和風メトロイドヴァニア『ボウと月夜の碧い花』開発者は「日本から強く影響を受けたが、ファンタジーになるよう気をつけた」。竹安佐和記氏と共に語られる「世界観の作り方」
マーベラスは7月18日に『ボウと月夜の碧い花』を国内向けに発売した。対応プラットフォームはPS5/Nintendo Switch。PC(Steam)/Xbox Series X|S版はHumble Gamesから発売されている。
『ボウと月夜の碧い花』は探索型2Dアクションゲームだ。開発はタイのデベロッパーSquid Shock Studiosが手がけている。本作では妖の国という和風世界が舞台となっている。プレイヤーはキツネの「テンタイハナ」と呼ばれる存在の妖怪、ボウを操作し、世界を旅することとなる。なお、本作の発売に際しては、『大神』などのデザインに携わった竹安佐和記氏が、『ボウと月夜の碧い花』ディレクターと見事な共同絵を制作している。
7月にはBitSummit Driftが開催したことで、Squid Shock Studiosのメンバーが来日。同スタジオのクリストファー・ステアー氏と、竹安氏が対談し、共同イラスト制作をしたことをフックに、アーティストとしてどう世界観を作るかなどのこだわりを語り合った。
――はじめに、お二人の自己紹介をお願いします。それでは竹安さんから。
竹安佐和記(以下、竹安)氏:
竹安です。大阪出身で、25年くらいゲーム業界で働かせてもらってます。もともとはデザイナーで、カプコンのころに『デビルメイクライ』や『大神』などに携わり、『鉄騎』にも関わりました。カプコンをやめてからいろんなゲームに関わっており、有名なのは『エルシャダイ』で、最近はNintendo Switch版を出させていただきました。
クリストファー・ステアー(以下、クリス)氏:
クリストファー・ステアーです。新しく発売されたゲーム『ボウと月夜の碧い花』ではクリエイティブディレクターとしてゲームに実装されるアートとデザイン全般を担当しています。よろしくお願いいたします。
――ありがとうございます。竹安さんは今新作も作られているんですよね。
竹安氏:
『スターノート 』というゲームを現在開発していてSteamで早期アクセス配信中です。この秋に正式リリース予定です。ローグライク系のアクションゲームで、『Vampire Survivors』を3Dにしたような作品と考えていただけばわかりやすいかと思います。
――『ボウと月夜の碧い花』にまつわる竹安さんとクリスさんとのやりとりをお聞かせ頂けますか。そもそもどういうきっかけで共作をすることになったのでしょうか。
クリス氏:
このコラボアートは、日本・アジアのパブリッシャーであるマーベラスの提案によってスタートしました。『ボウと月夜の碧い花』のアートスタイルは竹安さんがデザインで関わられた『大神』の影響を大いに受けていましたし、何より私自身が竹安さんの大ファンだったので、このような素晴らしい機会を得られて非常に嬉しかったです。
流れとしては、最初に竹安さんの方から3種類のラフのイラストのサンプルが出来上がってきました。それからどうするかを話し合って、日本の伝統的なアートに見るようなフラットな2Dのようなイメージでいこうと決まりました。竹安さんのデザインには本当に感動しました。めちゃくちゃ出来がよかったので、要素を加える際にはかなり緊張しましたね。
あとデザインが一日ぐらいで届いたのですが、竹安さんは、きっと何かを始めればもう終わるまでやめられないタイプの人なんだろうなと感じました(笑)
――共同作業中にキャッチボールは何回くらい行われましたか。たとえば、一回竹安さんが書いて、クリスさんも書いて、はい終わり、とはならなかったと思います。何度か各書き足しのプロセスがあったと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
竹安氏:
(やりとりは)三回くらいだったかな?
