“Apple Arcadeは開発者サポートが不親切”との証言報じられる。報酬はいいけど支払が遅い、連絡も遅いとの報告
Appleが展開する、サブスクリプション型のゲーム定額サービス「Apple Arcade」。同サービスについて、複数のゲーム開発者から、Apple側の対応に一部不満の声があがっているようだ。Mobilegamer.bizが報じている。
Apple Arcadeは、Appleが2019年より展開している、ゲームのサブスクリプションサービスだ。本稿執筆時点では月額900円。無料トライアル期間も設けられている。提供されているゲームは200以上存在し、iPhoneやMacだけでなく、Apple TVやApple Vision ProといったAppleが提供する複数のデバイスにてプレイすることができる。ファミリー共有をおこなえば、最大5人まで共有で利用することも可能だ。
そんな本サービスに向けてゲームを提供している一部開発者から、不満が上がっていることをMobilegamer.bizが報じている。Mobilegamer.bizに情報を提供したという匿名の開発者によれば、報酬は良いものの待遇面で不満があるという。具体的には、あるインディーデベロッパーは、報酬が支払われるまでに半年も待たされ、一時廃業寸前にまでなったという。取り決めとして支払期限が設けられていたかどうかは不明ながら、少なくとも証言者が見込んでいたよりもかなり遅い支払いになったとみられる。ほかにもApple Arcadeのチームは普通のメールのやりとりで、数週間から長くて数か月も返信を送ってくれないこともあるという。全体的に対応の遅さが問題視されているようだ。
また同誌によれば、Apple Arcadeのテクニカルサポートについて、今まで見たどこよりもひどいと酷評する証言もあるという。さらにMRデバイスであるApple Vision Pro向けには技術サポートがなく、ミドルウェアがどのように動作するかといった情報の提供も受けられない、とされている。技術的には、Apple Vision Proの機密情報にかかわるために開発者に伝えられなかったという可能性も考えられる。とはいえ専用デバイスでゲームを動かすにあたり、Apple側から知見を得られないとなると、開発は困難を増すだろう。
Apple Arcadeに向けては国産タイトルもさまざま展開されており、『ファイナルファンタジー』シリーズ生みの親である坂口博信氏が手がける『FANTASIAN(ファンタジアン)』や、ゲームフリークによる『ソリティ馬 Ride On!』などのタイトルが配信中。コントローラーにも対応するなどといったアクセシビリティも備えており、ユーザーとしてはモバイルゲームのサブスクリプションサービスとして有力な選択肢のひとつだろう。また開発者目線でも基本プレイ無料にしたり、ゲーム内広告を配信したりせずにモバイル向けゲームで収益を確保できるサービスとして評価する声もある(ASCII.jp)。
しかしながら一部開発者からは、Appleとの間のやりとりや、そのサポート品質に課題があるとする声もあるようだ。地域や担当者などによってサポートの品質が変わる可能性もある。とはいえGoogle Play PassやNetflixゲームといった競合サービスも登場する中で、開発者向けサポート面の充足や安定は望まれるところかもしれない。