『ファイナルファンタジーXVI』ディレクター高井浩氏いわく、PC版移植に時間がかかったのは“想定されるPC環境が膨大だから”。Steam Deckなど幅広いデバイス向けに最適化
スクウェア・エニックスは8月20日、『ファイナルファンタジーXVI』PC(Steam/Epic Gamesストア)版を9月18日に発売すると発表した。本作PC版について、ディレクターの高井浩氏が最適化における苦労などを海外メディアWindows Centralに向けて明かしている。
本作は、『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング最新作であるアクションRPGだ。PS5向けに2023年6月に発売された。本作の舞台となるヴァリスゼアでは、クリスタルの巨塊「マザークリスタル」によって供給されるエーテルを頼りに人々が暮らしていた。この世界ではそれぞれの国がマザークリスタルを保有することで均衡が保たれていたものの、「黒の一帯」に蝕まれることでそのバランスは崩れつつあった。主人公となるのは、クライヴ・ロズフィールド。ロザリア公国の第一王子であるクライヴは、王位を継ぐ弟を守るナイトとして鍛錬を続けていたが、とある悲劇へと巻き込まれていく。
今回、本作PC版が9月18日に発売されることが発表。そして海外メディアWindows Centralが本作ディレクター高井浩氏へのインタビュー記事を公開しており、このなかではPC移植においての苦労などが明かされている。
たとえば高井氏によると、本作の移植に時間を要した理由のひとつは、PCではハードウェア環境ごとに膨大なコンポーネントの組み合わせが想定され、それぞれの異なる環境に応じて最適化をおこなう必要があったためだという。またインタビューではSteam DeckやASUS ROG Allyといった携帯型ゲーミングPCに向けた最適化についても言及。たとえば『ファイナルファンタジーVII リメイク』PC版では、Steam Deck向けの最適化がおこなわれ、互換性ステータス「確認済み」が取得されていた。
高井氏によると、同作はもともとPS4向けの作品であったのに対して、『ファイナルファンタジーXVI』はPS5向け作品ということもあり、最適化に難しさもあったようだ。それでも本作PC版では、Steam Deckを含むできるだけ幅広いデバイスでプレイ可能にすることを目標に開発が進められたことが明かされている。
このほか本作ではグラフィック設定も豊富に用意。体験版のグラフィック設定を見るに、低/中/高/ウルトラの4つのプリセットに加えて、細かな設定もさまざまカスタマイズ可能だ。影や水の描画品質のほか、NPCの表示量の多さなども設定でき、ユーザーがそれぞれ環境に応じて最適な設定を見つけ出せるだろう。またいわゆる超解像技術となるNVIDIA DLSS 3、AMD FSR、Intel XeSSなども設定にて適用可能。パフォーマンスを底上げできるだろう。
また本作はPC版でもDualSenseのアダプティブトリガーやハプティックフィードバック機能に対応する。さらにマウスとキーボード操作にも最適化されているそうで、体験版で確認するとキーバインドの変更も可能となっている。
PS5版発売前より展開予定であることが明かされていた、『ファイナルファンタジーXVI』PC版(関連記事)。PS5版発売から約1年をかけてじっくり最適化がおこなわれ、細かな部分まで抜かりないPC移植となっているようだ。なおSteamおよびEpic Gamesストアのストアページでは体験版も配信されており、セーブデータは製品版に引き継ぎ可能。自分の環境で快適にプレイできるか確認可能なため、製品版発売を待つ間プレイしておくのもいいだろう。
『ファイナルファンタジーXVI』はPS5向けに発売中。PC(Steam/Epic Gamesストア)向けには9月18日に発売予定だ。