クリス氏:
はい、三回です。
――竹安さんにお聞きしたいのですが、クリスさんは結構緊張されていたというお話でしたが、やりとりでクリスさんが伝えたい内容はすぐにわかりましたか。
竹安氏:
多分こういうこと言いたいんだなっていうのは、結構スムーズに理解できました。少なくとも僕はできていたと思っています。クリスさんがどう思っていたかはわかりませんが(笑)
クリス氏:
いえいえ、とてもスムーズなプロセスでした。最初は竹安さんの作品に少し変化を加えるのは怖かったのですが、いくつかの構成について提案をしたところ、ありがたいことにその提案を良いアイデアと言って頂けたことで、竹安さんと一緒に仕事をすることに少し自信が持てました。最終的に色々とうまくいきましたし、竹安さんと一緒に仕事をするのは本当に気持ちが良かったです。
――色の淡さがとても素敵だと思うのですが、これはどちらサイドからのアイデアだったのですか。
竹安氏:
色は僕ですね。
クリス氏:
そうです。最初はもっと紫っぽかった気がしますし、コントラストも少し変えました。空の色も変わりましたね。それに加えて鮮やかな光のシルクも追加しました。凄くクールに仕上がったと思います。
――お二人は世界観を作ることのスペシャリストですので、まずはそこにフォーカスして伺っていきます。まずクリスさんにお聞きしたいのですが、『ボウと月夜の碧い花』は世界観が独特ですが、どのような手順で作ったのでしょうか。
クリス氏:
日本の伝統的なアートスタイルを色々参考にしています。ヒロシゲ(歌川広重)とか。プロセスとしては、リアルな世界をベースにしてデザインを作っています。その結果、水の表現や火の表現など、異なる自然の要素を抽象的で面白いデザインで表現することができました。
――アートについてはどのように学ばれましたか。
クリス氏:
学生時代には、紙に木炭や墨、アクリル絵の具などで絵を描く伝統的なアー トを学んでいました。ゲーム開発をはじめるにあたって、デジタルアートは初めての挑戦だったので、本作の開発を通してほとんどすべてのことを学びました。
――ボウが初めてのゲームだと。
クリス氏:
そうです。
一同:
おお~。
――『エルシャダイ』など含め世界観構築といえば、竹安さんの強みだと思っています。アイデアを製品に落としこむプロセスをお聞かせください。
竹安氏:
元々カプコンで鍛えられたというのがあります。鍛えられ方が本当にタイガーマスクの「虎の門」みたいだったので(笑)
オーダーが上がってくるとそこには「見たこともないものを描け」としか書いてなかったりするわけです。これが当時のカプコンの開発現場の日常でした。だからアーティストたちは、とりあえず自分の思いつく範囲で、見たこともないものをディレクターと確認しながらトライアンドエラーを繰り返す的な、未知のアート創造ノックみたいなことをずっとやらされてました(笑)
僕が絵を描く時にやることはふたつあって、ひとつは単語を書くことなんです。メモ帳とかに、やりたい単語のキーワードをずっと書いていって、それでイメージを膨らませていきます。あと何かネットで調べて、素晴らしいなと思ったら自分の心の中でそれを超えると決めて描く。超えるという気持ちにスイッチを入れた瞬間から描き出せる、みたいな感じですね。そこからは、ほとんど一筆描きなんで、あんまり下書きとかはやらないです。
――そこから世界が溢れてくるわけですね。
竹安氏:
はい。ずっと準備段階で単語をいっぱい浮かべて。今回の『ボウと月夜の碧い花』に提供したアートの場合だったらガシャドクロがいて、右から左に行って、で炎があって、下に平安京があって。頭の中だとなんぼでも描き直せますから。
――なんとなく、言語センスも必要そうに感じました。
竹安氏:
小説とかも書くので。やっぱり僕は文章の重要度が高いので。ラフ絵って文章で書くもんだってタイプですから。
――続けてクリスさんにお聞きします。世界観構築にあたってどういうインプットをされていますか。
クリス氏:
私は多くのアーティストから影響を受けています。今の時代、さまざまなSNSなどで見られるアートワークの量は非常に多く、それぞれに独自の視点があり、たくさんのユニークな視点に触れられます。なので、ポップアートからアヴァンギャルドなタイプのアート、抽象的なアートまで、本当に様々な表現から影響を受けていますね。
