ゲームアワードにノミネートされた『Balatro』開発者、他人が開発した別作品『Arco』への投票を呼びかけ。好評ながら売上低調の作品を猛烈に応援したい


Golden Joystick Awardsは10月4日、ゲームアワード「Golden Joystick Awards 2024」のノミネート作品を発表した。そんな中ゲーム開発者のLocalThunk氏は、ノミネートされた自身のゲーム『Balatro』ではなく、Franek Nowotniak氏たちの手がける『Arco』に投票してほしいと呼びかけた。GamesRadar+が報じている。

「Golden Joystick Awards」はイギリスで1983年より続く歴史あるゲームアワードだ。今年で第42回目の開催となる。同イベントでは、過去12か月間に発売されたタイトルから、それぞれのテーマに応じた作品がノミネートされ、ユーザーらによる投票がおこなわれる。

ちなみに昨年は『バルダーズ・ゲート3』がUltimate Game of the Yearを含む複数部門で受賞。そのほか『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』や『ファイナルファンタジーXVI』、『バイオハザード RE:4』などが各部門でアワードを受賞している(関連記事)。


そんな「Golden Joystick Awards」について10月4日、今年分のノミネート作品が公開。あわせてユーザーからの投票を受け付けている。このラインナップには人気を誇るデッキ構築ローグライクゲーム『Balatro』も加わっている。「Best Audio Design」「PC Game of the Year」「Best Indie Game」の3部門にノミネートされており、高い評価がうかがえる。

また「Best Indie Game」部門には『Arco』もノミネート。同作品は4人の主人公による復讐劇を描いた、戦略アクションゲーム。俯瞰視点でおこなわれるバトルにおいては、移動や攻撃をあらかじめ選択するターン制を採用しつつも、敵の行動も同時におこなわれるという「同時ターン制」のかたちが取られている。敵の行動を確認しつつ、プレイヤーのユニットと同時に動くとどのようにバトルが展開されるのかといった、戦略性が重要になってくる。

『Arco』は今年8月16日にリリースされて以降高い評価を獲得しており、Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で約650件中97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスとなっている。レビューでは先述の同時ターン制戦闘を評価する声が多く、近接/遠隔攻撃や敵の動きのバラエティの豊かさが好評。西部劇的な舞台で繰り広げられる復讐のストーリーについても、雰囲気十分だと評されている。


ゲーム開発者LocalThunk氏は、そんな『Arco』に惚れ込んだのだろう。同氏は本日、X上で自身の手がけた『Balatro』がノミネートされたことを報告。同時に素晴らしい『Arco』という作品にもぜひ投票してほしい(I implore you to try out/vote for the incredible Arco that was also nominated today)と、『Balatro』を差し置いて“宣伝”する様子が見られた。

発売約1か月で100万本を売り上げた『Balatro』を送り出したクリエイターが、自身の作品よりも他作品への投票を勧めるという興味深い場面が見られた。なおLocalThunk氏は以前よりXで『Arco』の魅力を熱弁。ぜひともプレイしてほしいと述べ、より多くの人に受け入れられると良いとの希望も語っていた。そういう背景もあり、今回のノミネートは、『Arco』ファンであるところのLocalThunk氏にとって、待望の機会だったのかもしれない。


ちなみに『Arco』については、メディアやユーザーから高い評価を獲得しつつも売り上げが苦戦している旨が開発者から明かされていた(関連記事)。LocalThunk氏の呼びかけや、今回のノミネートを契機として、一気に日の目を見るという可能性もありそうだ。また『Arco』開発元は今後の予定として、日本語を含む6言語へのローカライズをおこなうとしている。気になった人は、ウィッシュリストに登録したり、ローカライズ実装に先駆けて購入してみてもいいだろう。

『Arco』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/Nintendo Switch向けに配信中だ。

『Balatro』はPC(Steam)/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One向けにダウンロード版が現在配信中。Nintendo Switch/PS5向けパッケージ版は10月24日発売予定。