ソニックシリーズ開発者いわく、シャドウは「ベジータのようなキャラではない」。ソニックとも友達じゃない
ソニックチームのディレクターである飯塚隆氏はゲームショウ「Gamescom 2024」にて、海外メディアGamesRadar+のインタビューを受けた。そこで飯塚氏は、ソニックシリーズに登場するキャラクター「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」をドラゴンボールの「ベジータ」と比較するようなファンの意見があることに触れつつ、ふたりは“異なったタイプのキャラクター”だとの見解を述べた。
シャドウ・ザ・ヘッジホッグはソニックシリーズに登場するキャラクター。ソニックと瓜二つの姿をもち、Dr.エッグマンのおじいさんにあたるプロフェッサージェラルドによって生み出された究極生命体だ。『ソニックアドベンチャー2』で初登場し、以降ソニックシリーズ作品にたびたび現れるようになる。登場作品ではソニックとは別に行動することが多いものの、ときに共闘したり、ソニックの前に立ちはだかったりする。
シャドウは今年10月25日に発売される予定の最新作『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』にも登場。同作は2011年発売の『ソニック ジェネレーションズ』のリマスター版に加え、シャドウを主人公とする『シャドウ ジェネレーションズ』が収録された作品。『シャドウ ジェネレーションズ』は完全新作であり、ソニックとは別の時空でのシャドウの物語が展開される。
今回そんな本作について、ソニックチームのディレクターの飯塚隆氏や本作プロデューサーの中村俊氏、ディレクターの鴫原克幸氏に対しGamesRadar+がインタビューを実施。その中で飯塚氏はシャドウについて自身の見解などを述べた。飯塚氏によれば、シャドウはソニックシリーズにおいてもっともお気に入りのキャラであるとのこと。その主な理由としては、シャドウの悲劇的なバックストーリーが説得力を増し、興味深いキャラにしているからと述べている。
一方で飯塚氏は、「シャドウの生みの親」として、ファンたちのあいだで自分たち制作陣の本来意図したかたちでない解釈がされていることもある、とも認識しているようだ。その中で一番目立つものは、漫画「ドラゴンボール」における「ベジータ」との比較をおこなう意見だという。
ベジータは惑星ベジータの王子でサイヤ人のキャラクターだ。はじめはナッパとともに星々を侵略していたものの、作中で孫悟空と戦い撤退した。以後悟空をライバル視するようになるが、その後の戦いでは共闘する場面も。ほかにも対フリーザ戦などでは孫悟飯やピッコロたちの主人公サイドに明確に協力する場面もある。残虐な性格を見せていた登場初期に比べ、ベジータは物語が進むにつれ丸い性格となり、味方となって戦うようになる。
シャドウとベジータはプライドが高く、ときに他人を突っぱねるような態度や、敵対しつつも共闘をおこなう、といった共通点をもって比較されることがあるのだろう。しかし飯塚氏は、「シャドウはどう見てもベジータのようなキャラクターではない」と語った。
飯塚氏いわく、シャドウはベジータのように、敵であったものののちに主人公の友達となり、正義のために戦い世界を救おうとする、というようなキャラクターではないという。またシャドウは、ベジータと悟空の関係のように、ソニックと友達というわけでもないとし、自分が正しいと思うことや、やるべきことがあれば何でもやるようなキャラクターだと表現。そのため飯塚氏は、シャドウは“ベジータのようなキャラクター”でもなければ、今後そういうキャラクターになって欲しくないと自身の考えを述べている。
セガは新作『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』のリリースを10月に控えている。さらに今年12月には映画「ソニック × シャドウ TOKYO MISSION」も公開される。いずれもシャドウ・ザ・ヘッジホッグというキャラクターにフォーカスされている作品であり、改めてシャドウへの注目が集まっていることだろう。
そんな中で生みの親である飯塚氏から直接、シャドウのキャラクター性についてのファン反応について、公式の見解が明言されたことは興味深い。新作におけるソニックとシャドウの関係、そしてシャドウの物語がどのように描かれるかも気になるところだ。
『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに10月25日発売予定だ。「ソニック × シャドウ TOKYO MISSION」は12月27日に劇場公開予定。