もちろん、多くの素晴らしいアニメからのインスピレーションを受けてもいます。キャラクターデザインには『ポケモン』、「鬼滅の刃」、スタジオジブリ作品などからも大きな影響を受けています。見る人が見れば、作品にはそれらのDNAが多く反映されているのがわかると思いますよ。
――竹安さんはインプットされていますか。インプットされてるイメージがあまりないというか、すごく我が道を行っているという感じがしますが。
竹安氏:
そうですね。アウトプットばっかりしていますね(笑)そちらで忙しくて、時間がない。インプットは20代の頃くらいにはすごいやってました。正直、業界歴が長いので、インプットするにせよある程度ルールがわかっちゃってるというのがあります。今はノスタルジーもないので、経験などで得たものをアウトプットしていくかたちです。まあそういう年齢なんだと思います。
――ベテランゆえに、ですね。引き続き竹安さんに質問です。竹安さんは、和洋いろんな世界観の描き分けができるイメージです。
竹安氏:
それはやっぱりカプコンの時代の「虎の門」(前述したスパルタ特訓)のおかげですよ。見たこともないものを描けと鍛えられたところが。
――でも竹安さんは2000年代にカプコンをやめられているので、ずいぶん前の話ですよね。
竹安氏:
そうですね。当時のカプコンには「第四イズム(第四開発部イズム)」というのがあって、それになんとなくずっと染まっちゃっているというのがあります。
描き分けの幅ですか。うーん、あんまり人と似たことをしているつもりもないですし、結果論からすると僕が特殊だったのかもしれないです。
――もし竹安さんみたいに、世界観を構築するクリエイターになりたいっていう若者が来たりしたらどうアドバイスしますか?
竹安氏:
今みたいになれたきっかけがひとつあって。カプコン時代にある程度いろいろやらせてもらっていたんですが、ある時限界を感じたんですよ。これ以上はもういけないって。その時に新しいものを作ったりとか、見たこともないものを作りたいなら、自分の人生変えるしかないと。人生を変えるというのは、何かリスクを負うことです。会社を辞めることであったりとか、あとは流行りの絵を追いかけないようにするだとか。徹底的にリスクを取って、それでも生きていけるかみたいな。
――人生ギャンブラー。
竹安氏:
そこにゾクゾクできたのが才能じゃないですかね。これでつまらない人生が終わると思うとワクワクしました。
――クリスさんの在籍するSquid Shock Studiosはタイのスタジオですが、今回すごく日本っぽい作品を作られました。先ほども歌川広重の話も出ましたが、どういうものをリファレンスされたのでしょうか。
クリス氏:
実は私はアメリカ人ですが、民族的には母が日本人です(笑)私たちのスタジオはタイにありますが、タイとはあまり関係がなく、私のバックグラウンドには日本文化がありました。子どもの頃(1990年代)に、アメリカで日本アニメのブームが来たのですが、それが来た頃には、既に色々な日本アニメを見ていました。「となりのトトロ」とか「ポケモン」などをVHSで見ていましたね。
で、それらはいつも私の頭の中にあって、アメリカで他の子供たちや人々が見ているアニメとは、何か違うと感じていました。そこからほかの日本人アーティストにも興味を持つようになり、若い頃にたまたま村上隆氏の展覧会を見たときには「日本人はやっぱり素晴らしい作品を作っているんだ」と感じられて、とても誇らしく思いました。
――(笑)
クリス氏:
なぜかわかりませんが、日本から出てくるアートがとても誇りに思えるんです。ほかのどの場所とも違ってとても力強いんです。特に伝統的なアートは他のどの国も日本のようなことはしていません。日本はその点で非常にユニークなんです。
――日本の文化はハイコンテクストで、他の文化の中で育った方には仔細に理解するのが難しい認識です。文化描写の中でディテールをちょっと間違えると目立ってしまうケースもあるのかなと。今回日本の文化から影響を受けるにあたって、こういうところに気をつけたみたいなものがあれば教えてください。
クリス氏:
