『VALORANT』のゲームエンジンが「UE5へ移行予定」と明かされる。でもすぐに目に見えて大きな変化は起きない


Riot Gamesが手がける『VALORANT』について、ゲームエンジンがUnreal Engine 5に移行されるようだ。アメリカ・シアトルで開催されている「Unreal Fest Seattle 2024」にて明かされた。

『VALORANT』はRiot Gamesが開発/運営を手がける基本プレイ無料FPSで、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに展開されている。ゲームでは5人1組のチームで戦う。アタッカー側はスパイクと呼ばれるアイテムをマップの指定されたエリア内に設置し、爆発までの時間防衛する。一方でディフェンダー側は、設置もしくは爆発を阻止することを目的とする。

本作のゲームエンジンはUnreal Engine 4で開発されている。Unreal Engine 4を使った開発にあたっては、最小動作環境においても30fpsを実現するために、カスタムされたレンダラーを採用。ライティングなどにも調整が加えられており、結果として、最小要件の、オンボードGPU「Intel HD Graphics 4000」でも30fpsでのプレイが可能になっているという。


そんな『VALORANT』が、Unreal Engine 5へと移行するようだ。Epic Gamesが主催するイベント「Unreal Fest Seattle 2024」にて、『VALORANT』のスタジオ責任者であるAnna Donlon氏によって明かされた。

Unreal Engine 5はEpic Gamesから2022年4月に正式リリースされたゲームエンジン。Unreal Engine 4から5になって変わった点としては、動的グローバルイルミネーション・反射システムであるLumenや、仮想化マイクロポリゴン・ジオメトリシステムNaniteなどの実装が挙げられる。このような技術により、綺麗でリアルなシーンが表現できるとされている。

Donlon氏によれば、Unreal Engine 5によって『VALORANT』のさまざまな可能性が拡大したそうだ。『VALORANT』ユニバースでの、新たなプレイアブル体験として新展開も検討されていることも示唆された。またUnreal Engine の採用は、開発者や技術などあらゆる側面に柔軟性をもたらしているとのこと。業界で幅広く利用されている点から、経験あるスタッフの確保や技術の獲得が容易ということだろう。


とはいえDonlon氏によれば、『VALORANT』のゲームエンジンがUnreal Engine 5に変わっても、すぐにはパフォーマンス面で大きな変化は生じないとのこと。PC版のプレイにあたって、必須要求スペックが大きく引き上げられる、といったことはなさそうだ。また美麗なグラフィックなどで注目されるUnreal Engine 5であるものの、本作においては、見た目にもすぐに大きな変更は生じないという。

『VALORANT』は2020年6月にPC向けにリリースされ、今年で4周年を迎えた。サービスが展開される最中に登場したUnreal Engine 5に、ついにゲームエンジンが移行されるようだ。本作は今年8月にPS5/Xbox Series X|S向けにもリリースされており、将来も見据えてゲームエンジンのアップデートが決定されたのかもしれない。なおゲームエンジンの移行にあたっての具体的な日程については現時点で未公開。続報も注目される。

VALORANT』はPC/PS5/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料にて配信中だ。

【UPDATE 2024/10/2 11:35】
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