“劇場版”クオリティ美少女ビジュアルノベル『everlasting flowers』発売。sprite手がける完全新作、夏の一か月のなかで二人の少女の葛藤と成長を描く
『恋と選挙とチョコレート』『蒼の彼方のフォーリズム』を手がけたブランドspriteは8月29日、新作ビジュアルノベル『everlasting flowers』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/Nintendo Switch。
本作の主役は少女たち。引っ越しを機に有名女子校に進学した坂下深菜は、クラスに馴染めず不登校になり、ゆっくりと進む時間のなかで「私の居場所はここしかない、ずっとこの部屋にいるしかないんだ」と自分に言い聞かせながら部屋に籠り過ごしていた。そして恵まれた家に生まれた星野蘭は、両親に敷かれたレールの上を歩んできた。しかし幸せな生活は徐々に壊れていき、自分が誰にも愛されていないと思い知ることになる。
そんな二人はとあるペンションで出会い、夏の一ヶ月を一緒に過ごすことに。楽しい時間の中で、二人は柳瀬美智子、成瀬陽毬たちと共にずっとここにいたいと思い始める。しかしある時、自分が本当に向かわなければならない場所から目を背け、逃げているだけだと指摘される。駄目な自分に向き合うのが辛い。あの部屋に帰りたくない、昔の自分に戻るのが怖い。そういった思いに対して、それぞれの少女たちが人生とどう向き合い、答えを出すのか。自分の居場所を探す葛藤と成長が描かれる物語となっている。
本作は「文学的FILMIC NOVEL」コンセプトの第一弾とされている。同コンセプトは長さよりもクオリティを重視し、多彩なCGによる演出や映画的な構図を中心として、ビジュアル・ストーリー・音楽を融合させた“映画的作品”を目指すことを特徴としている。こういったコンセプトは長い作品をプレイする時間を捻出することが難しい現代のユーザーに合わせているとのこと。そうしてゲーム体験を短く凝縮した上で、劇場版の映画のようにイラストや演出に力を入れてクオリティを高めているという。『everlasting flowers』は、企画段階からFILMIC NOVELコンセプトに準拠した初めての作品であるとのこと。
このコンセプトはユーザーからも好評を博しているようで、Steamストアレビューにおいても、本稿執筆時点で61件中73%が好評としている。寄せられているレビューにおける総プレイ時間は控えめでありながら、CGのクオリティや演出、音楽などを総合した濃厚なビジュアルノベル体験ができるとする声が上がっているようだ。また少女たちの成長を描いた重厚なストーリー描写についても評価をする声が上がっており。ビジュアルノベルジャンルのファンからも好評を博しているようだ。
なお本作では、キャラクターの声優に上田麗奈氏、Lynn氏、斎藤千和氏、富田美憂氏、宮寺智子氏といった豪華声優を起用。そして原画・アートディレクターはSuzumori氏、作中の音楽はElements Gardenが担当している。ビジュアルノベルに定評のあるスタジオの最新作が、豪華制作陣によって打ち出されているかたちだ。
『everlasting flowers』はPC(Steam)/PS4/Nintendo Switchにて発売中。