愛煙家の彼女と嫌煙家の彼の青春ノベル『short HOPE long Peace』11月7日ブラウザ向けに無料公開へ。『ghostpia』の超水道によるささやかな恋

国内の創作ユニットである超水道は10月31日、『short HOPE long Peace』を11月7日に配信開始すると告知した。対応プラットフォームはPC/iOS/Androidで、価格は無料。Webブラウザ上で動作するという。

国内の創作ユニットである超水道は10月31日、『short HOPE long Peace』を11月7日に配信開始すると告知した。対応プラットフォームはPC/iOS/Androidで、価格は無料。Webブラウザ上で動作するという。

『short HOPE long Peace』は、愛煙家の彼女と嫌煙家の彼にまつわるささやかな恋物語を描く、デンシノベルゲームである。本作のメインキャラクターである大学生・桜田若葉は、男癖の悪さで評判のヘビースモーカーだ。ある日彼女は、いつものように立ち寄った喫煙所で、サークルの後輩である江向に告白されて、付き合うことになる。愛煙家で厄介なやつだと噂される桜田若葉と、嫌煙家かつ理屈っぽくて真面目な江向。タバコを巡る騒々しいかけがえのない日々と、ゆらめく紫煙の晴れた先。彼女が彼を吸い終わるまでのささやかな青春が描かれる。


2人の物語は、縦書きのビジュアルノベルとして展開される。本作では一般的なノベルゲームのスタイルとは異なり、縦書きの文章を主体に物語が進行していく。物語の要所には挿絵として一枚絵が登場。ライトノベルや文庫本に近いスタイルで、物語が繰り広げられるのだ。超水道はジャンル「デンシノベル」とも称しており、本作では文庫本を読むようにゆったりと物語が堪能できるそうだ。公開された画像を見る限りでは、ギャラリーやサウンドテストといった機能も搭載。もくじやしおりから読む機能や、本編の物語以外にあとがきも用意されている。またプレイ時間は1時間以上。実況ガイドラインが公開予定とされている。


本作を手がけている超水道は、社会人4名による創作ユニットである。同ユニットの代表作としては、『ghostpia』が制作中だ。第5話までを収録した『ghostpia シーズンワン』Steam版では、ユーザーレビュー443件中97%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得し、先日売上1万本を達成。豊かな演出と綿密な心理描写によって紡がれる、ときに暴力をまじえた少女たちの物語が、プレイヤーから評価されてきた。なお同作では、ミタヒツヒト氏がシナリオ、山本すずめ氏および斑氏がグラフィック、蜂八憲氏が制作進行を担当している。

pixivFANBOX内の超水道による記事「超水道月報(2024.6月号)」によると、本作『short HOPE long Peace』は、蜂八憲氏による短編小説「彼を吸い終えるまでの8年間の話」をベースとしたノベル作品とされている。同氏が過去作の中でもひときわ強い思い入れがあるため、今回新プロジェクトの第1弾としてデンシノベル化が決定されたそうだ。

また超水道は『ghostpia』以外に、2008年の発足時より「スマートフォン上で絵と音楽と共に小説を楽しむ」をモットーとしたノベルゲーム作品を、デンシノベルと呼称して配信してきた。本作ではそうしたユニットの原点へ立ち返ると共に、文章主体のデンシノベル自体もリニューアル。文庫小説的なスタイルを研ぎ澄ました、読む楽しさが込められているそうだ。なお制作陣としては、シナリオを蜂八憲氏、イラストを斑氏、システムデザインを山本すずめ氏、エディトリアルデザインをミタヒツヒト氏が担当。音楽は、最近では『アクアリウムは踊らない』の音楽も担当した真島こころ氏が手がけている。

『short HOPE long Peace』は、Webブラウザ(PC/iOS/Android)向けに11月7日無料公開予定だ。また超水道は、11月3日に秋葉原で開催されるデジゲー博2024へ参加予定。会場では本作の体験版もプレイできるそうだ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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