日本文化描写に関しては、上手くやらなければ皆さまを満足させられないかもしれないというプレッシャーがありました。それによって何かを台無しにしてしまうのではないかとか、これでは本物っぽくないのではないか、などと考えてしまうこともありましたね。なので、ゲームの中では、あくまで我々Squid Shock Studiosのスタイルを優先することを心掛けました。
大前提としての目標は『ボウと月夜の碧い花』独自の世界を作ることでした。『ボウと月夜の碧い花』の世界は、あくまでファンタジーの世界なので、日本の文化そのままを表してるわけではありません。アートスタイルの影響を受けていたり、伝統的な芸術作品をちょっとした要素として入れたりといったコラージュ的な使い方をしています。
――確かに『ボウと月夜の碧い花』の世界は、和風でありながら無国籍な感じで、オリジナルという印象です。
クリス氏:
はい、文字通りの「日本」ではなく、ファンタジックな夢の世界なんですね。
ところで私は日本の妖怪が好きで、今回ボウを作る時には、日本の文学にすでに存在する妖怪だけではなく、自分が妖怪を作るとしたらどんなのがいいか、実際の妖怪を参照しながら新しいものを作りたいと思っていました。それでボウを妖怪として桃太郎やかぐや姫からインスピレーションを受けて作ってみたわけです。また、花も大好きなので、花をモチーフにした妖怪の種族である「テンタイハナ」を生み出しました。
――竹安さんは最初に『ボウと月夜の碧い花』のイラストレーションの話を聞いた時に、同作の世界観をどう思いましたか。
竹安氏:
実は前から知っていました。なんか『大神』をアップデートしたみたいな内容で……(笑)すごく良かった。今回コラボさせていただいて、細かくデザインしていただいて思ったのは、すごくコミックテイストがあるなと。それがすごく新鮮でした。僕はあんまりやらない手法なのですが、僕自身も勉強になりましたね。
クリス氏:
オーマイガッ!(喜)
一同:
(笑)
――ところで、世界観とゲームデザインは、その2つが喧嘩する時があると思います。その場合アーティストでデザイナー出身だと世界観を優先したくなると思うのですが、どのようにして折り合いをつけていますか。
竹安氏:
若い頃はいろいろと考えていましたけれども、今はディレクターもしているので、やっぱりユーザーがどう思うかを優先しています。ターゲットにしてるユーザーが何を望むか。そこに徹する感じですね。自分の好き嫌いじゃなくて、どっちがいいか割と人に聞きます。
ディレクターという立場ですが、僕の場合、元々濃い煮汁があるので、それを薄める作業が必要だと思っていて(笑)ある程度答えは持っているけれども、最後はやっぱり「いいね」が必要で。そこはユーザーの反応を見ていますね。A/Bテストとかも利用しています。
――クリスさんは、ゲームデザインとアートがケンカしている場合ではどういう風に折り合いをつけますか。
クリス氏:
すごくかっこいいデザインだったら、無理やりにでも入れますね。『ボウと月夜の碧い花』でも絶対入れたいと思っていたイベントシーンなど、いろいろなシーケンスがあったんです。でも、それらをどうやってつなげるかは決まっていませんでした。でもこのシーンはどうしても入れたいので、それをつなげるためのストーリーを後から作ることもありました。本作はいわゆるメトロイドヴァニアなんですが、自由が利きやすいメトロイドヴァニアだからこそ、それらをつなげることは割とやりやすかったのだと思います。
私のやり方は、僭越ながらスタジオジブリの宮崎駿さんの作品の作り方とちょっと似ていると思います。明確な物語を定める前に、まずは作品に絶対入れたいイメージを固めていきます。そして、それらのイメージをつなぐ方法を考えていくと、そこからストーリーが勝手に現れてくる感じです。『ボウと月夜の碧い花』の場合も、最後の瞬間まで、物語がどのような結末をたどるのかが決まっていませんでした。物語が完成したときでさえ、ストーリーが自ら動き出していて、私はそれを眺めているような気分でした。
――今後お二人が作りたいゲームの世界観があれば教えてください。
竹安氏:
いろんなゲームを作りたいなと思ってるんですが、割とインディーっぽい限られた予算で作ることが、肯定的な意味においてだんだん楽しくなってきて。人数が少ないと意思疎通がしやすいんです。大人数だとどうしても複雑な工程が増えてしまいます。インディーにはそれがないので、クリエイティブだけを考えていける。
