ドラッグの幻覚状態をプロシージャル生成のゲームデザインに例えた一人称視点アクションRPG『Drugtopia』
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第293回目はインモラルな題材を取り扱った『Drugtopia』を紹介する。
『Drugtopia』は一人称視点のアクションRPGである。ただし単なるアクションRPGではない。「Drug」と「Utopia」を組み合わせたタイトルの通りドラッグをテーマにした強烈な内容で、プレイヤーは膨大なドラッグを摂取して見える幻覚の中を探索していくのである。
本作の特徴のひとつはプロシージャル生成される終わりの無い世界である。最近の作品では『No Man’s Sky』でも無限に続く広大な宇宙を表現するために使用されていたプロシージャル生成技術だが、『Drugtopia』では薬物を摂取して見える幻覚の世界の脈絡の無さをプロシージャル生成に当てはめている。
ゲームプレイに関しても『Drugtopia』と『No Man’s Sky』は似ているかもしれない。『No Man’s Sky』では惑星に着陸して材料を集め、宇宙の中心に向かうために宇宙船の燃料などをクラフトし、未知の惑星から未知の惑星へ向かっていく。『Drugtopia』でも幻覚の中で材料を集めていき、アイテムをクラフトしていく。だがそこで生み出すのは宇宙船の燃料やパーツではなくドラッグである。こちらは幻覚の中からさらに次の幻覚に向かうゲームプレイなのである。
なお『Drugtopia』はCo-opモードも搭載しており、クラフトしたドラッグは他のプレイヤーとトレードすることが可能。違法の薬物をアンダーグラウンドのコミュニティで交換し合うかのようなゲームプレイも可能なようだ。さらにはVRモードも搭載され、幻覚症状の視界をより深く体験することもできるという。
ゲーム内では様々なドラッグを摂取する様子が詳細に描かれている。摂取するとみるみるうちに目の前が異様なくらい輝きだしたり、ぐるぐると視界が渦巻く幻覚が現れる。
『Drugtopia』はPC/Mac/Linuxでのリリースを予定しており、その他のプラットフォームでの展開も可能性があるとのこと。リリースの予定日は今年のクリスマスだという。街が鮮やかな彩りに満ちるこの日に、幻覚で視界が彩られる作品が売り出される。ちなみに、デベロッパーのAtom Power氏は本作の公式Steamグループにて「このゲームはドラッグを宣伝はしていない。ドラッグは悪いものだ。本作は誰にでもお勧めされるものじゃない。特に子供には」と説明している。現在Steam Greenlightに登録中。興味を持ったならば「これはビデオゲームでありフィクションである。現実ではドラッグは絶対に所持したり使用しないこと」と線引きしたうえで、チェックしてほしい。