア向けに送付されたデモ版をプレイした限りでは、旧バージョンとは異なる演出などが存在していた。旧バージョンにおいてもととのい以外の要素が仄めかされていたが、新バージョンでは周回プレイや不穏な演出などが体験できるのだろう。
『ととのいシミュレーター』Steam版は、年内発売を目指して開発中。プレスリリースによると、価格は300円ぐらいになるそうだ。