あとはやっぱり、やっぱり低予算だとどうしてもどうやって工数削減するかっていうテクニックがいるじゃないですか。それを考えるリソース管理ゲームみたいな(笑) 今『スターノート』は3人で作っていますが、やっぱり楽しいです。
ただ自分でも作ってみて、インディーにはメジャーゲームと違うインディーズならではの難しさをすごく感じてきてもいて、それがなんかその新大陸に来たような感じがしてわくわくしています。
――竹安さんはもう小規模ゲーム開発者ですね。
竹安氏:
確かにそうかもですね。開発のお金は全部自分で出してますからね。『エルシャダイ』もそうですし『スターノート』も自分で全部パブリッシュしてやってるから、誰にも何も言われずにやる楽しさをちょっと知っちゃったというのはありますね。もちろんリスクもありますけど、どこか部活みたいでもあるし、バイトのような面白さがあって。その楽しさにちょっと中毒性を感じてます。
――青春ですね。
竹安氏:
そうそう。でも大きな環境でも小さな環境でも両方できるのがいいと思いますよ。
――クリスさんに伺いたいのですが、今回『ボウと月夜の碧い花』をリリースしたことで経験を積まれたと思います。それを踏まえて、次回はどのくらいの規模でやりたいとお考えですか。竹安さんは現在小さなバジェットでやることを楽しんでいらっしゃるようですが、クリスさんはいかがですか。
クリス氏:
Squid Shock Studiosには大小に関わらずいろいろなアイデアがあります。ゲームだけではなく、アプリも手がけていますので。実際『ボウと月夜の碧い花』を作る前まではアプリをつくっていましたから。ただ、やりたいことはいろいろとあるのですが、今は『ボウと月夜の碧い花』がやっとできたばかりで、正直かなり疲れました。なので、アイディアはたくさんあるのですが、今はまだ具体的に考え始めてはいないですね。
多分しばらく後に同じ質問をしていただければ、もう少しいい回答ができると思います(笑) まずは『ボウと月夜の碧い花』がヒットしてくれて、このIPに良い反響があれば、またボウの世界にさらにたくさんのゲームを作り続けられたらな、と思っています。
――いよいよ最後の質問になりますが、お互いクリエイターとして、今後どういう作品を作ってほしいか、というのをお伺いしたいです。
クリス氏:
『大神』……!!『大神』はものすごくいい作品でした。多分アートの技術は当時PS2の限界までいっていたと思ってます。
なので、今の技術で竹安さんが『大神』のような作品を作ったとしたら、いったいどんなことが可能なのか。現代的なハードでは、本当に限界がないような自由度がありますので、今の技術で作られた『大神』を見てみたいです。
竹安氏:
あれは本当にクローバースタジオという当時のスタジオ技術の結晶でした。まず僕一人の力じゃないっていうのもあるし、実際確かにあれだけの技術力っていうのはあれ以降僕もあんまり出会えたことないんで、もう一度ああいうのができるようにやりたいと思います。
で、クリスさんにお伝えしたいのは、『ボウと月夜の碧い花』は素晴らしいゲームだってことです。個人的には次の新しいアートスタイルが見てみたいのと、あともうちょっとカジュアルな別の作品も見たいという感じですね。すごい難しかったので(笑)
――(笑)竹安さんが描かれた絵、ゲームの後半にでてくる内容もあって、そこまでクリアするのに結構時間を掛けてやりこまれたんですね。このゲームをプレイされたというのが、わかります。
クリス氏:
私自身としては竹安さんがそこまでゲームをプレイしてもらえるとは思っていなかったのですが、アートが届いてディテールを見た時、これはちゃんとゲームをやった人でないと描けない内容だな、とすぐ気づきました。
竹安氏:
クレイジー!オーマイガッド!とか言いながらやっていました(笑)ちょっとだけアレンジはしちゃいましたけど、ちゃんとステージを意識してやりました。
クリス氏:
ほんとうにすごいです!ありがとうございます!
――本日はありがとうございました。
『ボウと月夜の碧い花』は、マーベラスよりPS5/Nintendo Switch向けに発売中。PC(Steam)/Xbox Series X|S版はHumble Gamesからリリースされている。
[執筆:Masamune Oda]
[聞き手・編集・撮影:Ayuo Kawase]