インテル、デスクトップ向け新CPU「Core Ultra 200S」シリーズを正式発表。「Ryzen 9 9950X」との一部性能比較など披露しつつ、パワーアップをアピール


インテルは10月10日、デスクトップPC向けの新プロセッサー「Core Ultraプロセッサー 200S」を発表した。過去世代に比べ、大幅に低い消費電力と優れたゲームパフォーマンスを実現した、とアピールされている。

「Core Ultraプロセッサー 200S」は「Arrow Lake」なるコードネームにて開発されていたデスクトップPC向けの新世代プロセッサーだ。本製品は昨年リリースされた「Core Ultra シリーズ1(Meteor Lake)」に続く、「Intel Core Ultra」シリーズの最新世代製品となる。


本シリーズの製品ラインナップとしては、「Core Ultra 9 プロセッサー 285K」「Core Ultra 7 プロセッサー 265K」「Core Ultra 7 プロセッサー 265KF」「Core Ultra 5 プロセッサー 245K」「Core Ultra 5 プロセッサー 245KF」の5種類が存在。一番下位となるCore Ultra 5モデルにおいても、P-core数が6、E-core数が8の14スレッドとなっている。また本シリーズはインテルよりリリースされるデスクトップPC向けのプロセッサーとしては初の、NPUを搭載したモデルとなっている。

NPUとはNeuralProcessing Unitの略で、人間の脳の動きを模したニューラルネットワークにてAIの推論処理を専門で実施するプロセッサーとなる。CPUやGPUが担当するよりも省電力でAI処理がおこなえることが特徴となっている。つまり「Core Ultraプロセッサー 200S」ではNPUを搭載したことで、AIや機械学習における負荷を減らし、効率化が実現できているとされている。

具体的な検証では、「Core Ultra 9 プロセッサー 285K」と「AMD Ryzen 9 9950X」でAdobe After Effectsをともに使用。AIによるシーン編集検出機能を実施し比較したところ、最大50%の性能向上ができているとされている。さらにCore i9 14900Kとの比較では、シングルスレッド性能が最大6%、マルチスレッド性能が最大14%高速になったとも説明されている。


このことに加え、本シリーズでは「電力効率」が劇的に改善したとされている。使用状況や構成などによって結果は異なるとしつつも、「Core Ultra 9 プロセッサー 285K」と「Core i9 14900K」で『Warhammer 40,000: Space Marine 2』をプレイしているときの平均システム消費電力を計測した結果、最大で165Wの電力を削減できたとの結果を公開している。ゲームなど、AIを用いた処理をおこなわないユーザーにも嬉しい性能向上となっていそうだ。

今回発表された「Core Ultraプロセッサー 200S」では、NPUをはじめとした数々の進化点がアピールされた。なお13/14世代の一部プロセッサーにおいては、最小動作電圧が上昇することによる不安定性の問題が判明し、インテルはマイクロコードが配信するなど、対策に追われていた(関連記事)。最新世代である本シリーズではそうした問題は発生しないとも謳われており、今回の新世代CPUの登場により、安定性を含めて信頼が取り戻せるかといったところも注目されるだろう。