セガが、対戦格闘ゲーム『バーチャファイター』シリーズの新作を現在開発しているようだ。同社幹部が海外メディアVGCとのインタビューのなかで、開発中であるとコメントしている。
『バーチャファイター』シリーズは、1993年から続く3D対戦格闘ゲームだ。近年では、過去作のリメイクにあたる『Virtua Fighter esports』や『Virtua Fighter 3tb Online』がリリースされているが、本格的な新作としては、2006年稼働の『バーチャファイター5』およびそのバージョンアップ版が最後となっている。
海外メディアVGCは11月6日、先日シンガポールで開催されたイベントgamescom asiaでの、セガ常務執行役員Justin Scarpone氏とのインタビューを公開した。同氏は、ウォルト・ディズニー・カンパニーのゲーム事業などに携わった実績をもつ人物で、セガIPのトランスメディア戦略を率いるべく今年4月にトランスメディア事業本部事業本部長に就任した人物だ。
セガというと、『ジェット セット ラジオ』『クレイジータクシー』『Shinobi』『ゴールデンアックス』『ベア・ナックル』という同社を代表するIPの新作を開発中であると昨年12月に発表。長らく新作が出ていないIPも含まれ、インタビューでは現代の消費者に向けた施策について問われた。この回答のなかでScarpone氏は、上述した各IPに触れると共に、『バーチャファイター』シリーズの新作を開発中であると述べた。
具体的な発言としては「We have another Virtua Fighter being developed(我々はまた別の『バーチャファイター』を開発中だ)」というもの。ゲーム内容など詳細には触れられず、ナンバリング最新作となるのか、あるいは過去作のリメイクなどになるのかは不明だ。ただ、上述した『ジェット セット ラジオ』や『クレイジータクシー』と同じ文脈のなかで言及されたことから、完全新作となる可能性はありそうだ。『クレイジータクシー』の新作については、マルチプレイに対応する、まったく新しい作品になることが明らかにされている(関連記事)。
『バーチャファイター』シリーズの近作である『Virtua Fighter esports』や『Virtua Fighter 3tb Online』は、『ボーダーブレイク』などを手がけた青木盛治氏をプロデューサーとして開発された。以前同氏は、シリーズ新作を作りたいとしたうえで、『Virtua Fighter esports』が、同シリーズにまだ需要やポテンシャルがあるのかを知る一歩になるとコメントしていた(ファミ通)。
また、『バーチャファイター』の新作には「イノベーションが必要であり,それがなければやるべきじゃない」という社内方針があり、これを主な理由として新作の企画提案がたびたび見送られてきたことも明かしている(4Gamer)。今回、新作を開発中であることを認めたJustin Scarpone氏は、意図的に公表したのか、それともうっかり口を滑らしてしまったのかははっきりしないが、上述したイノベーションなどに目処が立ったということかもしれない。詳細は正式発表を待ちたい。