パブリッシャー/デベロッパーの11 bit studiosは9月23日、『フロストパンク2（Frostpunk 2）』の売り上げが35万本を突破し、開発費をすべて回収することができたと発表した。本作は日本時間の9月21日に発売されたばかりであり、リリースから3日目での黒字化達成の報告となった。
『フロストパンク2』は、2018年に発売された極寒サバイバル街づくりゲーム『Frostpunk』の続編だ。対応プラットフォームはPC（Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store）で、日本語表示に対応している。
『フロストパンク』シリーズの舞台となるのは、地球規模の異常な寒波の襲来により文明が崩壊した世界だ。プレイヤーはわずかな人類の生き残りを率いて街を築き、乏しい資源を集めながら終わりのない冬を生き抜いていく。本作『フロストパンク2』は前作の30年後が舞台となっており、過酷な環境に適応しつつある人類は都市の規模を拡大。増大していく人口を統治するため、評議会を通して派閥をコントロールしていくことになる。
本作は9月21日に配信開始された。Steamユーザーレビューでは、本稿執筆時点で約6000件中71％が好評とする「やや好評」ステータスを獲得している。レビュー内容では、前作との違いについて言及するものが複数存在。サバイバルを重視していた前作から、政治により焦点を当てたゲームシステムに変化しているとする意見が散見される。前作から方向性が変わっているとして戸惑いを見せているレビューも見られるが、新しい領域に挑戦しているとして評価する声も複数見られる。
今回、そんな『フロストパンク2』の売り上げが35万本を突破したことが、本作の公式Xアカウントより発表された。またあわせて、推定される売上の総収益が開発費を上回っていることが報告。開発コストとマーケティング費用を合わせた、制作費用のすべてを回収することができた見込みだと伝えられている。本作は21日に配信が始まったばかりであり、リリースから3日目での素早い黒字化の達成報告となった。
また本作公式Xアカウントは、35万本突破の報告に続けてメッセージをポスト。プレイヤーに感謝の言葉を伝えつつ、本作の制作意図について語っている。同ポストによると、『フロストパンク2』は誰も予想しない方向性で制作することで、続編のあり方の可能性を広げる作品にしたかったという。前作のコピーではなく、新しいユニークな体験を提供することが目標だったそうだ。開発元は現時点で本作が達成していることを誇りに思っており、今後はフィードバックを参考にしながらゲームを改良していく予定とのことである。
本作はレビュー集積サイトMetacriticによるメタスコアでは86点と高い評価を獲得しているものの、上述のとおりSteamユーザーレビューでの好評率は71％となっている。前作が約93000件中92％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得していることを考えると、ややレビュー評価が伸び悩んでいると言えなくもないだろう。不評とするレビューでは前作からの方向性の変化に言及しているものが多く、公式Xアカウントによるポストはそうした声に応えたものであると思われる。
一方で同時接続プレイヤー数に目をやると、前作『Frostpunk』のピーク時の記録が約2万9400人だったのに対し、本作『フロストパンク2』は約3万5500人を記録。瞬間的な勢いではすでに前作を上回っている。ちなみに今年4月の発表によると、前作の売上は全機種合わせて500万本を超えているとのこと。早くも開発費の回収に成功した本作が今後さらに売上を伸ばし、前作の販売本数に迫っていくのか注目される。
『フロストパンク2（Frostpunk 2）』は、PC（Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store）向けに配信中。PC Game Passにも対応している。またPS5/ Xbox Series X|S向けには2025年にリリース予定だ。
